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ボラー連邦の編集履歴

2020-05-10 14:35:51 バージョン

ボラー連邦

ぼらーれんぽう

『宇宙戦艦ヤマトⅢ』に登場する軍事国家で、ガルマン・ガミラス帝国と銀河を二分する大勢力。

概要

 『宇宙戦艦ヤマトⅢ』において登場する軍事国家で、ガルマン・ガミラス帝国が登場するまでは銀河系の半分以上を手中に収めていた大国である。指導者はベムラーゼ首相(後に戦死してしまうが)だが、首相とは言うものの事実上は独裁者とあまり変わらない。ボラー人は、白い肌をした民族であり、赤い瞳を持つものが多い。なお、保護国として登場したバース星系の人間は黄緑の肌をしている。

 ボラー連邦は勢力の拡大を図る為に、周辺の星々に対して『主権の保護』や『独立の保護』を名目として傘下に加えていった模様だが、その実態は属国として制圧・支配していったと言うのが正しい。実際、バース星総督府での歓迎会の折に、その事について佐渡酒造は、「要するに侵略しただけじゃないのか?」と辛辣に指摘している。

 さらに反抗的な人間を極寒の惑星(収容所惑星)へ強制収容し、そこで重労働を強いている。これはガルマン星にも同様で、ガルマン人に対して過酷な重労働を強いていたのである。

 またボラー連邦という国家は、米ソ冷戦時代におけるソヴィエト連邦をモデルした国家であり、極寒の地をイメージした惑星が多々描写されていたり、作曲されたBGMもソヴィエト連邦の民俗音楽をモデルとしたものが多いのが特徴の一つである。

  銀河系を二分する勢力だけあって、その軍事力は強大なものであると推察できる。特に物量戦によるゴリ押しは常套的戦法と言えるだろう。ただし属国に配置されている兵力はそれほど強大でもないようで、バース星の艦隊は脆くもダゴン将軍の第18機甲師団に敗れ去っている。

 太陽系における決戦でベムラーゼ首相が戦死したあと、ボラー連邦の内部事情はまったく描かれていなかったが、銀河交差現象時に存続していたことは確認できる。ただし、銀河交差現象に巻き込まれた後の様子は不明である。…が、2019年にヤマトクルーのファンクラブ会報誌で連載が始まった『復活篇』第0部で存続していたことが判明。銀河交差で多大な被害を被ったせいで戦争どころではなくなったため、ガルマン・ガミラス帝国と休戦協定を結んだ。それ以降の動向に関しては、ガルマン・ガミラスが大マゼランに遷都したのに対してボラーははっきりとは描かれていない。しかし銀河系での影響力はほとんどなくなっている模様。


軍事力

 ボラー連邦は大国であっても脆弱である、という考え方が視聴者たちの間で強いものとなっているが、決してそうではない面を確認できる。ボラー連邦の戦艦Aは、ガルマン・ガミラス帝国の大型戦闘艦を一撃で貫通させるだけの大口径砲1門を装備している上に、戦艦Bは惑星を破壊可能な大型ミサイルを戦艦に搭載している(ガトランティス帝国のミサイル艦に通じるところがある)。

 さらに駆逐艦であるデストロイヤー艦(ボラー連邦)には、スペースロックと呼ばれる対艦ミサイルが配備されているが、蛇行運動という独特な軌道を描きながら敵艦に命中させるミサイルには、ヤマトも苦戦を強いられている。甲板上から上方に向けて打ち出されるVLS方式を採用している。

 また、前線基地よりミサイルをワープさせて直接にガルマン星を直接攻撃するなど、その軍事科学力は決してガルマン・ガミラス帝国に劣るものではない。極めつけは機動要塞ゼスパーゼの存在で、この要塞は従来のデスラー砲クラスを数十発分命中されるが、びくともしなかったのである。しかもブラックホール砲という連射の利く凶悪な兵器によって、デスラー総統率いる100隻もの大艦隊は短時間のうちに全滅に追いやられているのだ。

 因みにボラー連邦の採用する主砲形式は独特なもので、全てが格納式(或いは半格納)かつ砲塔が固定されている為に射角が変更できない(上下角は調整可能)という特徴がある。これにも2タイプ存在しており、甲板と一体化した板状のタイプと、砲塔基部が展開して砲身が伸縮するタイプに分かれる。

