「私はスラー。偉大なるデューオからの贈り物を届けに来ました。
どう使うかは自由。胸に秘めた思いを叶えるときです」
概要
CV:渡辺明乃
アニメ版『ロックマンエグゼ』第3期『ロックマンエグゼStream』に登場。
アニメオリジナルキャラクター。
中性的な容姿、声をしているが男女どちらの性別に設定されているかは不明。
性別が存在しない可能性もあり得る。
ロックマンシリーズ恒例の音楽に関連したワードが元ネタのキャラで、滑らかに続けて演奏する事を示す音楽記号の『スラー(slur)』からきている。
人物
常に冷静沈着であり、敬語で会話を行うが、その言動は何処か高圧的で慇懃無礼な物を感じさせる。
アステロイドを与える人間の前に現れる際に「何者か」と尋ねられた際は当初は名乗らなかったが、途中から「私はスラー」と名乗るのが定番となった。
デューオに絶対の忠誠を誓う。
デューオは未知なるクロスフュージョンに興味を持ったことで地球抹殺の判断を保留し、地球が“誤った進化を遂げたネットワーク文明”かを見定めるデューオの試練を課すことにする。
人間たちには「13あるデューオの紋章を集めて、デューオの彗星にアクセスし制御することで地球抹殺を阻止させる」猶予を与えた一方で、部下であるスラーには「人間たちに、悪意や欲望を増幅させるアステロイドを無差別に与えさせる」という使命を与えた。
デューオからの命によりスラーはアステロイドをばらまいていた。
そのためカーネルは、アステロイドをばらまいているスラーこそが地球を危機に陥れる真の元凶であると認識していた。
ただしあくまでスラーの任務はアステロイドとディメンショナルチップを与えることまでであり、その後どうするかは不干渉。
六尺玉燃次とナパームマンのように人間と友情を築いても、アステロイドを用いて犯罪をしても干渉しない。
戦闘も自分からしかけず、降りかかる火の粉を払うためか、デューオに危害を加えようとする者・デューオの試練を無視してデューオの彗星を制御しようとする者を阻止するために行っていた。
あくまでアステロイドをばらまく自分の役目を全うするということなのだろう。
「“信じる”…?フッ…おろかなナビだ」
クロスフュージョンを見たことで人間に興味を持ったデューオとは違い、スラー自身は地球のネットワーク文明をすでに見下している節があり、ロックマンやブルースが人間とネットナビの信頼や絆について語った際は、「愚かなナビだ」と嘲笑っている様子を見せていた。
これについて51話にてバレル大佐から「デューオには愛や友情や絆といった感情が理解できない」と語られており、おそらくデューオに生み出されたスラーも人間の感情が理解できてないことも一因と思われる。
「どう使うかは自由だったはず。悪用したのは人間の方です」
また、アステロイドをばらまく過程で自身の欲望から犯罪に使ったり、悪事をする気はなくても(アステロイドからのそそのかしもあったとはいえ)軽い気持ちで自分の利益のためにアステロイドを使おうとする者たちを見たことも理由であろう。
実際、アステロイドに悪意や欲望を増幅する力があるとはいえ、人間と友情を築きその後悪事もしなかったアステロイドナパームマン&悪意や私利私欲を持たない六尺玉燃次のような例もあった。アステロイドとどう向き合い何をなすかは人間次第である。
しかし結局ナパームマン以外の全てのアステロイドは最終的に暴れ回る事態に。貴船誠心総監も48話にて地球で暴れまわるアステロイド達を見て「いくらアステロイドに人間の欲望や憎悪を増幅する力があるといっても、この事態を引き起こしたのが人間であることに変わりはない…」と苦々しく述べている。
スラー本人がどこまで知っているのかは不明だが、スラーの姿はデューオを生み出しデューオに滅ぼされた地球外古代文明のネットナビの姿と似たものとなっている。
戦闘力
「何体ナビを呼んでも同じ事…。地球のナビに私をデリートする事は出来ません…」
デューオの配下だけあってその戦闘能力は強大。
地球のネットナビはおろかダークロイドやアステロイド、そして「究極プログラム」を備えているロックマンやブルース、フォルテ、カーネルをも軽く凌駕する等、一線を画している。
和風着の裾の様な形状をした両腕から光の剣や弾丸を放つのを主な攻撃とし、ワイヤーを放出させて相手を拘束する、電撃で痺れさせるといった搦め手の戦法も行う。
