概要
ミジンコは、甲殻類の鰓脚綱に属する節足動物の一群。水中でプランクトンとして生活する微小動物である。
通常、雌しかいない微小動物である。
腕のように張り出した部分は実は触角であり、それを使って遊泳をする。
ダルマのように見えるが、あれは左右2つの甲羅であり、中身はエビのような細短い胴体である。
生態
主に淡水域に生息する、海産のものは僅かしかない。殆どの種類は水中の藻類とバクテリアなどを主食とする。稀にノロミジンコやオオメミジンコのような、他の動物プランクトンを捕食する肉食性の種類もある。
個体数が多く、食物連鎖の底辺に座る重要な一員である。一部の種類は生息域に天敵がいると、角のある個体を産み出して防衛する術を持つ。
繁殖方法は自分のクローンを作って増やす単為生殖を行う。しかし、季節によって又は生息域に増えすぎた場合、雄を生み出して有性生殖を行う。雌の背中に育房という空間があり、卵と赤ちゃんはしばらくそこで過ごす。
人間との関わり
知名度は高く、プランクトンとしての代表格である。研究や魚の餌として利用される。
理科の実験や写真の影響か、Pixivで投稿されるイラストは横を向いている物が多い。
対になる二つ目をもつと思われるが、実際、この目は2つの複眼から融合した1つ目であり、透明の頭に囲まれる。
主な種類
近縁(同じく鰓脚綱の仲間)
「ミジンコ」の名を持つ類縁でない甲殻類
昆虫類との関係性
かつての研究において、ミジンコが属する鰓脚類と昆虫は遺伝子的に近い結果が与えられた。従って、太古の昔(恐らくデボン期中期)の淡水にはミジンコと昆虫の共通祖先がいると思われた。海の甲殻類から淡水に進出して鰓脚類となり、そして昆虫類はそこから進化し、上陸したものだと推測された。
しかし、近年では更なる全面的な遺伝子分析により、むしろムカデエビという洞窟性甲殻類の方が昆虫類に最も近縁で、鰓脚類はそこから少し離れる系統として見なされた。