グランディアエクストリームは、2002年にエニックス(現スクウェア・エニックス)からプレイステーション2用ソフトとして発売された。キャロのデザインはにしだあつこ、その他のキャラクターデザインは藤原カムイ。
略称はグランディアX、グラXなど。
魔法やアイテムの固有名詞、基本的なゲームシステムなどはシリーズを踏襲しつつも、前作同様、過去作品で描かれた世界との繋がりは明らかではなく、本作独自の物語が展開される。
本作はストーリーこそ短めではあるが、「戦闘に特化したRPG」であるとも形容され、グランディアシリーズの特徴的な戦闘システムを更に充足させた「戦う楽しさ」を前面に押し出したゲーム内容となっている。
難易度は絶妙なまでに作り込まれているため、好きなパーティで固定して遊ぶもよし、仲間を入れ替えながら全員をまんべんなく使ってもよしと、自由なプレイスタイルで楽しめる。
本作ではキャラクターの成長システムが一新され、合体技などの新要素も導入されている。物語自体はダンジョンの探索が主題となっており、ストーリー性よりもゲーム性に重きを置いた内容となっている。また本作ではシリーズ初の試みとして、入るたびに構造が変化するダンジョンが用意されており、本編のクリア後もゲームを継続できるやり込み要素が提供されている。
あらすじ
精霊暴走と呼ばれる災害に苦しめられている世界。地導師の見習いであるエヴァンは、亡き父の後を継ぎ地導師の修行に明け暮れていた。そんなエヴァンにノーチス軍から出頭要請が送られる。精霊暴走の発生源が古代の遺跡にあることが判明し、既に大きな被害を出している軍隊に代わって、遺跡を探索し精霊暴走を止める適任者としてエヴァンらに白羽の矢が立ったのである。エヴァンはそれを拒否しようとするが、軍に強制的に拉致され、ノーチス軍が始めた精霊暴走停止作戦に参加することになる。
エヴァンらの任務は災害の中心にある地水火風の4つの遺跡に赴き、暴走の原因となっている装置を止めてくること。エヴァンは民族的対立から反目し合うチームメンバー同士を束ねつつ、「ロッカの村」を拠点として、迷路のように複雑になっている各遺跡の深部を目指し、その奥に陣取る怪物を倒して、遺跡の装置を止めていく。ところがエヴァンは、作戦を指揮しているのが幼馴染のクロイツだと知り、軍の目的に違和感を抱くようになる。クロイツが不実な人間であることを知るエヴァンは、この作戦には表向きの大儀とは別に、何か裏があるのではないかと疑うようになる。
軍から与えられた任務をこなしつつ、エヴァンは周囲を欺き己の野心を叶えようとするクロイツの目的に迫っていく。そして同時に遺跡の中で「エボル」を中心とした古代人たちが創造しようとしていた「クァン・リー」と呼ばれる謎の存在に立ち向かっていくことになる。
登場人物
パーティキャラクター
エヴァン
CV:三木眞一郎
18歳。本作の主人公。地導士と呼ばれる特殊な職業。
地脈(魔法陣)を操作して一瞬で他の町やダンジョンに転移できる能力を持つ。
ぶっきらぼうな不良少年だが、成り行きで多様な種族で構成されたチームのリーダーを引き受けることになり、なんだかんだ言いつつも頼れる中間管理職な兄貴分へと成長していく。
ブランドル
CV:江川央生
ノーチス軍の軍曹。24歳。
荒っぽい性格の力自慢で、物理的な攻撃を得意とする。当初はエヴァンやジェイドらと反りが合わず、事あるごとに反目していたが、いつしか仲間意識に目覚めていく。
カーマイン
CV:水谷優子
20歳でノーチス軍の曹長。享楽的な性格。
年下のディーネ少尉より階級が下で、乱暴なブランドル軍曹より階級が上というなかなか悩ましい立場だが、階級など気にしないタチなのかどちらにも友達のように接する。
