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アーバンライナーの編集履歴

2020/05/21 15:30:38 版

編集者:よしもと新太

編集内容:運用を加筆

概要

「アーバンライナー(Urban Liner)」とは、近畿日本鉄道特急列車(近鉄特急)に用いられる対新幹線用決戦兵器…もとい、特急形車両の愛称。

大阪~名古屋間の都市輸送はJR東海東海道新幹線近畿日本鉄道名阪特急が競合関係となっており、名阪特急のシェア拡大を図るべく名阪甲特急用に投入したのがこの「アーバンライナー」である。

21000系(plus)、21020系(next)共に鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞している(21000系→第32回:1989年、21020系→第46回:2003年)。

車両

21000系

1988年に運転開始した最初の「アーバンライナー」。

電動カム軸を使用した抵抗制御車で、6連を基本編成とし、混雑時には2連の増結ユニットを中間に連結して8連で運転される。電算記号は6両編成がUL、増結用の2両編成がUB。

青山町付近の急こう配に対応するため、編成すべてが電動車(モーター車)となっている。

台車はボルスタアンカー付きであるが、後にヨーダンパが設置され、枕ばね部にボルスタアンカーとヨーダンパが上下に平行して並ぶ、非常に物々しい外観の台車となっている。

車体は普通鋼製で、白を基調とし、オレンジっぽい色がアクセントとして使われている。

先頭部には大型の2枚のパワーウインドウが張られ、ヘッドライトはその上部にビルトインされている。ドアは折戸式を採用。なかなか古さが際立つ。

名古屋寄りの1・2号車の座席を「デラックスシート」、それ以外の座席は「レギュラーシート」とした。「デラックスシート」に座るには追加料金が必要。車内設備は当初はレギュラーシート・デラックスシートとも簡易リクライニングシートであったが、シートピッチを1,050mmに拡げた上で背もたれと座面の連動を最適化し、本式のリクライニングシートに近い角度まで倒せるよう工夫が施されたシートを採用していた。

2003年2005年にかけて、老朽化・設備陳腐化のため全車両にリニューアル工事が施行された。車椅子対応席付近のドアのみ外側式プラグドア化され、喫煙ルームを設置する一方で、全車禁煙とし、21020系同様の内装とした。また、デラックスシート車を1号車の1両のみに減車し、2号車はレギュラーシート車とされた。工事を受けた21000系を「アーバンライナーplus」と呼ぶ。

先の増結ユニットの2両だが、両方向に運転台を持つ。概観は簡易運転台(駅構内や操車場で入れ替えのために使用する、最低限の設備だけを持った運転台)に見えるが、実は本線走行可能な正規の運転台である。と言うのも、名阪ノンストップ復活の機会を与えてくれた国鉄が分割民営化され、JR東海になったことで、運行体形がスマートになり、再び昭和39年の悪夢(東海道新幹線開業で利用比率が近鉄:国鉄で7:3から2:8に大逆転)が再現されるのではないか……という、近鉄のトラウマに触れ、いざとなったら21000系もバラ投入するつもりだったのである。

結果としてそれは杞憂に終わり、バブル崩壊も手伝って名阪ノンストップの利用率は一定を確保し続け、この運転台は本来の簡易運転台としての目的でしか使われていない。

ちなみに、増結ユニットそのものが元々第1~第3編成の3・4号車であり、細切れにしなくとも閑散期は中間ユニットを外した4両編成で運用出来るにしたものである。しかし6両での需要が安定してくると逆に運転台部分が邪魔になり(実際、第4編成以降の中間車から運転台を省き、初期3編成と座席数が異なっていた)、さらに6両正規以上の需要にも対応するため、改めて3編成分の中間車計6両を新製し、これらは増結ユニットに回った…という経緯がある。

なお、6両のうちの名古屋方2両と増結ユニット2両による4両編成での団体列車としての使用実績がある(当然増結ユニットの顔が先頭になった)。

余談だが、本編成側で増結ユニットとそれぞれ連結するモ21200とモ21500には、分割して増結ユニットを挟み込むために簡易運転台が別についている。自販機の裏などにひっさり取り付けられ、運転台用出入り口もなく、片側にしか前面窓のついていない様は、増結ユニットのそれと違いまさしく入換専用の簡易運転台である。

21020系

「アーバンライナー」の増備車。「アーバンライナーnext」とも呼ばれる。電算記号はUL2x

モーターは23000系同様の新幹線並みの230kWモーターで、MT構成は3M3Tで比は1:1となった。本系列は21000系の置き換え用ではなく、21000系のリニューアル工事中に不足する本数を補うために造られた車両であるため、製造本数は必要最小限の6両固定編成2本に留まっている。検査のときは21000系が代走をする。

近鉄の特急で4例目となるVVVFインバーター制御車であり、同じく2例目となるIGBT素子VVVFインバーター搭載車でもある。さらに、三菱製IGBT素子のVVVFインバーター搭載車はこの21020系が初めて。インバーターの磁励音は他にはあまり例のない独特なもの。近鉄の特急車で初のHID灯をヘッドライトに採用している。

2号車はレギュラーシートに変更され、デラックスシートは1号車の1両のみとされた。

座席には改良が加えられ、独特な形状をしたいわゆる「ゆりかご形シート」を採用している。全仕切り扉上には液晶モニターを設置。

運用

投入後は名阪甲特急(大阪難波駅近鉄名古屋駅間)の運用が中心。間合い運用で近鉄奈良線阪奈特急(大阪難波駅近鉄奈良駅間)、近鉄名古屋線名伊特急(宇治山田駅鳥羽駅方面)の運用にも入る。

21000系の「plus」への更新工事が完了してからは「next」が増備された2編成分だけ車両本数に余裕が出来たため、土・休日の夕方に運転される増発分の甲特急(大阪難波発20分台・近鉄名古屋発25分台)を全て「アーバンライナー」で賄えるようになった(これ以前は「伊勢志摩ライナー」が一部の甲特急運用に就いていたり、車両故障などで21000系が足りなくなったときなどは汎用特急で代走したりしていた)他、名阪間の主要駅に停まる乙特急の一部の運用にも就くこととなった。

かつて名阪甲特急は「名阪ノンストップ特急」と称されていたが、2012年3月20日付で全ての名阪甲特急が津駅に追加停車することとなり、同日付で「名阪ノンストップ特急」は消滅している。

2020年の80000系ひのとり」投入後、「アーバンライナー」は名阪乙特急中心の運用に回す予定となっている。

なお、「next」は2編成のみ。ほぼ「plus」が占めており、検査のときはそいつが代走するので、充当される列車が少ない。根気よく探そう。なお、登場時の運用はだいたい固定化されており、時刻表などで太字で示されていたため、運用変更さえなければ容易に会うことが出来た。現在は6両編成の運用を中心に探せば良く、どうしても乗りたいのであれば特急券発券時に駅員に次のアーバンライナーの電算記号教えて下さいと聞き、回答がUL2xであればそれはnext編成である。

特急券購入時にシートマップより4号車の座席が13列配置であればnextである(plusは14列配置)。

デッキ内で流れるBGM

アーバンライナーでは駅停車中にデッキにてBGMが流れる。そのBGMは各号車ごとに異なっているが、曲名は謎である。

ちなみに曲名が判明しているのは2号車と6号車で、サウンドファクトリー製のSOUND STAFFに収録されているものである。2号車がSF12-1「Easy Living」で、6号車がSF4-8「TRUE」である。

4号車のBGMをフルで収録されたものもYouTubeで上がっているが、曲名は謎である。

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編集内容:運用を加筆