ガンダムスローネ
がんだむすろーね
概要
ソレスタルビーイングの監視者であるアレハンドロ・コーナーが、イオリア・シュヘンベルグの計画を改変するためヴェーダから引き出したデータを基に独自に開発した機体である。
3兄妹のガンダムマイスター・チームトリニティによって運用され、プトレマイオスチームのガンダムよりも苛烈で徹底的な武力介入を行い、ガンダムに対する世界の敵意を増幅させた。
基本的に3機が一つのチームとなって作戦を行う。機体デザインは鷲尾直広。
機体の特徴
第3世代までのガンダムとは違って量産を前提として設計されており、装備に応じて塗装や頭部の仕様などが変更されている以外は全く同じ機体である。
最大の特徴は「GNドライヴ[Τ](タウ)」と呼ばれる、太陽炉のデッドコピー「擬似太陽炉(ぎじたいようろ)」を搭載している点である。
オリジナルの太陽炉とは違う真紅のGN粒子を発生させ、そのGN粒子には細胞異常を引き起こす強い毒性がある。
またGN粒子の生産には外部からのエネルギー供給を必要とする点もオリジナルとの大きな違いで、そのためスローネ各機には擬似太陽炉の始動機(スターター)が装備されているほか、太陽炉そのものの駆動時間もオリジナルとは異なり、無限ではない。
スローネシリーズ
本稿では、ガンダムスローネシリーズ3機とその派生機(アルケーガンダムを除く)を紹介する。
ガンダムスローネアイン
機体番号 | GNW-001 |
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頭高長 | 18.6m |
本体重量 | 67.1t |
所属 | ソレスタルビーイング |
パイロット | ヨハン・トリニティ |
長男ヨハン・トリニティが搭乗するスローネ1号機。アインはドイツ語で「1」の意味。
ガンダムデュナメスの精密狙撃能力とガンダムヴァーチェの大火力を融合させた重砲撃型MSである。他のスローネからの粒子供給を受けることによって大威力かつ長時間の砲撃を行うことが可能で、背部には粒子供給用のアタッチメントがある。
強力なビーム攻撃によって各地の軍事関連施設を蹂躙し、GNドライヴの秘密に近づいたレイフ・エイフマン教授の暗殺も行った。
その後、三大国家群による国連軍が成立したことでトリニティは用済みとされ、刺客として差し向けられたサーシェスによって奪取されたスローネツヴァイと交戦し、撃墜された。
ガンダムスローネアイン トゥルブレンツ
機体番号 | GNW-001/hs-T01 |
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頭高長 | 27.9m |
全備重量 | 139.2t |
全長(飛行形態) | 38.5m |
全幅(飛行形態) | 37m |
所属 | ソレスタルビーイング |
パイロット | ヨハン・トリニティ |
外伝機動戦士ガンダム00Vに登場。スローネアインに追加武装ユニット「トゥルブレンツ(ドイツ語で乱気流の意)」を装着した形態。
当初から大規模な武力介入を行っていたトリニティだが、その規模をさらに拡大するために開発された。
スローネ本体の擬似太陽炉に加え、トゥルブレンツ側にも擬似太陽炉が搭載されているため、活動時間の大幅な延長が可能となっている。ユニットは戦闘機形態への変形機構も備え、独立した支援機として運用することもできる。
他のスローネ用のユニットも開発されていたが、アレハンドロの計画が予想以上に早く進行したため制作されたのはアイン用のみとなった。
ガンダムスローネツヴァイ
機体番号 | GNW-002 |
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頭高長 | 18.6m |
本体重量 | 67.1t |
所属 | ソレスタルビーイング→国連軍 |
パイロット | ミハエル・トリニティ→アリー・アル・サーシェス |
次男ミハエル・トリニティが搭乗するスローネ2号機。ツヴァイはドイツ語で「2」の意味。
「GNビームサーベル」や「GNバスターソード」などの強力な近接格闘用の武器を装備し、チームでは前衛を担う。大きな特徴は「GNファング」と呼ばれる特殊な遠隔誘導兵器を搭載していることである。
機動力とGNファングを生かした高機動格闘戦でハワード・メイスンのオーバーフラッグをはじめとした多数の機体を撃墜するが、トリニティ抹殺の指令を受けたサーシェスによってミハエルは射殺され機体も奪取された。