ファッションや美形の男性に目がなく。あのクロイツでさえ異性として好ましく思っていると発言する。けだるい感じだが面倒見のいい姉御肌。
ジェイド
CV:稲田徹
22歳。ノーチスの敵対国だったアルカダ騎士の青年。騎士道を重んじるあまりプライドが高い。
かつて誓いを立てた女性を精霊暴走によって亡くしており、その原因となった波頭の源の精霊暴走を止めるために作戦に参加する。味方であるノーチスの軍人に対して強い不信感を持っており、作戦の手段を巡ってなにかと衝突することが多い。
ティト
CV:保志総一朗
ジェイドと同じアルカダ人の少年。パーティの中では最も小柄で最年少で16歳。無口で人見知りな性格。内気で臆病な自分を変えるために作戦に志願する。
ウルク
CV:石塚運昇
自然の中で生きる亜人であるハズマの民の一人。白髭を生やした大柄の物静かな壮年。獣の毛皮をマントのように羽織っている。パーティの最年長。老けて見えるがまだまだ30歳。釣りが趣味。
ミャム
CV:田村ゆかり
ハズマの民の16歳の少女で、このメンバーのムードメーカー。人懐っこく気紛れな性格で、いつも元気いっぱいだが、故郷の料理を食べられなくなると元気がなくなる。1年前に亡くなった祖母が愛していた故郷を破壊した、逆風の頂の精霊暴走を止める為に作戦に参加する。
ルティナ
CV:川上とも子
18歳。アルカダの特殊部隊隊長の女戦士。幼いころから暗殺者として育てられてきた過去を持つ少女。感情を表に出すのが極度の苦手。クロイツ率いる精霊暴走停止作戦の裏に隠された恐ろしい秘密を知っており、アルカダ兵数名と共に作戦の妨害を図る。任務の最前線にいるエヴァン達と対立することになる。
その他のキャラクター
クロイツ
CV:子安武人
精霊暴走停止作戦の最高指揮官。23歳という若さでノーチス軍の中佐に上り詰めたヤリ手の男。
高いカリスマ性を持ち、ディーネ少尉をはじめとした部下からの信頼は厚いが、極度の野心家でもあり、彼の少年時代を知るエヴァンからは口先ばかりの信用できない人物と見られている。
ディーネ
CV:矢島晶子
ノーチス軍の少尉。精霊暴走停止作戦の指揮官としてエヴァンらに直接指示を出す担当。
作戦を指揮するクロイツを心酔しており、彼の助けとなるべく、エヴァンを拉致した上で担当地導士に無理矢理抜擢したり、無理のある計画でも実行に移したりと、強引に事を運ぶ節がある。
精霊暴走停止作戦の理念に、「かつて対立していた多数の民族が協力して平和を実現する」という自分の夢を重ねており、精霊暴走さえ止めてしまえば、世界中の争いは無くなると信じている。
しっかりしているが実はまだ19歳。部下であるカーマイン曹長やブランドル軍曹よりも若いため、周囲になかなか敬語で話しかけて貰えないのが悩み。
スペクト
CV:立木文彦
40歳、最近になって頭角を現したノーチス軍の科学官。
遺跡の最深部に到達するという目的に魅了されており、それ以外の事に全く興味を示さない。
クロイツに精霊暴走停止作戦を吹き込んだ張本人と思われ、各地の精霊暴走を止めることによって手に入る古代兵器の存在を知りながら、人畜無害の科学者を装いつつ軍に協力している。
マスコットキャラクター
キャロ
グランディアⅡから引き続き登場したマスコットキャラクター。
各遺跡に生息しており、遺跡に合わせて少しづつ外見が異なる。
捕まえて村に持ち帰ると、とあるミニゲームに活用できるようになる。
別名・表記ゆれ
グランディアX :グランディアエクストリームの略称
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