概要
ベラルーシのWargaming.net(ウォーゲーミング・ネット)社が開発したオンラインゲーム。
プレイヤーは戦車を操縦し、他のプレイヤーが操る戦車と戦う。
実装されている戦車は戦間期~冷戦初期(1920年代~1960年代)の車両がメインである。
計画案のみの戦車や試作車両も数多く実装されているのが本作の醍醐味の一つであり、馴染みの無い戦車を見かけることもあるだろう。
アメリカ、ドイツ、ソ連、フランス、イギリス、中国、日本、チェコスロヴァキア、スウェーデンの車輌から、約300種類が使用可能となっている。
操作はマウスとキーボードのみというシンプルな仕様だが、「装甲厚によるダメージの変化」「傾斜装甲による弾の“ 滑り ”」「通信範囲と視認範囲」「砲身やエンジンの損傷による性能低下」などの複雑な戦闘メカニズムが実装されており、高度でリアルな戦闘が再現されている。
また物理エンジンにより、地形によって戦車がジャンプしたり、崖から落ちたり、水没して行動不能になったりする。
本作の公式応援WEB番組が『ぶりたん!』であり、そのメインMCはブリドカットセーラ恵美が務める。
サービス
2010年8月12月にロシアでリリースされた。
現在では、ロシア、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジア、中国、韓国にそれぞれサーバーが設置されている。
日本サーバーは存在しないが、アジアサーバーがその中心となっており、ここのサーバー及びここに接続する為のクライアントは日本語に対応している。
サーバーによって異なるが、ゲーム内での公用語は基本的に英語。
日本語でチャットをする事も可能だが、他国の人もいる事を考慮し、時と場を考えて発言しよう。
ゲームモード
30人のプレイヤーがひとつのマッチングに参加し、15人対15人のチームに分かれて試合を行う。
マップやチーム分けはランダムに決定される。
各戦車には「Tier(ティア)」(本ゲームにおける戦車の区分であり、1~10まである)が設けられており、基本的には上下2つのTierまでの戦車がマッチングする仕組み(一部マッチング優遇持ち戦車や偵察枠軽戦車を除く)になっている。
ランダム戦
最も基本的なモード。ランダムに選ばれたプレイヤー同士でチームを組み、相手チームの戦車をすべて破壊すれば勝利、味方の戦車がすべて破壊されれば敗北、タイムオーバーになると引き分けになる。
さらに勝利条件によって3種類の試合に分かれる。
- 通常戦 / 敵の殲滅または敵陣地の占領で勝利。
- 遭遇戦 /1つの陣地をめぐって戦う。敵の殲滅、または中立陣地の占領で勝利。
- 強襲戦 / 攻撃チームと防衛チームに分かれて戦う。攻撃チームは敵の殲滅か敵陣地の占領で勝利。防衛チームは敵の殲滅か時間切れで勝利。
小隊
2~3人で仲間を組み、ランダム戦へ参戦する。
チームトレーニング
プレイヤーが作成した部屋に入り、そこで戦う。
弾薬費は必要だが、撃破されても修理費はかからない練習用のモード。
戦車中隊
人数や参加する戦車の合計Tierに制限のあるルールでチームを組んで戦う。
大会は基本的にこの形式で行われる。
クランウォーズ
大勢のプレイヤーが所属するクラン同士が領地をめぐって攻防を繰り広げるモード。
課金形態
基本プレイは無料。
" Free to Win " の精神に基づいているため、課金要素はゲームの環境を快適にするだけで、試合の勝敗には直接結びつかないようになっている(いわゆる「札束でぶん殴る」ことはできない)。
課金戦車は同格の戦車と比べると独特、あるいは微妙な性能(近年の課金戦車はかなり強力な車両が多くなってきている)をしており、初心者向けでは全くない。
初心者が高Tier課金戦車を購入すると、熟練者ばかりとマッチングする上に操作も覚束ないのでいきなり酷い目に合ってしまう。
環境面での課金はともかく、課金戦車はプレイに慣れてから購入を検討しよう。
戦車
車輌の特性などから、ゲーム内では大きく5種類に分けられている。
軽戦車
高い視認範囲と軽快な足回り、優れた隠蔽性能でチームの目となる車種。
基本的に斥候役として敵を観測する事が重要であり、忍耐強さや判断力が求められる。
他車種と比べて非力ではあるが、時として火力支援をする事も必要。
なお、偵察枠の軽戦車は最大で3つ上のTierの車両ともマッチングする。
中戦車
全体的な性能のバランスの取れた車種。
正面戦闘や側背面への強襲、偵察、狙撃などこなせる仕事は非常に多い。
短所は少ないが、「万能」になるか「器用貧乏」になるかはプレイヤー次第。
車両によっては重戦車寄り、軽戦車寄り、駆逐戦車寄りに性能が偏った車両もいる。
重戦車
チームの盾となり、矛となる車種。
