概要
マッドサンダーとは、ゼネバス帝国軍の誇る最強ゾイドデスザウラーを撃破するためにヘリック共和国軍が開発したトリケラトプス型超大型ゾイドである。
頭部には反荷電粒子シールドを装備し、特殊セラミックス振動体を内蔵する事でデスザウラーの最強兵器である荷電粒子砲を無効化・吸収する事ができ、主兵装である2本の巨大ドリルの角、マグネーザーはデスザウラーの重装甲を貫くに十分な威力を持たせる事に成功している。
機体背部にある大型機関ハイパーローリングチャージャーによって長時間の戦闘を行う事も可能となっており、攻防一体の優れた性能を実現。
また強固かつ重厚な装甲を装備し、初陣においてはゴジュラスと同等以上の性能を持ち、多数の共和国軍ゾイドを撃破してきたアイアンコングのミサイル攻撃すら物ともせず、基地ごとアイアンコングを撃破している。
アニメ版には登場していないが、デスザウラーがアニメ版で超巨大な姿で登場した事を反映してか、『ゾイドVS』シリーズなどのゲーム作品ではマッドサンダーも超巨大機として登場している。
来歴
中央大陸戦争末期のZAC2039年、ヘリック共和国はゼネバス帝国を圧倒し帝国首都を占領。
帝国は追い詰められ暗黒大陸へと落ち延び、ガイロス帝国の支援を受けて二年後のZAC1041年に反撃を開始。緒戦を制し、翌年には帝国領を奪還。
共和国軍は思わぬ苦戦を強いられるも、シールドライガーを実戦配備し戦況を支える事に成功する。
しかし、二年後のZAC2044年には帝国の恐竜型ゾイド・デスザウラーがロールアウトされ、ゴジュラス数十機を基地ごと破壊する破壊力の前に切り札のウルトラザウルスをも撃破され、共和国首都は陥落。
その後も共和国軍は執拗なゲリラ戦を展開して帝国軍を迎撃、戦況は2年間の膠着状態が続いた。
その後共和国軍は、ZAC2046年に新型ゾイドディバイソンを中心とした占領地全域への反撃作戦を開始する。
翌年のZAC2047年、帝国に囚われていたゾイド設計・開発の権威であるチェスター教授が救出され、彼を中心として対デスザウラー用ゾイドの設計・開発が行われる。
開発開始から1年後のZAC2048年、遂に対デスザウラー用決戦ゾイド・マッドサンダーがロールアウトされ、首都奪還作戦が発動される。
共和国首都において、改造デスザウラー「デスファイター」を撃破し首都の奪回に成功。
首都奪回から2年後のZAC2050年末、共和国軍マッドサンダー師団は帝国首都を包囲、改造デスザウラー「デスクロス」を撃破し帝国首都の占領に成功する。
翌ZAC2051年、ニカイドス島決戦にてゼネバス皇帝が行方不明となりゼネバス帝国は滅亡、終戦となる。
以上が中央大陸戦争におけるマッドサンダーの経緯と戦跡である。
実質的に帝国を滅亡に追いやった機体であり、その後も長きに渡って共和国軍主力として配備されていく事となる。
しかし、対デスザウラー用であった故か対空能力が欠けており、その後のガイロス帝国との大陸間戦争時にはギル・ベイダーやガン・ギャラドといった強力な飛行ゾイド相手は分が悪く、ほぼ一方的にやられている。
中央大陸戦争終結から5年後のZAC2056年に発生した惑星Zi大異変(グランド・カタストロフ)にて生態系は壊滅し、マッドサンダーも絶滅したかに思われたが、奇跡的に幼体のコアが発見され、再び量産が再開された。
半世紀後のZAC2101年の第二次中央大陸戦争では若干弱体化したものの再び戦場へと復帰し、同じく絶滅から蘇ったデスザウラーと半世紀の時を越えて再び激突する。
玩具について
旧トミーからポップアップキットが1988年に発売されている。
モーターによって駆動し、頭部のマグネーザーと背部のハイパーローリングチャージャーを回転させながら目を点滅させつつ歩行する。
マグネーザーは背部のスイッチを切り替える事で回転速度を変更する事が可能。
それから十数年後にタカラトミーから新ゾイドシリーズの一環として復刻されたキットは、目の発光ギミックが点灯のみに変更された点以外は旧版とほぼ同等の仕様である。
余談
公式ファンブック4の戦力分析では装甲S+、Eシールド(反荷電粒子シールドの事か?)Sで全ゾイド中最高。
直接対決の描写は無かったが、セイスモサウルスのゼネバス砲にもある程度耐えられたかも知れない。