概要
『アカイリンゴ』は、ムラタコウジによる漫画作品。
「コミックDAYS」にて2020年1月14日より不定期連載中で、2022年9月時点で、累計18万部に達している。
2023年1月~3月にドラマが放送。主演は、小宮璃央。
あらすじ
令和XX年、性行為が違法となった日本。『セトリ』こと性行為取締官である父を持つ男子高校生犬田光は、学年1位の秀才で将来は自身もセトリとなる夢を持っており、セックスには一切興味を持たず(というより軽蔑している)、ただひたすら隣の家に住む同級生で同じクラスの水瀬優とともに勉学に励んでいた。
ある日の放課後、光は友人のシバこと志場番太とその彼女鈴本奈々に連れられ、クラブ「G・アンツ」へ出向く。そこで光は、多くの男女が絡み合う異様な光景を目にしただけでなく、憧れの国民的女優であるウチュラこと宇宙美空とも出くわす。全く状況を理解できない光は、はぐれてしまった番太らを探して奥の間に足を踏み入れると、そこは乱交パーティー会場であった。そして、目の前で憧れのウチュラが黒人ボクサーとセックスに及ぼうとする姿を見た光は、ウチュラに「セックスはいけないこと」と行為を止めるよう体を張ったのだが、逆にボクサーから殴られるなど騒ぎとなってしまう。シバの仲介もありその場は収まったものの、思わず学生証をその場に落としてしまったことで、その直後にウチュラが光らのクラスに転校してくる。
ウチュラと二人きりになった美術教室で、ウチュラに下半身を触られた光は、思わず射精してしまう。そして止めに入った優と担任の壇田律にその姿を見られると、今度は律と二人きりになった直後にフェラチオされてしまう。それからというもの、光は異性を目にするだけで勃起してしまうなど自身の身体の変調に戸惑い出す。そして、なぜセックスすることがいけないのか、答えを見い出せず苦しんでいる時にふとウチュラや青原の顔が浮かんだ瞬間、様子を心配して送られてきたシバからのメールを見たことで、光は夜中に自宅を抜け出し、再びクラブを訪れる。それからの光は、『闇』の世界にどっぷりと嵌っていく。
登場人物
- 犬田光(演:小宮璃央)
主人公。令和星仰学園2年B組の男子高校生。『セトリ』である父に憧れ、自身も幼馴染の優とともに勉強に励んでおり、成績は学年トップ。将来は父を追って東大を出てセトリになる夢を持っている。
当初、性には興味はなくセックスは悪いことだと毛嫌いしており、セックスする人間を見下していた。だが、ある日の放課後シバにクラブへと連れられウチュラと出会い、後日学校の美術教室で思わず射精してから、異性が目に入っただけで勃起してしまうなど自身の体の変調に戸惑い出す。そして、なぜ世の中セックスすることが悪いことなのかを自問していくようになる。
- 水瀬優(演:川津明日香)
光の隣の家に住む幼馴染の女子高生で、光とは同じクラス。4歳から空手と柔道をやっているため、自身をレイプしようとした男をフルボッコするほど強い。
成績は光に次ぐ2番目で優秀。光とは週末にスカイプを通して勉強会をしている。実は1番を取れる実力があるのだが、幼い頃に同じテストで1番を取れず玄関の前で母に説教され家に入れてもらえなかった光を見て可哀想に思い、それからはテストはわざと間違えて成績は2番で通している。
光のことは「うんこマン」「犬田」「お前」などと呼び見下しているが、態度には表立って出さないものの実は光に好意を抱いている。シバからのメールを受けて夜中にこっそりクラブに出掛けた光の姿を見て不審に思い、光を追ってクラブまで追いかけ、そしてそのクラブから光を連れて逃げ出したあとはこっそりと自宅に招き入れ、光を前に上半身裸になりながら「セックスしてもいいから離れないで」と涙ながらに光とキスをする。それから光のことは「私のもの」と強く意識するようになり、翌日学校の屋上で自身に興味のないような素振りを見せた光に対しては「私たちセックスしたよね」と嘘をついてまで繋ぎ止めようとした。ウチュラのことは転校早々から怪しいと睨んでおり、光が変わってしまった原因だと決めつけて生理的に毛嫌いしている。