基本的に正面戦闘を担い、敵を突破し、チームを牽引する戦場の主役。
なお、一部車両は装甲が全く頼りにならない事もあり、そういった車両は立ち回りに工夫が必要となってくる。
駆逐戦車
中遠距離からの狙撃を基本とする車種。
他の車種よりも強力な主砲を搭載している事が多いが、それだけに発見されると集中砲火を浴びやすい。
また、無砲塔の車両が多いので接近戦は苦手であり、砲塔のある駆逐戦車でも旋回速度が遅めに設定されているのでやはり接近戦は不得手である。
一部の重駆逐戦車は装甲が厚いものの、大半の車両は装甲に難を抱えている。
自走砲
長距離支援を行う車種であり、厳密に言えば戦車ではない。
他の車種と異なり、シフトキーを押すと上空へ視点が移り(Gキーで前方~斜め上方視点になる)、照準サークルの中心に目がけて長距離砲撃をしていく。
発射された弾は曲射弾道を描き、敵に向かって飛翔し、障害物を飛び越えて命中する事もある。
単発火力が高く、榴弾の爆風によるダメージとスタン効果で前線を支援する。
ただし、HP・装甲・機動性は低く、接近戦には極めて弱い。
自力で敵を発見するのは困難なので、最後方で味方の視界を頼りに砲撃しなければならない。
技術ツリー
各国家ごとにツリーが設けられており、戦闘に参加して経験値を貯めることによって、より強力な戦車の開発を進めることができる。
また、様々なモジュール(戦車のパーツ)を開発することで、既に所有している戦車を強化させることができる。
アメリカ
全体的にバランスのとれた扱いやすい戦車が多く、パーツの互換性も高いので初心者に優しい国家。
地形を活かした戦いが得意だが、高Tier車両は隠蔽が低めの車両が多い。
所属戦車の一例)M103、M4 Sherman、M48A1 Patton、M18 Hellcat、T95 …
ドイツ
一定のテクニックが求められる中級者向けの国家。
射撃精度に優れた車両が多い反面、分かりやすい欠点や弱点がある車両も少なくない。
第二次世界大戦の有名どころが数多く揃っている。
所属戦車の一例)TigerⅠ、Panther、Leopard 1、JagdTiger、Maus …
ソ連
癖の少ない強戦車が多い事から初心者に優しい国家。
他国に比べて射撃の精度に劣るのでインファイトに強い車両が多い。
2つの重戦車ルート(及び自走砲ルートへの中継)の起点となるKV-1は、Tier5の強戦車でありながら様々な戦闘テクニックを学べる良車両でもあり、ゲーム内クレジットも稼ぎやすい事から初心者がまず目指すべき戦車の一つとされる事が多い。
所属戦車の一例)KV-1、IS-3、T-10、T-34、T-54、ISU-152 …
フランス
特化型の癖の強い車両が多く、上級者向けの国家。
弾倉式自動装填装置(拳銃のリボルバーを想像するとわかりやすい)を搭載した車両が多く、瞬間的な猛連射で敵を一気に削る事ができる反面、装填時間が非常に長く隙が大きい。
なお、アヒルやカモのような独創的なデザインの車両もいる。
所属戦車の一例)AMX 50B、BC25t、AMX 30B、AMX 13 90、AMX 50 Foch …
イギリス
長所短所がはっきりした車両の多い、上級者向けの国家。
全体的に一部車両(Tier10駆逐戦車)を除いて単発火力が低く、砲精度に優れた手数型が多い。
TOGⅡのような独特な外観と性能の車両も少なくない。
所属戦車の一例)Conqueror、Cromwell、Centurion Mk.Ⅰ、Tortoise、Charioteer …
中国
輸入車両、鹵獲車両、コピー車両が中心となる中・上級者向けの国家。
ソ連の癖を強くした感じであり、単発火力や砲塔の堅さに特化した車両が多い。
ただし、中国製らしく弾薬庫やエンジンなどの耐久が低く、弾薬庫誘爆や火災といった不慮の事態に見舞われやすい。
所属戦車の一例)WZ-111、IS-2、WZ-120、Type T-34、WZ-131、Type2597 Chi-Ha …
日本
帝国陸軍や陸上自衛隊の車両からなる中・上級者向けの国家。
軽・中戦車ルートは癖の強いアメリカといった味付けであり、紙装甲だが地形を活かした戦いが得意。
重戦車ルートは榴弾砲と分厚い装甲を特徴とした超重戦車群で占められている。
駆逐戦車ルートや自走砲ルートは現在開発中の模様。
所属戦車の一例)O-I、Type 5 Heavy、Type 61、Type97 Chi-Ha、Type5 Ke-Ho …
チェコスロバキア
使い勝手の良い弾倉式自動装填装置(3、4発の高精度リボルバー)を搭載した車両が多い、中級者向けの国家。
自動装填装置を搭載していない車両は無個性で凡庸だが、搭載した車両は極めて強力。
