概要
CV:佐久間レイ(ドラマCD・劇場版)、緒方恵美(アニメ版)
『ハーメルンのバイオリン弾き』に登場する、魔界軍王No.3妖鳳王(ホーク・キング)の地位に立つ「ハーメルンの赤い魔女」。
一見すると美しい天使の女性だが、その翼は鮮血で染められており、性格も冷酷非情だが無駄な殺生は好まない。武器である大鎌は楽器のフルートになり、精霊ワルキューレを召喚するためのアイテムである。
名前は電子楽器のシンセサイザーが由来。(魔王軍の名前はロック音楽の楽器で統一されている)
実はハーメルの双子の妹。赤ん坊のころに魔王軍にさらわれ、副官オカリナの元で読書好きの心優しい少女に育てられた。
6歳の頃、ベースらに母・パンドラと兄のハーメルの様子を見せられて「自分を捨てた」と憎むよう仕向けられ、唯一の友達だったオカリナを人質に取られ、老若男女問わず人間たちの虐殺を強要されて翼を返り血で染め続けた。そして現在の妖鳳王・サイザーに至るのだが、一方で水晶の中に封印されたパンドラを慕い続けていた。また、罪の象徴である赤い血と赤い翼を覆い隠してくれるから雪が好きと言っている。
『パンドラの箱』の鍵を守っていたスラーを滅ぼし鍵を手に入れるのだが、自らが手にかけたスラー国王と子供たちの絆を前に複雑な思いで髪を切る。
内心魔王軍を恨んでおり、箱で一網打尽に封印することを画策していたのだが失敗。生きる意欲も失い、翼をもがれて死を望むが回復魔法に目覚めたフルートに救われ、元の白い翼を手に入れると共に兄・ハーメルと共にパーティに加わった。
その後、お色気担当としてハーメルにクリスチーヌやスチュワーデス、バド●ールといった世界観無視したコスプレをさせられることに。
しかも本人は魔族で育ったので人間の常識を知らず、あっさりと受け入れてしまっている。
ちなみにヒロインのはずのフルートはジャンボジェットやらバド●イザーの着ぐるみを着せられていた。
物語佳境で、ヴォーカルにパンドラの箱の錠を断つための「ルビー剣」の鍵である宝石の魔力源としてその魂を抜かれてしまう。さらに空の肉体は「反魂の法」で偽の魂を入れられ、ヴォーカル同様の邪悪な思考を宿した殺戮機械へと変貌してしまう。
その後各地で暴れ回り、魔王軍の総本山である北の大陸に降り立った際、ハーメルたちを襲撃。
ヴォーカルの消滅によって肉体が崩壊し始めるも、ライエルが剣の宝石にされていた魂を奪還し、オカリナの文字通り捨て身の浄化によって肉体を補填され、ようやく正気を取り戻す。
「オカリナの死」という代償の大きさ、さらに自我の無い状態とはいえ再び殺戮に手を染めた絶望感から、一度は自暴自棄になるも、ライエルの叱咤激励を受けてもう一度生きることを選ぶ。
この頃からライエルへの想いを自覚するようになり、不器用ながらに積極的な態度を見せるが、当のライエルが初心すぎるせいでなかなか進展しなかった。
北の都での最終決戦ではオル・ゴールと対決。
人類軍の前で元妖鳳王という経歴をバラされて精神攻撃を仕掛けられるも、ハーメルたちとの旅、ライエルとオカリナの愛を知って精神面が成長したことで、オル・ゴールの挑発を退け、同士討ちの目論見を打ち砕く。
そしてオル・ゴールに引導を渡し、彼が操っていた亡霊たちの魂を解放すると、その勇姿から人類軍に「赤い羽根の天使」と称賛されるようになった。
終戦後はライエルと結ばれるも、ライエルの初心さゆえに第一子を授かるまでに10年を費やしてしまう。
その第一子である娘には、ライエルと意見が合ったこともあり「オカリナ」と名付けている。
その際に念願だった母親のパンドラ、ついでに祖父のオリン爺さんとも同居を始めたがボケ老人と化したオリンとライエルに度々被害妄想をぶつける母との関係に苦労しそうであった
次世代続編の「シェルクンチク」で再登場。ライエルとは未だに睦まじくハーメルのよこしたコスプレ衣装を気に入り夜の女豹などで夜な夜な誘っては夫を殺しかけている。
母と祖父の二人についてはやはりというべきか既に介護生活に限界を迎えてしまっており変わらず夫に被害妄想をぶつける実母は温泉旅行と偽って老人ホームとは名ばかりの閉鎖病棟施設に送り、ひ孫のオカリナにまでセクハラを始めた祖父はエログッズを詰めた袋に飛び込んだ際に袋詰めにして縛り上げ崖下に突き落とすして処分してしまった事を明かした。
アニメ版
外見が多少異なり、髪形は毛先がカールした金髪、翼の色も深紅に変更された。
愛されずに生まれた自分を呪う生い立ちなどはほぼ共通しているのだがオカリナとは上司と部下の関係でしかなかった。
パンドラとハーメルを憎んでいたが復活したパンドラに抱きしめられて「自分は愛されていた」のだと知る。
そして、母の遺言通りに父が封じられたパンドラの箱を開けようとするのだが開いた箱の中にあったのは化石に成り果てた父であり、その影響で兄は新たな大魔王になりかけるもフルートの手で封印される。
家族を失ったサイザーは何処かに飛び立つが皮肉にも翼は白に戻っていた…
余談だが第2エンディングテーマである太陽と月に背いてはサイザーをイメージしたものと思われる。