 他の勢力では、このように射軸が固定された主砲を主流に採用しているのは『宇宙戦艦ヤマト復活篇』に登場するエトス戦艦フリーデ戦艦にも確認できる。一見すると何とも非効率的な武装と思われるが、これはボラー連邦の物量における火力を最大限に発揮する事を重視した結果であると考えられる。大軍であれば細かい艦隊運動を必要とすることもなく、ひたすら火力で揉み潰せばよい、という考えであれば納得のいく方法である。

 作品は異なるが、銀河英雄伝説に登場する戦闘艦が一つの良い例であり、これらは艦首に主砲を集中的に配置して正面攻撃に特化している。


傘下国

 劇中において、ボラー連邦の傘下国として登場した星系はバース星のみである。なお、ボラー連邦の支配勢力から逸脱した箇所に存在しているが(劇中の支配勢力説明図において)、辺境の惑星として位置していることが伺える。

 その反面にバース星が大敗した報を受けたベムラーゼ首相が、わざわざ辺境の惑星へ視察に出向いていることもあって、戦略的価値は決して低くはない事も伺える。ただし、地球のあるオリオン腕一帯には確たる勢力版図を築けてはいない事も見えてくる。

 が、当星系の総督であるボローズに呆れ、不手際の連続を重ねた彼と星諸共を消し飛ばすと言う暴挙を行ってしまい、宇宙から消えてしまうという不遇の結末を迎えてしまった。


主要人物

ボラー人

ベムラーゼ首相

ベムラーゼ首相、Live2D用

 ボラー連邦の指導者。ちなみに現実だと首相はもっぱら上にさらに国家元首がいる(大統領や国王、日本の場合は天皇)のだが、ボラー連邦の場合は不明(ぶっちゃけそこまで深く考えていないと思われるので普通に元首だろう)。

 ヤマトシリーズのボスとしては珍しい肥満体形。体形もさることながら(ボラー連邦が当初は敵対関係出なかったこともあり)最初はヤマト乗組員に比較的友好的に接し、意見が対立した際はまず言葉で説得しようとするなど、一見するとこれまでの敵ボスとは趣が異なる元首であるように見える。しかし、実態は他と変わらぬ独裁者であり、自身を神と称し、意に添わぬものは容赦なく抹殺する冷酷無比な支配者。上記の説得も内容は持論の一方的な押し付けであり、それに反論されると即座に敵と見做して攻撃も辞さないなど、かなり傲慢で独善的な人物である。

 その性格から自分以外の存在を神と崇めるシャルバート教は徹底的に弾圧し、信者は流刑地の収容所に収監させている。

 その支配体制は恐怖で押さえつけているという感じであり、そういう意味では他の敵ボスとは違う。デスラーやズォーダーは圧倒的カリスマ性、ルガールは王族兼神官という血筋で支配者の地位を保持しており、スカルダートはそもそも暗黒星団帝国自体に国家っぽい要素があまり無いということを考えると、ベムラーゼはある意味一番現実味のある元首かもしれない。また、後述するが終始ヤマトに大して興味がないという点も他の敵ボスとは異なる。

 劇中での活躍としては、まずバース星に視察に訪れた際にヤマトと邂逅。収容所から脱走してヤマトを占拠する事件を起こしたシャルバート信者の囚人の処遇を巡って意見が対立。これだけなら古代達の内政干渉に等しい行為を払いのけているだけという割と真っ当な行為なのだが、この時なんとベムラーゼは「ラジェンドラ号を助けたのは地球がボラー連邦に属したという意思表明。ならばボラー連邦の指導者である自分の命令は絶対」という旨を発言。当然そんな道理が通らないことを古代が認めるはずもなく属国扱いを否定してきたため、(古代の言い方がやや挑発的だったせいもあって)ヤマトを敵と見做す。この時はヤマトがその場を切り抜けたためその場は見逃す。

 その後、ヤマトがガルマン・ガミラス本星からボラー連邦の勢力圏に向かってきたため、ヤマトがデスラーの手先になったと判断し攻撃させる(※)。さらにヤマトにルダ王女が乗り込んだとの情報を得ると、彼女の確保を命じる。