また、生半可な攻撃が通用しない上に、サーチマンのスコープガンから放たれたビームを素手で掴み消してしまう、頭上に円を描いた後に大規模な爆発を起こして周囲のナビに大打撃を与えるといった芸当もこなしている。
劇中では、ロックマン、ブルース、サーチマン、カーネルの4体がかりでもまるで歯が立たず、プログラムアドバンス3発同時に受けても無傷だった程。
あくまでアステロイドを授ける立場ゆえか基本的にデリートはしない姿勢ではあり、相手を排除する場合はウラ電脳世界に叩き落そうとしている。
活躍
「私はスラー。偉大なる裁きの星、デューオの意思を伝える者」
2話にて、人工衛星を経由してデューオの衛星にロックマンとブルースをアクセスさせようと科学省が考えていたところ、科学省にフォルテが侵入。
科学省の施設を使い、デューオの力を取り込むべくプラグインしてデューオの彗星にアクセスしようとしたフォルテの前に姿を現す。
フォルテの全ての攻撃を難無く回避もしくは無傷で受け止め、彼をワイヤーで縛りつけてウラ電脳世界に叩き落とした。
そして地球抹殺するかどうかの猶予として地球人類に『デューオの試練』を課したデューオの命により、地球上の多くの人間達にアステロイドを送り込んだ。
劇場版『光と闇の遺産』でDr.リーガルことネビュラグレイが起こした地球非物質化現象には不干渉。この程度のことはデューオの試練の範囲を出ないということだろうか。
48話においては、世界各地へ無作為にアステロイドをばら撒いていった結果、それを止める為に時空を超えて戦いを挑んできたカーネルやロックマン達と対決。
軍用ナビとして高い戦闘能力を持つカーネルの攻撃を物ともしないばかりか一蹴し、ロックマン、ブルース、サーチマンの三体によるプログラムアドバンスの攻撃に対しても全くの無傷であった上に、逆に大爆発を起こす形で圧倒。
「地球人類は未来を選んだのです。破滅の未来を。」
「アステロイドには人間が持つ悪しき心…悪意をエネルギーに変換し集める能力があります。
集められたエネルギーはデューオの彗星を起動させました。この惑星を消滅するべく。
地球人類はその“悪意”によって消滅するのです。自らの欲望を叶えるためには他人を傷つけることをも厭わない、愚かな生命体だということです。」
そのうえでロックマン達をデリートせず見逃した。
「残念でしたね、ゴールを目の前にして。ここはお前などの来るところではない」
「あくまでもデューオの邪魔をするというのなら、許しません」
49話では、Dr.リーガルに13のデューオの紋章を渡されたダークロックマンがデューオの彗星の制御を行おうとした際は、背後から光の剣でコアを貫く形で阻止。
消滅しかけたダークロックマンに羽交い絞めにされてバトルチップの「サラマンダー」で道連れにされそうになるも、その後の様子からも全く効果が無かった事がうかがわれる。
51話では過去の彗星への唯一のアクセスルートであるパストトンネル(過去と未来を繋ぐ廊下のようなもの)でアクセスを阻む為に待機していたが、ウラ電脳世界から這い上がって来たフォルテと交戦する。
Dr.リーガルはダークロックマンのデリートを見て「ならば…」と述べていたが、フォルテの復活にリーガルが関与したのかは不明。
かつての戦いと同様にワイヤーでフォルテを縛るも、裏電脳世界で大量のバグ(フォルテの背後に出たオーラから、恐らく劇場版のネビュラグレイの残骸データ)を取り込んだフォルテに容易く引きちぎられてしまい、その力に驚愕。
初めて焦りの様子を見せる事になり、遂にはパストゲートを巻き込む形で全力でフォルテと激突する。しかし、それでも叶わず疲弊し切っていた所、背後からフォルテに胴体を貫手で貫かれる形で致命傷を負う。
最後はフォルテから以前の対決での意趣返しとばかりに「『このまま裏電脳世界で永遠に彷徨う』か、『このままデリートされる』か、好きな方を選べ…」と言われるも、「黙れ…!地球のネットナビが…!!」と拒絶。デリートされる末路を迎えた。
そしてフォルテは宇宙の電脳空間に旅立っていった。
余談
- 性別?
前述どおり性別不詳か性別なしといわれているが、肌は色白で顔つきも女性らしく、髪(?)も長く女性らしさが目立つ。声は小中学生感はないが、渡辺明乃さんの落ち着いたボイスから大人びた高大生感はあり得る。
ほかには顔を傷つけらたときに激昂したこともある。身体検査できないことにはメディのように胸部が膨らんでいるかわからないし、股間もチェックできない。(もしスラーが現場で諜報活動ポジだった場合は15話や24話ではドレスを着たか?)