ダイアトラス
だいあとらす
概要
Z(ゾーン)
スターセイバーから指名された、本作品の司令官。パワードマスターで大地の英雄である。
性格はやさしく真面目であるが、デストロンには容赦がない。その活躍っぷりと某皇帝を思わせる風貌から「サイバトロン破壊大帝」、「星戦士(ユニクロンズ・スポーン)」、「非ー道」とも呼ばれている。
デストロンに対する仕打ちを例に挙げてみると…
…など、血の気の多いG1サイバトロンの血は引いているようである。もっとも、この時相手にしていた九大魔将軍は惑星一つを簡単に破壊するばかりか本来のパワードマスターの力では太刀打ち出来ず(デバスターを溶岩を利用して倒したくらい)、のちに「宇宙創造の力『ゾディアック』によるパワーアップが無ければダイアトラス達は負けていた」と評されるくらい、歴代デストロンの中でも群を抜いて凶悪な軍団である事は付け加えておかなければなるまいが。
なぜこのようにデストロンに対して情け容赦が一切ないのかについては当時は全く説明がなかったが、初登場から20年以上たった2019年の「トランスフォーマーレジェンズ」にて彼の出自と共にようやく語られている。
ロードファイヤーとソニックボンバーを含めた彼ら3人のパワードマスターは実はデストロン出身者であり、元々は四百万年前(つまりTFたちが地球にやってくる直前)に誕生したデストロンの新戦士「パワードロン」であった。この時点ですでに彼らには「パワードエンジン」と呼ばれる特殊なエンジンが搭載されており、これを用いて全宇宙を駆け巡りエネルギーを集め、メガトロンの元へと運んでいた。
しかしこれらのエネルギーがメガトロンの破壊行為のために、そしてそのエネルギーを得るために開拓した星がデストロンの植民惑星として使われていたことを知って憤慨し、デストロンを離反。
サイバトロンに加入した後自身の経験を活かして「外宇宙へのエネルギー探索」を当時のサイバトロン総司令官コンボイに助言。こうしてサイバトロン戦士たちは地球へと旅立ったのである。
このような経緯から彼は「デストロンの侵略行為を助長してしまった」、もしくは「自分のせいで多くの命が犠牲となった」という強い罪の意識にさいなまれると同時にメガトロン、ひいては全てのデストロンを激しく憎悪している。
この罪悪感と怒り、憎しみはG2時代に入り、メガトロンが悪の心を失った後も消えることはなかった。
なお上記の設定はあくまでもレジェンズの独自設定でありZ本編ではそのような設定ではないので注意
ちなみに初の子持ち司令官である。
歴代のTF司令官では珍しいコンボイ顔じゃない司令官。ボディのカラーリングは青と黒を基調としている。
また、顔のデザインからユニクロン関係者じゃないかと言われてるとか言われてないとか。
玩具
当時品
スターセイバーに続く国内オリジナルのサイバトロン総司令官として玩具化。ナンバーは「C-348」。
電動(もしくはゼンマイ駆動)が売りの「パワードマスターシリーズ」のうち一体として発売されており、脹脛のキャタピラが電気で駆動する。バトルタンク 、スペースシャトル、基地、そしてロボットモードの四形態に変形可能で、そのすべてにおいて電動クローラーが活用される。
またパワードマスターはマイクロトランスフォーマーとの連動させて遊ぶことが可能であり、ダイアトラスにもマイクロTF「スピーダー」が付属する。
同じパワードマスターのロードファイヤーとソニックボンバーと合体することで巨大ジェット機「三機合体ビッグパワード」に変形することも可能。
このようにギミック盛りだくさんの良品ではあるが、その反動で変形には一部差し替えパーツを使用しているほか、電動ギミックの影響でロボットモード時はほぼ棒立ちである。
また国産TFにありがちなリメイクの少なさという欠点も持っており、フルアクションであり尚且つ変形もこなすダイアトラスの発売は期待薄だったが……?