 終盤では自ら機動要塞で陣頭に立って太陽系でヤマトを襲う。しかし本音ではヤマトのことなどどうでもよく、単にデスラーを誘い出す罠として利用しただけだった。要塞のブラックホール砲でデスラー艦隊を追い詰めるが、揚羽武の特攻でブラックホール砲1門が沈黙した隙を突かれ、ハイパーデスラー砲により要塞ごと消滅する。


※実際はガルマン・ガミラスとボラーの国境線付近にある惑星ファンタムを第二の地球候補として目指していただけ。


ゴルサコフ総参謀長

ゴルサコフ

 ベムラーゼを軍事面で支える総参謀長。初登場からしばらくはベムラーゼと現場の間に立って情報や命令の伝達を行っていた。

 バルコム艦隊が撃破された後、自ら艦隊を率いて出撃し、ヤマトを追ってシャルバート星に到達。そこにいたデスラー艦隊とシャルバート星に攻撃を加えるが、ハイパーデスラー砲によって消し飛ばされる。


バルコム提督

ボラー軍人※イラスト左の人物

 第1主力艦隊司令。本作随一の不遇キャラ。

 シャルバート星の王女ルダを奪還するため、第1、第2主力艦隊を率いてボラー連邦の本星を出撃。ハーキンス中将の第8打撃艦隊が撃破された直後に現れ、ハーキンス艦隊の5倍におよぶ戦力をもってヤマトを恫喝するが、ルダ王女の引き渡しを拒否され攻撃を開始。圧倒的火力によってヤマトを追い詰めるものの、ヤマトの波動カートリッジ弾を始めとする猛反撃を受けて艦隊は壊滅し、自身も乗艦とともに戦死する。

 これだけ聞くといつものヤマトの敵キャラだが、注目すべきはそのあっけなさ。悲しきかな彼が登場する第23話は『ヤマトⅢ』の短縮打ち切りの影響を最も受けた回であり、本来なら1クールくらいかけて描く複数のエピソードを1話に無理矢理まとめられている。なので彼の出番もとてつもなく圧縮されることになった。その時間、なんと初登場から戦死まで約4分、そのうち画面に映った時間は最初の50秒足らず。ついでにいうと戦死シーンも乗艦が爆発した描写だけで断末魔すら無し。

 しかも前座であるハーキンス艦隊の戦いは、かつて敵対した者(グスタフ艦隊)が新たな脅威を前にして味方となり、最後は彼らの犠牲によって辛うじて勝利を収めるという非常に燃える王道展開(といっても尺が短いので少し唐突だが)となっている。その直後にさらに5倍の敵をヤマト1隻が瞬殺するというのはもはや完全にギャグである。

 こんなことになるくらいなら、ハーキンスが健在のうちに援軍として現れてもろともグスタフ艦隊にやられるか、スカラゲック海峡星団での登場は諦めて次話のシャルバート星でゴルサコフの代わりに出た方が良かったのでは…


ハーキンス中将

ハーキンス中将

 第8打撃艦隊司令。

 ゴルサコフを仲介したベムラーゼの命令により、デストロイヤー艦12隻を率いて出撃。惑星ファンタムを目指してボラー連邦の領域に近づくヤマトを襲撃するが、返り討ちにあう。

 その後はヤマトを監視していたようで、シャルバート星のルダ王女が惑星ファンタムからヤマトに乗り込んだことをベムラーゼに報告。そのままヤマトを追走し、ルダ王女の引き渡しを要求するが、拒否されて攻撃を開始する。

 しかし、同じ目的でその場に居合わせたガルマン・ガミラス帝国のグスタフ艦隊により妨害され、「ヤマトを守れ」というデスラーの命令を命懸けで遂行しようとするグスタフ艦隊の全艦特攻を受け、最後は時間にグスタフ艦が衝突し、惑星破壊ミサイルの大爆発によって戦死する。