国連軍所属の機体としてCBとの決戦にも参加し、ガンダムヴァーチェを小破させ、ロックオン(ニール)が搭乗するGNアームズTYPE-Dを奇襲によって撃破、デュナメス本体も交戦によって大破させた。しかし残骸として漂っていたGNアームズの主砲をニールが直接操作して射撃を行い、その攻撃を受け機体は大破した。
後にこの機体をベースに、サーシェスの専用機である発展型が開発される事となる。
ガンダムスローネドライ
機体番号 | GNW-003 |
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頭高長 | 19.4m |
本体重量 | 67.7t |
所属 | ソレスタルビーイング |
パイロット | ネーナ・トリニティ |
妹ネーナ・トリニティが搭乗する3号機。ドライはドイツ語で「3」の意味。
機体各部に大容量のGNコンデンサーを搭載しており、スローネアインへの粒子供給や、GNステルスフィールドによるジャミングなど、戦闘支援能力に優れている。その反面、武装はGNビームサーベル、GNハンドガン、小型ミサイルランチャーと必要最低限のものしか持たず、本格的な交戦はあまり想定されていない。
コクピット内部には、AIロボット「HARO」を設置するための台座が用意されており、操縦支援等を行っている。
苛烈だが目的のある武力介入を行っていたトリニティにおいて唯一、無関係の民間人に対する虐殺(ルイス・ハレヴィの家族と親族を殺害した。)を行った機体であり、その事がガンダムに対する否定的な世論を決定づけることとなった。
2nd Seasonではネーナが操縦する武装コンテナユニット「リィアン」の内部に格納されており、劇中後半にて1度のみ登場。王留美の乗る小型艇を撃墜し殺害したあと、直後に現れたルイスの搭乗するレグナントとも交戦するが、圧倒的な性能差の前になす術もなく撃墜された。
リィアン
機体番号 | GNW-003/SH |
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所属 | 王商会 |
パイロット | ネーナ・トリニティ |
Second Seasonに登場した武装コンテナユニット。擬似太陽炉を搭載しており、宇宙・重力下での運用が可能。スローネドライが王商会によって輸送機に偽装された姿である。
ステルス性の高さから主に偵察等に用いられるが、装備されたGNロングライフルによってある程度の戦闘もこなせる。このGNロングライフルは、砲塔を取り外してスローネドライのGNハンドガンに合体させる事が可能。
劇中ではアロウズの襲撃を受けたカタロンの救援・物資運び出しのほか、イノベイターと交戦するダブルオーライザーの援護も行った。
余談だが、実はこの「リィアン」という名称は劇中では用いられずデザイナーも知らなかったらしい(単に「偵察機」と呼ばれていた)。
スローネヴァラヌス
機体番号 | GNX-509T |
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頭高長 | 18.8m |
本体重量 | 69.1t |
所属 | 国連軍 |
パイロット | デボラ・ガリエナ |
外伝機動戦士ガンダム00Vに登場。
アレハンドロ・コーナーによって独自に開発され、後に国連軍に提供されたジンクスの試作機にあたる機体。試作段階であるため、機体各部には基となったガンダムスローネの名残が見られる。
ジンクスの大きな特徴でもある胸部と腰のGN粒子発生装置(大型のクラビカルアンテナ)は既に実装されており、粒子制御能力の向上によって、操縦性が高められている。専用施設を備えた基地や母艦からの出撃を前提としているため、スローネのような太陽炉の始動機は装備されていない。
アルケーガンダム
機体番号 | GNW-20000 |
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所属 | イノベイター(リボンズ・アルマーク)の私兵 |
パイロット | アリー・アル・サーシェス |
第2期に登場したスローネ・シリーズの最終発展型。
劇中に登場したサーシェス機はツヴァイの装備をベースにしているが、MSVとしてアイン・ツヴァイ・ドライの装備を統合した「ヤークト」や、ドライの装備をベースにしたものが存在している。
詳細は当該記事にて。