概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』の登場人物。副主人公・野比のび太の祖母。
父方の祖母と母方の祖母の二人が存在しているが、ここでは登場回数が多い父方の祖母を中心に解説する。
父方の祖母
野比のびるの妻であり、のび助ら5人兄妹の母親。孫となるのび太を可愛がっており、彼は小学生に成長した今でも彼女のことを鮮明に覚えていた。
のび太の優しい性格のルーツは彼女の影響も大きく、原作「あの日あの時あのダルマ」ではおばあちゃんが「(あのダルマさんのように)転んでも、転んでも、ひとりでおっきできる強い子になってくれると…、おばあちゃん、とっても安心なんだけどな」と言いながらのび太の成長を願っていた。
実際にのび太は大長編及び映画作品等でもここぞという場面で強い精神力を発揮し、原作「45年後…」では中年ののび太が先述のダルマエピソードになぞらえたエールを現代ののび太に送った事もあった。
更に、この何度でも立ち上がる強さは漫画版『宇宙英雄記』の終盤にも輸入され、動けなくなったドラえもん一行がイカーロスに逆転勝利する大きなきっかけにもなっている。
のび太が小学校に入学する前に病死してしまい、映画『南海大冒険』の同時上映として制作された『帰ってきたドラえもん』によれば、のび太は彼女の死にショックを受けて押し入れに入り大泣きしていた模様。
原作「夢まくらのおじいさん」では若かりし頃のおばあちゃんが登場。のびるが敢えて息子たちを厳しめに接したのは彼女のおかげであるとされ、おばあちゃんは夫が買ってきてくれた漫画を代わりにのび助にあげていた事もあった。
原作「おばあちゃんのおもいで」ではメインキャラクターとして登場。おばあちゃんが作ってくれた熊のぬいぐるみはのび太にとって大切な物であり、それを見たのび太はおばあちゃんに会いたいとドラえもんに相談し、それを聞いた彼は悩みながらものび太を連れて「タイムマシン」で過去に向かう。
過去では花火を欲しがる幼少のび太の願いを叶えるために彼女は花火を探し回っていた。その日の夕方には幼少のび太に見つかった現代のび太を匿い、現代のび太の事を怪しむことのなく孫として接してあげていた(ちなみに夫・のびるの方が「夢まくらのおじいさん」で先にのび太と会っていたが、彼の方も孫として接してあげていた)。
また、原作「パパもあまえんぼ」は上記エピソードの後日談とも言えるストーリーとなっており、そこでドラえもんと対面し、泣きながら会社の不満をこぼす現代ののび助に優しく接してあげていた。
原作「赤いくつの女の子」でも登場し、ノンちゃんと喧嘩したのび太を励ましている。ただし「ぼくの生まれた日」では、彼女はのび太の誕生を先祖に報告しに行ったので登場していない。
その他、原作「タマシイム・マシン」や原作「人生やりなおし機」等、のび太が過去を振り返るエピソードにも登場している。
映画作品では『ワンニャン時空伝』で隠れたキーパーソンとして登場。
彼女はけん玉をのび太の前で巧みに操っており(その際「おばあちゃんのおもいで」で登場した上記のぬいぐるみも置いてあった)、現代ののび太もおばあちゃんのけん玉を難なくこなしていた。
そのけん玉はイチの記憶を復活させるのに一役立ち、ビッグライトと併用してネコジャラへの止めとして使われた。
登場シーンは少ないものの、間接的ながらネコジャラ一行の人類への反逆を阻止する事にも繋がった(原作「架空人物たまご」ではけん玉が下手だったのだが、そのお話で初めて玉を大皿に乗せており、以降そこまで上手く出来るようになったのはおばあちゃんのお陰であったのかもしれない)。
母方の祖母
登場作品は原作「ママのダイヤを盗み出せ」及び原作「グルメテーブルかけ」の2作のみ。玉子が野比家へ嫁いでいる影響か、のび太と母方の祖母が現代で対面しているシーンは描かれていない。
前者は若かりし頃の祖母が登場し、お転婆な娘に頭を悩まされていた。玉子が自身の母親の(ダイヤではなくガラス製の)指輪を持ち出した際、紙芝居に夢中になり道端に置き去りにした時にドラえもんとのび太により返却される(父方の祖母と違い、のび太が自身の孫であることを認識していない)。
ただし祖母は娘の教育のために彼女には指輪が手元に返っているのを黙り、夕暮れまで玉子にダイヤを探させた。
後者では父方の祖母と違い今でも健在していることが明かされているが、軽い病気のため玉子が一時的に実家に帰り、兄と共に母親の面倒を見ていた。