概要
1978年に仙台地区の近郊輸送改善を主目的に3両固定編成5本が製造された。主に東北本線の普通・快速列車用として使われ、引退まで直流区間へは乗り入れなかった。
設計上は直流及び交流(50・60Hz共)に対応しており、落成後の試運転は直流区間及び九州地区の60Hz区間でなされている。
車内は座席は固定式クロスシートとロングシートの組合せで、車体はキハ40系のキハ47形に類似する2ドア車となった。
ただし、国鉄末期の製造であることから、クハにすら雪切室をつけてしまうなどデッドスペースが非常に多く、室内自体もいささか雑然としていて居住性は同時期の車両の中でいまいちすぐれない。
交直流電車であるので、主回路構造は直流電車のそれが近く、主制御器が同じ117系相当の能力を持つが、寒冷地を走行することから耐寒性能に重きが置かれ、主電動機は711系・781系同様の強制通風式とされた。
そのため主電動機には冷却ファンがなく、走行音は非常に静かなものとなっている。
E721系の投入に伴い、2007年7月に運用離脱し、第2編成~第5編成の4本は翌年に廃車となった。
廃車後鹿島臨海鉄道神栖駅に回送されて解体されたが、第4編成だけは解体を免れ、東北本線岩切駅に隣接する仙台レールセンターで車籍のない訓練用機械として使用されている。
残った第1編成は阿武隈急行に移籍し「A417系」を名乗って2008年10月から2016年5月まで運行した(定期終了は同年3月)。イラストはA417系。