Tier6までは第二次大戦期のドイツ向け車両や計画案、Tier7からは東西冷戦期の計画案で構成される。
所属戦車の一例)Skoda T25、Skoda T50、TVP T50/51 …
スウェーデン
近世から東西冷戦終結まで(西寄りの)武装中立国であり、独自戦車を多く有していた国家。
低耐久だが、砲の俯仰角に優れており、アメリカや日本以上に地形を使った戦いが得意。
油気圧サスペンションと独特なフォルムが特徴の主力戦車Strv103は、本ゲームでは駆逐戦車として実装される。
所属戦車の一例)Kranvagn、Strv m/42、Strv 74、Ikv 103、Strv 103B …
未実装国
以下、海外のフォーラムなどで時々名前の上がる国家。
ドイツに内包されていたチェコスロヴァキアが実装された事から、同じくドイツに吸収されているスイスやハンガリーも名前が挙げられる事に。
ポーランド
搭乗員の顔グラまでは完成している模様。
イタリア
独自の車両や計画案が微妙に足りないのだとか。
ハンガリー
高Tierの候補が明らかに足りず、未実装国の中では一番見込み薄。
スイス
独自の戦車がそこそこあるが……。
ユーゴスラビア
こちらも独自の戦車がそこそこあるが……。
イスラエル
主力戦車Merkavaで有名な国家。
海外の有志によれば、一応ツリーを構築できるだけの車両があるとの事。
Tier10をMerkava Prototypeにした有志が作成したツリー画像がアップされたりと、熱烈なファンも多い。
マップ
スターリングラードやハリコフ、マリノフカといった史実でも有名な戦場もいくつも実装されている。
1000×1000、800×800、600×600の3種類の広さがあり、各ステージのグラフィックは非常に細かい。
ただし、史実のような1000m以遠での撃ち合いはマップの広さ的に不可能。
敵の発見可能距離は445m、車両の描写範囲は500~600mが限界であり、一般的な弾は700m(機関銃はもっと短い)ほどで消失するようになっている。
これは試合の回転効率を上げると共に低スペックのPCでもプレイ可能にする為でもある。
MOD
『World of Tanks』はMOD(Modification=改造データ)にも対応しており、戦車のテクスチャのほかに、各種アイコンやUI(ユーザーインターフェース)の変更、効果音や音声の導入などもできる。
有志が作成したものも多いため、MOD導入の際は動作確認を怠らない事。
禁止となっているMODもあるので注意が必要。
その他
ガールズアンドパンツァーとのコラボ
本作は『ガールズアンドパンツァー(以下GuP)』との関係がとても深い。
『GuP』作中には本ゲームを元にしたと思われる『World of Panzer』と云うゲームが存在しており、大洗女子"アリクイさんチーム"の三人はこのゲームのヘビーユーザーという設定がある。
更には、本ゲーム開発会社のWargamingのCEO以下のスタッフがGuPのファンである事実も明らかになる。その関係もあり、アジアサーバー正式開設以降、二作のコラボが大々的に行われている。
このコラボプロジェクトは、『World of Tanks meets Girls und Panzer』と命名されている。
八九式中戦車の3年越しの実装も、GuPファンからのプッシュが強かった為に、両手を挙げて賞賛された。
本作の元来のチュートリアルは英語版のマスコットキャット(ヘルキャット軍曹)が出演するものの他に、小林源文氏作の簡易チュートリアルのみが日本語対応のチュートリアルだった。が、こちらも詳細は英語版に委ねる形であった。
本作のGuPコラボの一環として、入門漫画『はじめての戦車道』シリーズが葉来緑氏の作画により展開されている。
現在このシリーズは『はじめての戦車道』と『はじめての戦車道BLITZ』の二者があり、本作のルールをGuPの戦車道の形式に準えて判り易く説明している。
本入門漫画の最大の特徴は各れも、英語版のチュートリアルに頼らず、本入門漫画だけで日本語における本作入門が可能となっている点である。尚、この入門漫画は元来が公式サイトアジアサーバーポータルにある【メディア】カテゴリ中の【コミック】カテゴリから無料で読めるので、本来は紙媒体が存在しなかった。但し、現在は紙媒体の書籍がイベント限定で頒布されたり、限られた公式サポートショップ(コラボイベント等を実施するお店)店頭で無料で閲覧可能だったりする。後、『〜BLITZ』の紙媒体書籍の後半分は、『World of Warship』と『蒼き鋼のアルペジオ』のコラボした入門コミックだったりする。
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