ボローズ総督

ボローズ

 バース星総督。

 バース星を訪れた古代たちを歓迎パーティーに招待し、彼らにボラー連邦の存在を教え、地球と友好関係を築くことを宣言する。

 しかし、実はバース星はシャルバート教信者の流刑地であり、囚人である彼らの脱走が発生。古代たちによって無事鎮圧されるものの囚人の処遇を巡って対立する。ベムラーゼがヤマトと敵対する選択をしたため、警備兵を出動させて古代たちを殺そうとするが、逃走を許してしまう。

 この一件と先のダゴン艦隊との戦いでの敗北という2度の失態により、ベムラーゼの心証は相当に悪化。最終的にベムラーゼの命令によってバース星は破壊され、彼も爆発に巻き込まれて死亡した。

 初登場時はこけた頬やハイライトの無い目など人間味の無いかなり不気味な雰囲気だったが、次話でベムラーゼに叱責された際などは割と表情豊か。


レバルス警備隊長

レバルス隊長(修正)

 バース星の警備隊長。

 当初バース星にやってきたヤマトを攻撃するが、相手がラジェンドラ号を救ったヤマトだと知ると攻撃を謝罪し、彼らの上陸を快く受け入れる。

 収容所から脱走した囚人がヤマトを占拠した際にはヤマトの第一艦橋を訪れて自分達の過失を謝罪し、自軍による囚人の鎮圧の申し出るが、ヤマト側が鎮圧は自分でやると言ったため素直に引き下がり、鎮圧後に囚人を引き渡される。

 引き渡し時に囚人に寛大な処置をとの古代の要請を受けて上司に伝えるが、この一連の騒動が運悪くバースへ視察に来る途中だったベムラーゼの耳に入り、彼の鶴の一声により銃殺刑を実行。抗議する古代たちを口出し無用と一蹴する。

 その後、ヤマトとボラー兵が交戦状態に入ったのを機に、囚人を救うべく出撃したコスモタイガー隊が処刑を行っていた兵士を次々と銃撃。レバルスも撃ち殺された。

 最後の方こそ険悪になったが、基本的にヤマト乗組員と敵対する行動はとっておらず、命令を粛々と実行していただけなのに殺されてしまった不憫な人。

 地味に『完結編』までにおいてヤマトの艦橋に入った数少ない異星人でもある。

 漫画版ではラム艦長と親友であり、最後までヤマトに友好的だった。


バース人

ラム艦長

ラムのラブソング

 バース星艦隊旗艦ラジェンドラ号艦長。決して「だっちゃ」の人ではない。

 軍人としての誇りを重んじており、「バースの軍人は敵に後ろを見せるようなことはせん」と言って不利な状況のまま戦闘を開始するなど若干危うい面もあるが、その正々堂々とした性格から部下に慕われ、ヤマト乗組員からも尊敬の念を受けている。

 物語序盤でダゴン艦隊と交戦するが敗走。太陽系に到達し、そこで人道的な行為の範囲(航行機能に限定した艦の修理、燃料・食糧・医薬品の補給)にとどまる程度の支援を受ける。自身を追撃してきたダゴン艦隊が現れると、滞在許可時間が過ぎたら(地球連邦の領空外まで)出て行って正々堂々と戦うと宣言し、猶予時間を得る。とはいうものの実際のところ武装関係の補修を受けられないラジェンドラ号に残された武装では勝ち目は一切なく、ラムは修理を終えたラジェンドラ号で発進した後、地球連邦の領空を抜けると同時にワープで逃走することを狙うが、ダゴン艦隊は領空侵犯上等でヤマトもろとも攻撃してきたため失敗。その後は逃げるチャンスがあっても自分たちのために戦ってくれているヤマトへの恩を返すため戦い続け、最終的に艦は戦闘も航行も完全に不可能なほど損傷する。そして、重傷を負ったラム艦長はヤマトとの通信で戦いの途中で離脱することを謝罪したうえで、別れを告げて息を引き取る。直後に乗艦も爆沈して部下たちも後を追った。


主要兵器

ゼスパーゼ機動要塞

ベムラーゼ艦

ゴルサコフ艦

ハーキンス艦

ラジェンドラ号

戦艦A

戦艦B

バルコム艦

大型空母

戦闘空母

デストロイヤー艦

ワープミサイル


関連タグ

宇宙戦艦ヤマト ガルマン・ガミラス帝国

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