意味は『三本の歯【Trident】』。
概要
矛(矛槍)類に属する長柄武器の一種。
銛のような三つ又に分かれた穂先を持つ武器で、牧草をかき集めるための農具である『フォーク』から発達したとも、そのまま銛から発展したともいわれる。
神話の神々の武器として有名で、特にギリシャ神話の海神ポセイドンの武器として知られる(ギリシャ語でトリアイナ〔τρίαινα (tríaina)〕という)。このトライデントには、嵐や津波、洪水や風という海の力を操る力が秘められており、また人間の精神に勇気を与える力もあるという。
インド神話の三大神の一柱であるシヴァも、トリシューラ〔त्रिशूल (triśūla)〕と呼ばれる三叉槍を武器とする。
また、ケルト民話の光の神ルーの武器の一つに『ブリューナク』と呼ばれる五叉槍があり、魔力を込めることで穂先が五本のビームと化して五人の敵を討つ力を持つ。
兵器としての「トライデント」
ロッキード(現ロッキード・マーチン)製の潜水艦発射弾道ミサイルのこと。
導入国はアメリカとイギリス。
アメリカはオハイオ級原子力潜水艦にアメリカ製の核弾頭を装備して、イギリスはヴァンガード級原子力潜水艦にイギリス製の核弾頭を装備して搭載している。
旅客機の「トライデント」
元々デ・ハビランドがBEA(現ブリティッシュ・エアウェイズ」)の「ヨーロッパ内路線向けの中距離旅客機」の要求に向けて開発していた機体である。
エンジンは機体後部に3発搭載。
はい、そうです。
ぶっちゃけB727やTu-154の元ネタです。
(一応(少なくともボーイングに対しての)フォローするとすれば、トライデントを「お手頃サイズのジェット機」として目をつけた……けど「でもこれじゃ航続距離とか輸送力があと一歩だなあ」と難色を示したため、「じゃあトライデントのでかい版作りますよ」とボーイングが作ったのがB727である)
自動操縦装置の搭載を筆頭とした高度な先進性を備えた機体だったが航続距離や輸送力の問題などで販売は伸びなかった。
日本ではANAが本機の導入を検討していたことがある。
創作において
ファンタジー系の作品において、水棲精霊の武器や主人公たちの水属性武器の一種として登場することが多い。
時々悪魔が三又槍を装備しているイラストに、『トライデント』名義でタグ登録をしている状況が散見されるが、どちらかと言えばフォーク(農具)である。
あまりこだわって分化する必要性はないが、豆知識として知っておいて損はないだろう。