「君には4人の仲間がいるが、まずは桃井タロウを探すことだ」(ドン1話)
「決して嘘をつかない者…探せ、タロウを」(同上)
演:和田聰宏
概要
桃井タロウの育ての親。21年前、ジョギング中に偶然タロウが入った桃型のカプセルを見つけ、中に入っていたタロウを拾った。タロウと出会ってから加齢していないらしい。
作品開始時点では何らかの罪を犯した咎により「守護人(しゅごじん)」という役割を背負い、人間と脳人の世界の境界にある牢獄に捕らえられているが、アバターとして外の世界に姿を現すことができる。
不思議なサングラスを配って桃井タロウのお供として4人を集める。
特に鬼頭はるか/オニシスターとは自らの元に招いたり、アバター姿で彼女の前に現れる等、定期的に接触し、戦士となった彼女の指針を教え導いたり、タロウの過去を説明する。
ドン6話では猿原真一/サルブラザーも同時に自らの元に招いているが、その際に「二人一緒に会うのは初めてだな」と言っていたことから、既に真一とも何度か接触していた模様。
残る2人のメンバーの犬塚翼/イヌブラザーや雉野つよし/キジブラザーとは接触しているのかは長らく明らかになっていなかったが、つよしはドン14話にて、タロウ消滅の報告と対処策を相談するためにはるか、真一と共に陣の下を訪れており、翼もドン23話で初めて陣の下を訪れる描写が描かれた際に「久しぶりだな。君がここへ来るのは」という陣の発言から、既に何度か接触していたことがようやく明らかになった。
「タロウの身に万一の事態が起きた場合、身代わりとなる存在が現れる」システムについては把握しているが、その身代わりとしてドンブラザーズの前に現れた桃谷ジロウ/ドンドラゴクウ・ドントラボルトについて、どこまで把握しているかは最新話の時点では不明(一応当人とはドン18話にてはるか達と共に自身の下を訪れた際に接触している、ドン32話でも単独で接触している)。
立場上、脳人やヒトツ鬼についても詳しい様子でドン11話では脳人とも接触を図っており、ソノニとソノザがその存在を知らない一方で、ソノイは彼が罪を犯して「守護人」と呼ばれるようになったことを知っている模様。どこまで世界の事情を知っているかは定かではないが、この回では獣人に関する情報を脳人達に提供している。
人物像
今現在は自身の境遇故か、やや影を含んだ言動や態度となっているが、過去には明らかに不可解な経緯で目の前に現れたタロウを保護し、男手ひとつで育て上げ、定義に杓子定規な幼少期のタロウからは「お父さん」ではなく「陣」と名前(しかも呼び捨て)で呼ばれたり、タロウが正論を吐く完璧人間であるが故に近隣住民の反発を招いて、追放デモまで起こされたり、など、かなり手を焼かされながらも、そんな完璧人間である我が子を異端視したり、理不尽な暴力に及ぶようなこともないばかりか、友達全員から誕生日会をボイコットされたタロウを慰めながら、2人だけでも誕生日を祝おうとする等、タロウを実の息子のように気に掛け、育て上げた。
そんな現時点では訳ありな苦労人ながらも、人間的にとてもよくできた人物であることが窺え、悪人には見えない陣であるが…
- 今現在、亜空間に投獄されるきっかけになった『罪』とは、一体どんな罪を犯したのか?
- 何故、タロウと出会ったのをきっかけに年を取らなくなってしまったのか?
- 決して親子仲も悪くなかったはずのタロウと陣が、どうして離れ離れになったのか?
- ドンブラザーズや脳人、獣人に関する情報はどのようにして入手したのか?
- 何故、タロウのお供として4人の戦士を集めようとしているのか?
と彼に関して明らかになっていない謎は多く、現時点でははるか達ドンブラザーズのメンバーや脳人にも、肝心なことや真意に関わる部分をわざとはぐらかして、話そうとしない節が見受けられ、「面会はここまでだ」と言って話を切り上げてしまう。
また、批評する際には「ダメな物はダメだ」と、白黒はっきりした評価を下し、その理由を尋ねられても「質問は無意味だ」と突っぱねるなど、タロウと似通った一面を見せることもある。
さらに、翼やつよしがそれぞれ窮地に立たされた際に助言や救いを求められても、上述の「面会時間」を理由に突き放すなど、基本的にドンブラザーズのメンバーに対しては少々ドライな態度をみせるばかりか、ドン14話でタロウが消滅したと聞かされた際にも、取り乱したりしないばかりか、冷淡ともいえる対応をしていたことなど、今現在のタロウに対してどれくらいに思い入れがあるのか鮮明でない部分も見受けられ、その真意は果たして『善』か、それとも…?
今後の展開が気になるところである…
少なくとも、ジロウがドン王家の者であると最初から知った上で獣人の守り人として育てた寺崎よりも、最初から何も知らない無償の愛でタロウを育て上げた陣の方がよっぽど人格者であると言える。
尚、彼に関する謎のひとつである、亜空間に投獄されるきっかけになった『罪』の真相は「(脳人の世界では大罪人であるドン家の生き残りである)ドンモモタロウ=タロウを教育した」罪であったことがドン35話にて明らかになった。
獣人問題が解決した後のドン47話で、直接タロウ達の前に現れているがタロウとは互いに再会を喜ぶ様子は見られなかった。一方、黒介人と対面した際に彼を「トゥルーヒーロー」と呼んで腰を抜かしており、彼の正体に心当たりがあるらしい。
最終回では桃井タロウの記憶が無くなりつつある事を告げ、タロウにおにぎりを振舞って去っていった。
結局彼は終始檻の中にいたままだったが、最後までドンブラザーズが元老院と戦い続ける理由を教えてくれなかった。
余談
演じる和田聰宏氏は東映特撮作品には本作以前に仮面ライダーゼロワンと仮面ライダージオウが共演した映画『仮面ライダー_令和_ザ・ファースト・ジェネレーション』にて、ウィル/アナザーゼロワン役で出演していた。そして、ドンブラザーズ放送年である2022年に公開された映画『シン・ウルトラマン』では、加賀美役で出演しており、日本三大特撮への出演を制覇している。
関連タグ
明石暁/ボウケンレッド、高丘映士/ボウケンシルバー:16年前の桃太郎を育てた戦隊ヒーロー。
嘉挧:主人公側と敵側を行き来する存在で、「指揮官的ポジションなのに肝心な情報の開示・説明を怠る」という悪癖まで共通してしまっている。