概要
このメーカーが製造した車種はたった1種類で、その乗用車DMC-12を指す通称としても用いられる。
そして世界的にヒットしたSF映画『シリーズ』に登場するタイムマシンのベースカーとしても広くその存在を知られている。
車両概要としては、DMC-12
映画に登場するタイムマシンとしては、デロリアン(タイムマシーン)
を参照して頂きたい。
企業概要
1975年10月24日、当時ゼネラルモーターズの副社長であったジョン・ザッカリー・デロリアンが、自身の理想の車を作るためにGMを辞職し独立して設立したのがデロリアン・モーター・カンパニー(Delorean Motor Company Ltd. 、DMC)であった。
本社はミシガン州デトロイトに、製造工場はイギリス北アイルランドの郊外に存在した。
長い開発期間を経て、1981年に『DMC-12』が発表。当初は順調な売り上げで派生車種もいくつか検討されていた。しかし発売価格が2万5,000ドル(当時の約625万円)と高値で、走行機能や人員物資の搭載量との比較もあり翌年以降たちまち売り上げが不調になっていった(なお参考までに、89年式の日産スカイラインGT-R(BNR32)やトヨタセルシオ(UCF10)はベースグレードで450万円程度である)。
また顧問会計士による横領などを理由に北アイルランドへの工場誘致の条件として交付されていたイギリス政府からの補助金が停止され、さらに1982年10月19日に、社長のデロリアン氏がコカイン所持容疑で逮捕されたことにより、会社は資金繰りが立ち行かなくなり倒産に至った。
なお会社に残された設備や備品はStephen Wynne社が買収した。現在でも部品等は入手可能で、ストック品での製造自体は可能であるとされる。
逮捕された社長に関しては、裁判の末無罪となった。しかし政財界での信頼をなくしており、新たな自動車プランを温めていたがそれを実行に移すことはなく、2005年に逝去された。