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ハーメルンのバイオリン弾きの編集履歴

2011-02-11 15:38:43 バージョン

ハーメルンのバイオリン弾き

ハーメルンのバイオリン弾きとは、渡辺道明によって月刊少年ガンガンに連載されていた漫画である。

現在、続編である『ハーメルンのバイオリン弾き~シェルクンチク~』がヤングガンガンにて連載されている。


親世代子世代


概要

連載1991年3月(創刊号)~2001年1月
総話数単行本37巻

 月刊少年ガンガンの黎明期から連載を開始し、実に10年ものあいだ連載し続けてきた月刊少年誌でも稀に見る一大巨編。

 総話数・単行本の巻数ともにガンガン史上最大であり、いまだこの記録を打ち破る作品は輩出されていない。

 元々は読み切り作品だったにもかかわらず、その人気ぶりから連載へと切り替わり、その後に少年ガンガンの伝説として君臨することとなった。

 『魔王を倒して世界を救う』という、冒険ファンタジー王道を行きながらも、キャラ崩壊がデフォという強烈なギャグシーンを随所に盛り込み、さらにそのアクの強さを吹き飛ばすほどに重厚で複雑な人間ドラマが展開される。

 たった一作で『ファンタジーギャグシリアス熱血友情恋愛』を見事に演出しており、少年漫画の総決算ともいうべき作品に仕上がっている。

 また、クラシック音楽を随所でモチーフにしており、登場人物・地名・アイテム、さらに攻撃そのものが音楽という具合で、さらに実在の楽曲を用いており、その曲ごとに作者や作曲にまつわるエピソードを紹介するなど、近年のクラシックブームの先駆というべき漫画でもある。


ストーリー

 勇者を名乗る青年ハーメルが魔王を倒すべく、最北の地『北の都』を目指して旅をするという冒険ファンタジー。

 途中、村娘(後に大国の王女と判明)のフルート、幼馴染みで『愛の勇者』を自称するライエル、魔王軍に祖国を滅ぼされた少年王子トロン・ボーン、ハーメルの妹で魔王軍・妖鳳王のサイザーといった面々が仲間に加わり、壮大な組曲を奏でていく。


 さらに着目すべき点として、『主人公が魔王の息子で、母親は聖女』という複雑な出自と、それに伴う暗い過去が大きなウェイトを占めており、この設定から『勇者=大衆の英雄』という公式が瓦解しており、より一層、物語のドラマ性に重低音を響かせている。

 そのほかにも、主要人物となるキャラクターのほとんどが悲壮な過去を背負っており、キャラクター一人で充分に物語を紡ぎ出せるほどのエピソードにあふれている。


登場人物

ハーメル

 勇者を名乗る青年。モチーフは『民話・ハーメルの笛吹き』に登場する街と、その笛吹き。

 わがままで横柄、金に汚い守銭奴と、勇者として問題のある性格ではあるが、根は誰よりも優しく仲間思いな純粋さにあふれている。

 コントラバス並みの大きさを持つ巨大ヴァイオリンから奏でられる魔曲を武器に、魔王軍に立ち向かう。

 父は世界の敵たる大魔王ケストラー、母は天使の血を引く聖女パンドラで、父親の血を強く継いだせいで魔族としての色が濃く、頭のてっぺんに一本角が生えている。また、感情が憎しみや怒りに満たされると、魔族の血が覚醒して暴走してしまう。


フルート

 スタカット村の村娘。名前は木管楽器のフルートが由来。

 明るく正義感の強い少女で、魔王軍の先鋒であるチューバの部下に襲われていたところをハーメルに助けられ、以後、ハーメルの旅に同行することとなった。(正確には、ハーメルの村を救った報酬の肩代わりという、なんとも言えない理由がきっかけではあるが…)

 序盤はそのパワフルさで戦いの前線に出ていくが、途中から治癒魔法に目覚め、精神的な成長とともにパーティのメンタル面を支える役割を担っていく。


オーボウ

 ハーメルと差異初期から旅路を共にする喋るカラス

 名前は木管楽器のオーボエが由来。

 独り身にあるハーメルの父親代わりというべき存在であり、パーティ全体の保護者といった立ち位置にいる。また、あらゆる知識に精通しており、楽曲の解説役もになっているパーティの常識人(?)。

 実は、かつて魔王軍No.2にまで上り詰めた経歴を持つ魔族。


ライエル

 自称『愛の勇者』を名乗るハーメルの幼馴染みの青年。

 名前は手回しオルガンのライエルが由来。

 ハーメルとは親友であったが、故郷と両親を幼少期に暴走したハーメルによって喪い、以来ハーメルと決着をつけるべく旅を続けていた。500kgにもなる黄金のピアノを背負い、そこから爪弾かれる魔曲を武器に戦う。

 最初は敵対していたが、後に和解してパーティに加わる。

 誰よりも心やさしく情に厚い一方、女性に対する免疫は薄い。


サイザー

 魔王軍No.3妖鳳王(ホーク・キング)の地位に立つハーメルの双子

 名前は電子楽器のシンセサイザーが由来。(魔王軍の名前はロック音楽の楽器で統一されている)

 赤ん坊のころに魔王軍にさらわれ、ハーメルとパンドラを憎むように仕組まれて育つ。そのため、初登場時には完全に敵であった。

 魔王軍に従うふりをして、その裏で魔王軍を「パンドラの箱」で一網打尽に封印しようと画策していたが失敗し、魔王軍を追われた先でフルートに説得され、パーティに加わる。

 武器である大鎌は楽器のフルートになり、さらに自身のあやつる精霊であるワルキューレを召喚するためのアイテムである。


トロン・ボーン

 スフォルツェンドの同盟国である騎士王国ダル・セーニョの若き王子。

 名前の由来は金管楽器のトロンボーン

 故郷と両親を魔王軍に滅ぼされ、その敵を討って王国を再建するべく旅路に付いていた。

 生意気加減が鼻につくやんちゃな性格だが、精神的にまだ幼く、泣き虫で怖がりな一面を持つ。

 父から受け継いだ剣技と両親の形見の剣、そして土壇場で見せる勇気でパーティを支え、最終的にメインキャラクターの中で最も成長した人物の一人となった。


アニメ版

原作渡辺道明
監督西村純二
シリーズ構成今川泰宏
脚本今川泰宏
キャラクターデザイン中嶋敦子
音楽田中公平
アニメーション制作スタジオディーン
製作ポニーキャニオン
放送局テレビ東京
放送期間1996年10月2日 ~ 1997年3月26日
話数全25話

 基本設定は原作とあまり変わらないものの、物語全体が非常に重々しい雰囲気となっている。

 また最大の売りのひとつであるギャグシーンがほとんどなく、シリアス一辺倒に近いため、よりストーリーの重厚感が際立っている。

 なにより、最終回がほぼバッドエンド状態のため、ファンの間でも賛否が大きく分かれる作品となっている。



関連イラスト

終了から10年たつにもかかわらず、pixiv内で1000を越すイラストが投稿されており、その不動の人気ぶりをうかがわせる。


関連タグ

漫画 音楽

月刊少年ガンガン ハーメルン

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