機体解説
型式番号MS-06FZ。
ジオン公国突撃機動軍のマ・クベ中佐(当時)が提唱した『統合整備計画』に基づいて開発されたザクⅡ。
正式名称は「ザクⅡ最終生産型」。
一年戦争開戦を経て得られた、あらゆる実戦データを元に改修が施されている。特にスラスター出力はF型の70%増しとなり、短時間ではあるが重力下でのホバー走行が可能となった。ただし、搭載する推進剤の量は変わらない為、稼働時間は逆に半分に減少している。また、各部装甲も一新され、胸部はF2型以上に直線的な形状に変化しており、その重厚さは後のザクⅢを彷彿とさせる。
これだけ大規模な改良が施されたにも関わらず、自重はF型と全く変わっていない。これは、装甲材質をチタン・セラミック複合材へ変更した事で重量軽減が果たされた事によるものである。
この改修によって、ビーム兵器こそ使用できないが、本機のカタログスペックはゲルググに迫る程にまでパワーアップ、実戦においてもドムやジム・コマンドに匹敵すると言われた(これは計画の推進によって、ジオン側の工業規格を連邦側に合わせることが可能になったためで、劇中でも本機の修理時にジムタイプのパーツが流用されている)。それでいて、F型譲りの操作性もそのまま受け継いでいる。
計画が提唱された0079年2月時点で設計プランは存在していたようだが、高機動型ザクⅡ開発を推進するエリオット・レム少佐との対立、戦局の膠着と共に立案される新型機の開発、大手兵器メーカーの確執等、ジオン国内の内紛や戦局に振り回された結果、機体の完成はゲルググの量産が開始される戦争末期までずれ込んでしまった。そのため前線に配備された機体は少なく、首都防衛大隊や戦後の残党軍等で少数が確認される程度にしか量産されなかった。
戦局に影響を与えるだけの性能を持ちながら、効果的に運用されなかった機体ではあるが、劇中でバーナード・ワイズマン伍長の運用した機体がガンダムタイプを撃破した事は周知の事実であり、本機もまた遅すぎた名機だったことを証明している。
ガンプラ
1/144スケールでOVA展開時のもの(旧キット)とHGUCが存在。通常版の頭部とフリッツヘルム型の頭部が双方付属。マシンガンが双方に付属するが、ヒートホークはHGUCのみ。旧キットの初期版の説明書にはリアルタイプイラストのザクⅡ改が「お便り待ってま~す」とやっていた。プレミアムバンダイ限定でHGUCのUC版が存在。ザクバズーカ及びザクマシンガンも付属している。