登場当初
東急9000系とは、1986年に登場したステンレス車体の東京急行電鉄の車両である。東急初の量産型VVVF制御車両である。
1980年代はチョッパ制御の車両が主流で、当時の東急では8000系や8500系が在籍(8500系は現在も現役)。東急はチョッパ制御よりもさらに省エネなVVVF制御車両を本格的に導入するため、まず6000系(初代)の一部編成をVVVF制御に改造して試験、そのうえで斬新なVVVF制御の量産型車両、9000系を製造した。8両編成14本、5両編成1本を製造し、8両編成は東急東横線に、5両編成(9007編成)は東急大井町線に配属された。
8090系、8590系に引き続き軽量ステンレス車体とし、地下線への乗り入れを考慮して非常扉を前面に装備した。また、車端部には珍しくクロスシート(ボックスシート)を設置した。
大井町線集結
東急東横線では東京メトロ副都心線への乗り入れに際し、9000系を改造対象から外すことになった。このため2009年から2013年にかけて東横線所属だった8両編成14本をすべて5両編成に編成短縮させ、東急大井町線ヘ転属することになった。こうして9000系は15本すべてが大井町線に集結した。
余った中間車は廃車となったが、廃車体を武蔵小杉東急スクエアの展望デッキの壁面に活用したり、台車の一部を伊賀鉄道200系に転用したりしている。