概要
ボーバトンとは『ハリー・ポッター』シリーズ及び同じ世界観を共有する作品群に登場するボーバトン魔法アカデミー(Académie de Magie Beauxbâtons)の略。
魔法世界における魔法学校の一校であり、『ハリー・ポッター』シリーズ第四巻、炎のゴブレットで実施された三大魔法学校対抗試合(トライウィザード・トーナメント)のために生徒と教師がホグワーツにやってきた。
学校の特色
歴史
少なくとも1294年には学校は存在していた由緒ある学校。
若き日のニコラス・フラメルと後に妻となるペレネレが通った学校であり、学校の美しい白と庭を造るのにつかわれた資金の一部は錬金術師が生成した金であったといわれている。
学校の形態
国際魔法使い連盟に登録済みの11の由緒正しい魔法学校の一校であるボーバトンは専門学校(アカデミー)、つまり私立の塾や芸術分野の専門学校のような形態である。
全寮制で、フランス出身の魔法使い、魔女のみならず、スペイン、ポルトガル、オランダ、ルクセンブルク、ベルギーといった国々から生徒を積極的に受け入れており、生徒が留学し、寮生活を送ることが可能。
また映画版では女子校のように描かれているが原作では男子生徒も少なからず存在している。
カリキュラム
校長のオリンペ・マクシームの指導によるものか、ナルシストで甘やかされた印象の生徒たちが多い。
6年生の年度末にホグワーツ魔法魔術学校の「O.W.L」や「N.E.W.T.」に相当する試験が行われるらしい。
映画版では三大魔法学校対抗試合の歓迎会で魔法を交えた美しい舞を披露しており、新体操やバレエなどをカリキュラムに取り入れていると思われる。
所在地
ピレネー山脈にあり、山がちな風景の中に魔法で作り出された幾何学式庭園と、その中にたたずむ城の息をのむほどの美しさは、訪れた人々の語り草となっている。
学校の広場の中央にある美しい噴水には癒やしと美をもたらす力があると信じられており、この噴水にもニコラス・フラメル夫妻にちなんだ名前が付けられている。
制服
柔らかく体になじむシルク製のローブで作られた制服で、三大魔法学校対抗試合でホグワーツ魔法魔術学校に来校した際は寒さ対策のためにマフラーやスカーフ、ショールを着ていた。
映画では青いワンピース型のローブとなっており、やはり体にフィットしたデザインゆえにロン・ウィーズリーは女子生徒たちの臀部に注目してしまっている。
三大魔法学校との交流
イギリスのホグワーツ魔法魔術学校並びに北欧のダームストラング専門学校とはヨーロッパ三大魔法学校と呼ばれ称される。
三校はいずれも国際魔法使い連盟に登録済みの由緒正しい魔法学校に数えられており、三校の交流として過去に幾度か三大魔法学校対抗試合(トライウィザード・トーナメント)を実施してきた。
特に炎のゴブレットで約二百年ぶりに実施された三大魔法学校対抗試合を通じて生徒同士が交流をし、この交流を切っ掛けに結婚した者、成人後も友情を結び続ける者などがあらわれた。
三大魔法学校対抗試合
三校からそれぞれ代表選手を一人ずつ選出し、選ばれた代表選手三名たちは魔法能力、知力、勇気などを図る三つの課題に挑戦し、審査される。
最初の対抗試合は12世紀後半ないし13世紀頃に実施された。
対抗試合はその並外れた危険性で有名であり、試合中に代表選手たちの死亡事故が相次いだために安全の観点から1792年に中止された。
しかし1994年、安全を考慮した新しい制限を設けた状態で約二百年ぶりに対抗試合が再開されることとなった。
この制限とは魔法社会における成人、17歳を迎えた者(ホグワーツでは7年生と誕生日を迎えた6年生)のみが代表選手に立候補できるというものであった。
ボーバトンは代表選手になり得るフラー・デラクールをはじめとした生徒たちを連れて巨大な天馬が引く美しい馬車に乗ってホグワーツに現れた。
しかし、対抗試合はヴォルデモートと彼の配下のバーテミウス・クラウチ・ジュニアの暗躍により、当時未成年のハリー・ポッターが第四の代表選手に選出された上に、ホグワーツ代表のセドリック・ディゴリーがヴォルデモートの復活によって命を落とすという悲劇に見舞われた。
ホグワーツのみならず三校の生徒たちから慕われたセドリックの死によってこれ以降対抗試合は開催されていないものの、セドリックを喪った悲しみを共有した者たちの友情は長く続くこととなった。
名前の由来
ボーバトン(Beauxbaton)はフランス語で「美しい杖」の意味。
その名の通り、校章も交差した金色の杖からそれぞれ3つの星が飛んでいるというものである。