「知っているか?」
演:小川敦志(現・小川敦史)
概要
普段は「黒岩相談所」を営むインテリな男性だが、実はダークザイドの幹部。
シャンゼリオンに変身する涼村暁にとっては最大のライバルである。
劇中では上記の台詞と共に何かと蘊蓄を語ったりしている。
SAIDOCの南エリに対しては好意を持っているが、思考の違い等で彼女とよく衝突する。
26話『闇の騎士、出馬!』ではなんと東京都知事選に立候補。そこで同じく出馬した暁を破って都知事に就任したが、この後の行いが悲劇を招くことに…。
暗黒騎士ガウザー
黒岩が「ブラックアウト!」の掛け声とともに変身した姿…ではあるが、実際にはガウザーこそが本来の姿で、黒岩省吾はガウザーが変身した姿である。しかもダークザイドとしては珍しく、ガウザーになってもボイスエフェクトが掛けられていない。
武器は日本刀で、正々堂々とした戦いを好む。それ故に卑怯な戦い方をした者や戒律を破った者に対しては、例え同胞だろうが容赦しない。(実際に11話「コンニャク残して」において、戒律を破った闇生物シュランザを粛清している)
劇中では何度もシャンゼリオンと対決しているが、後述の出来事から結局決着をつけることが出来なかった。
驚愕の最期
東京都知事に就任した黒岩は、37話『嵐の前のバケタケ』で東京都だけ消費税ゼロにするなどの政治を行った後に都知事を辞職。そして都知事の職を暁に譲ったが、実は最大の障害である彼を監禁するための策略だった。
そして38話にて東京都を独立させて『東京国』として建国。自らを皇帝と名乗り、人間とダークザイドの遺伝子を結合することで優秀な新生物が生まれるという新たな発見をしたことで『優秀な民だけを選出し、無能な民は容赦なくラームを吸って消す』という、まさに独裁政治を行った。
そして無能とみなされて処分された人々の中に、少年タツヒロの父親もいた。その一部始終をタツヒロは目撃し、ショックを受ける…。
まんまと騙された事に気づいて憤慨してダークザイドの闇生物を退け、怒り心頭でシャンゼリオンに変身した暁に対し、自らも暗黒騎士ガウザーとなって戦っていた黒岩は、エリに咎められたために人間態に戻る。エリはタツヒロを保護しており、彼を哀れむよう説得したが、黒岩はタツヒロの事を「虫ケラ同然」と言い返したことで、とうとうエリと完全に袂を分かつ事になってしまう。そして暁も「黒岩の野郎、お尻ペンペンだな!!」と、自らの手で絶対に引導を渡してやると決意して、戴冠式の会場に殴り込みをかける。
当然その事も予測しており、ダークザイドの闇生物・ハーガンとグロッカーをけしかける形で対処し、そのまま戴冠式を迎える…
…と思ったら、そこであまりにも意外な展開が待っていた。何とタツヒロが同じ境遇を持った子供たちを連れてテロを起こしたのだ。そして黒岩はタツヒロの銃弾を受ける。
護衛に回っていた兵士も子供たちの投げた手榴弾で全滅。そして…
タツヒロ「僕は虫ケラじゃない!!」
黒岩「お前…俺が怖くはないのか!?」
タツヒロ「怖くなんか…怖くなんかあるものか!!」
自分に憎悪を向けるタツヒロに、覚悟を決めてか…
黒岩「撃ってみろ…もう一度、虫けらで無いことを証明してみろ!!」
そして黒岩はタツヒロに銃弾で数発撃たれ、他の子どもたちからも手榴弾を投げられた事でそれが致命傷となった。
死期を悟った黒岩は、以下の台詞と共に、握っていたハンカチを空に向けながら湖の中に沈んでいった…。
黒岩「知って…知っているか…世界で初めての皇帝は…皇帝は…」
このような、黒岩の凄惨すぎる最期が描かれた38話のタイトルは『皇帝の握ったもの』である。
余談
- 演じた小川敦志氏はその後、芸名を『小川敦史』に改名。『平成ライダーシリーズ』にて『仮面ライダーアギト』の沢木哲也や『仮面ライダー555』の南雅彦などを演じた。
- 前者は物語の重要人物として描かれており、黒岩とは正反対に戦いが終わると最終的に命が尽きて安らかな死を遂げる。一方の後者は、オルフェノク殲滅の為なら手段を択ばない冷酷な性格で、その性格が災いして最終的にオルフェノク側の主人公の復讐によって惨殺されている。
- 黒岩が劇中で語る蘊蓄は、後に『仮面ライダーカブト』の天道語録のルーツにもなっている模様。
- 黒岩の最期を描いた38話『皇帝の握ったもの』は、内容全体(特に優生思想やテロを肯定したような内容や、生身の人間(しかも子供)が悪役とはいえ人間キャラを殺害する描写等)を通してあまりにも過激すぎたために一部の地域では放送が見送られてしまった(ただしソフト化の際は通常通り収録されている)。
- メインライターの井上敏樹は彼を『人間を征服する皇帝なんて言いつつ、その実、人間になりたかった奴』としており、『暁では相手にならず、自滅する他なくなった』とも語っている。
関連タグ
帝王トランザ…シャンゼリオンのメイン脚本を務めた井上敏樹氏が5年前に手掛けた脚本において衝撃的な末路を迎えてしまった敵幹部。
佐野満 / 仮面ライダーインペラー - こちらも井上氏が7年後に手掛けた脚本において驚愕の最期を迎えてしまった人物。
ダージリン…格言好きのキャラクターという点で共通し、登場するたびに蘊蓄を垂れるという点でも同じ。