レジェンズ版
『トランスフォーマーレジェンズ』シリーズにて2019年3月に「LG-EX ビッグパワード」のうちの一体として発売。
タイタンズリターン版オーバーロードを流用したスカイシャドウをさらに流用して作られる。
リデコとはいえ待ちに待った変形と可動を両立させたダイアトラスのリメイクである。
(変形の都合上仕方ないとはいえ)脹脛がスカスカを通り越して何もないことや腰の固定が若干安定しないことに目をつむれば中々に再現度の高いよくできた玩具となっており、もとからあった四段変形に加えて電動ギミックに代わって追加されたヘッドマスターギミックも持っているためプレイバリューはピカイチ。
更にオーバーロードにはもとから基地モードがあったためか「Zモード」も他の二体とは違って自然に決まる。
原典通りソニックボンバーとロードファイヤーと共にビッグパワードに合体も可能な他、トップスピンとツインツイストもここに加えることで漫画の星の巨人戦で見せた「五体合体ウルトラパワード」も再現可能。
その後の再登場
IDW(AHM)
伝説の存在Knights of Cybertron(ナイツオブセイバートロン)を信奉する集団Circle of Light(サークルオブライト)のリーダー。
戦後のサイバトロン星にてプライマスを探索中、仲間であったはずのジアクサスとノヴァプライムの暴走をきっかけにサイバトロン星から離脱。度重なる戦争に嫌気がさし別の惑星でクリスタルシティを建設してメンバーと共に隠棲していたが、ドリフト(デッドロック)の来訪後の騒動を通し、考えを改めた。
戦前はサイバトロン議会の議員であり、オライオンパックスとも親しい某議員とも親しい間柄だった。
のちに『More Than Meets The Eye』で、プライマス狂信者スターセイバーに不信心者として殺害されている。国内設定から見ればかなり皮肉。
レジェンズ
サウンドウェーブを経由して「レジェンズ世界の復活には偉大なるパワードマスターことダイアトラスおよびゾディアックの力が必要」という事実を知らされたコンボイ。
しかしそこに現れたのはダイアトラスではなく、彼を殺してそのボディを乗っ取ったバイオレンジャイガーであり、サイバトロンは絶対絶命の危機に陥る。
幸い、ホイルジャックの研究データを用いてパーセプターが復活させた本物のダイアトラスが間一髪のところで介入し、激闘の末バイオレンジャガーの撃退には成功。
しかし、肝心のゾディアックはバイオレンジャガーの手に落ちてしまい、コンボイとダイアトラス以下サイバトロン戦士達はゾディアック奪還のため、Z惑星へと旅立つのであった。
しかし彼自身は先述の通りメガトロンを憎悪しており、彼が悪の心を失ったことを知っていてなおその存在を許していなかった。
故にレジェンズ世界復活のキーマンでありながら「メガトロンが統治していた世界だから」という理由でレジェンズ世界の復活には断固反対の姿勢を見せていた。
そのためメガトロンがダークノヴァに取り込まれて「星の巨人」と化してしまった際にもツインツイストらの静止も聞かず、彼らのトランステクターを奪ってまで戦いを続け、彼を止めるべく立ちふさがったサウンドウェーブらにも容赦ない攻撃を加えた。
しかしレジェンズ世界の復活を望むメガトロンは星の巨人の制御を一時的に乗っ取って攻撃をやめさせ、ダイアトラスに自分を討つよう懇願する。
その言葉に困惑したダイアトラスだったが、彼の「平和な世界」への願いを聞き承諾。
彼もまた平和のために戦うサイバトロン総司令官の一人であり、メガトロンの理想にも思うところがあったのか涙を流しながらもゾーンパワードカッターで星の巨人を撃破。
焼け跡から立ち上がった彼は静かに、レジェンズ世界の復活を誓うのだった。