- 宇宙美空(演:新條由芽)
愛称『ウチュラ』。17歳の高校2年生だが、既に月9ドラマ主演にCMにと引っ張りだこの、大人気国民的女優。光も大ファンで、写真集を持っているほか次の主演ドラマを録画予約するほど。
表向きは清純派だが、その裏では青原と繋がっており(青原のことは呼び捨てにする)、青原主催の乱交パーティーにも顔を出すなど謎の多い少女。乱交パーティーで『行為』を行う寸前に光に止められたあと、そのクラブの床に落ちていた光の学生証を拾ったことで、その直後にいきなり光や優らのクラスに転校してくる。なお、宇宙美空の名前で通学しているため、本名である。
犬田の同級生
- 志場番太(演:鈴木康介)
愛称『シバ』。遊んでばかりでチャラチャラしており、学業の成績は下から数えた方が早い。だが、光にとっては「気持ちのいい奴」のため友達付き合いをしている。奈々という同級生の彼女がおり、学内で光の前で堂々とキスをしているだけでなく、青原とも繋がっており、夜は奈々ともども裏で乱交パーティーが行われているクラブにも顔を出しており、セトリから次なるターゲットの一人としてマークされている。
光が『闇の方向』へと足を踏み入れるきっかけを作ってしまった張本人。セックスを毛嫌いする光をからかってクラブに連れ出して面白がってはいたが、そのクラブでトラブルを起こした光を助けるなど友達想いで情に厚い面もある。
- 鈴本奈々(演:織田奈那)
光や優らと同級生の女子生徒。番太の彼女で、元々クラブに興味を持っていたのは奈々の方だった。番太のことは最初は特に好きでもなく、単にクラブに一緒に行ってくれそうな男を探していた時にチャラい見た目の番太を見かけて声を掛けたのがきっかけであった。だが、のちに番太の優しさに気付き、本気で好きになって肉体関係を持つようになった。
余談
- 実写ドラマのキャスティングに関しては、光とウチュラのキャストが『魔進戦隊キラメイジャー』の熱田充瑠/キラメイレッド役の小宮氏と速見瀬奈/キラメイグリーン役の新條氏であったため、「良い子のみんなはNG案件」「『キラメイジャー』ファンのキラメンタルが砕け散る作品」「充瑠と瀬奈様の××とか気まず過ぎるやろ」とネタにされている。
- また、キャストには東映特撮作品の出演者が多く、ヒロイン・優を演じる川津氏は『仮面ライダーセイバー』のメインヒロイン・須藤芽依を演じており、奇しくもニチアサ同期の主人公とメインヒロインが同じ作品で主人公とメインヒロインを演じることとなった。他にも光の父・犬田陽役には『仮面ライダー_令和_ザ・ファースト・ジェネレーション』ウィル/アナザーゼロワン役、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』桃井陣役の和田聰宏氏、陽の部下・牛本カンナ役には『宇宙戦隊キュウレンジャー』ハミィ/カメレオングリーン役の大久保桜子氏、秘密クラブの経営者・青原大地役には『仮面ライダードライブ』仁良光秀役の飯田基祐氏、陽の上司・猿渡エリカ役には『忍風戦隊ハリケンジャー』御前様役、『仮面ライダーカブト』間宮麗奈/ウカワーム役、『ドンブラザーズ』鬼頭ゆり子役の三輪ひとみ氏が起用されている。また、優のバイト仲間・西袋鉄矢役の池田匡志氏は終盤の放送時期が重なる『王様戦隊キングオージャー』で語り部を務めており、後に追加戦士のジェラミー・ブラシエリ/スパイダークモノス役に抜擢された。