中里毅
なかざとたけし
「リアサイドについてるRのバッジは不敗神話のRだ!」
概要
搭乗車種 | 日産BNR32スカイラインGT-R V-specII |
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ボディカラー | ブラックパールメタリック |
主な外装パーツ | WORK製ホイール |
ナンバー | 群馬33が26-037 |
CV:檜山修之
諏訪部順一(新劇場版)
群馬県富岡市と下仁田町付近の妙義山に拠点を置く妙義ナイトキッズのリーダー。
職業や年齢は連載終了まで明かされなかったが、神奈川で再会した池谷たちからは敬語で話しかけられ、登場したナイトキッズメンバーの大半からは毅さんと呼ばれている。
初登場時からR32GT-R乗りだが、史浩によるとかつては黒のS13シルビア乗りであった。後に発売されたドラマCD「黒い稲妻・新たなる不敗伝説」にて、妙義山に現れた相模ナンバーの白いR32GT-R乗り島村栄吉にパワー差で圧倒された末に惨敗した事をきっかけに、島村と同じR32 GT-R乗り換えたと説明されている。
乗り換えて以来「遊びだけ」のドリフト走行に疑問を抱き、確実にタイムが出せるグリップ走行にこだわっている。
「ドリフト走行はグリップ走行には絶対に勝てねぇ」
と須藤京一を彷彿とさせる台詞を吐いているが、これはあくまで毅がドリフトをやり尽くした上での哲学であり、「ドリフトを卒業した走り屋がグリップで走るのが一番速い」ということである。グリップにこだわる彼だが、現在でもドリフトをする気になれば振り回すことができ、ドリフトのうまさは慎吾も上記CDで認めるほどである。
しかしメンタルにムラがあり、キレやすいのが弱点である。その点は同じ4WD遣いの岩城清次と似ている。
「自分の腕で勝つ」という美学があり、上りで有利なGT-R乗りにも関わらず、マシンより腕で勝敗がつく下りでの勝負こそが重要だと考えている。また負けても車ではなく自分の腕の至らなさを認めるなど潔く正々堂々としている。そのため姑息な手を用いるのが当然と考えている、同じチームの庄司慎吾とはしばらく反目しあっていたが、後に和解している(詳細→庄司慎吾)。仕切り屋ではないが、その走りでレッドサンズとの対戦までには派閥闘争していたチームを再び団結させるほどの統率力を見せた。
初登場時は藤原拓海駆るハチロクのオーラだけで実力を感じ取ったり、ハチロクが溝落としで勝ったことをギャラリーで唯一察するなど大物感を漂わせていたが、地域随一の公道レーサーである高橋涼介に馬力を当てられて「オレのクルマって有名なのか?」と内心喜んだり、高橋啓介とは「オレまだ本気じゃね―し」と言い合うなどの人間味も見せた。
初登場時はボサボサの髪型であったが、拓海とバトルする前にはセンターの前髪以外はキッチリ固めるようになっている。
また女性とは縁が無かったようであり、慎吾を通じて知り合ったインパクトブルーの沙雪の体型美に驚きを見せた。それから沙雪に憧れの異性としての感情を持つようになるが、毅がいない時に慎吾から話のネタとして彼に気に入られていると告げられた彼女は微妙な反応を見せていた。さらにドラマCDでは慎吾や沙雪たちがお膳立てしてくれたバトルに勝利した興奮のあまり、彼女に関する少し恥ずかしい発言をしてしまっていた。
劇中での活躍
以下ネタバレ注意
主人公藤原拓海のデビュー戦である、赤城系チーム『レッドサンズ』の高橋啓介戦にてギャラリーとして初登場。
GT-Rに乗り換えて以来、ライバルと呼べる存在がいなくなって退屈していた毅は、このバトルで拓海の凄さを目の当たりにして俄然やる気を出す。拓海を探して秋名を走り回った上、拓海たちのバイト先のガソリンスタンドの情報を掴み、行ってバトルを申し込んだ。この時拓海の親友・武内樹が勝手に勝負を受けてしまったものの、まだ走り屋の自覚がなかった拓海に受けるつもりがなく、『秋名スピードスターズ』内部でギリギリまですったもんだするという一幕があったが、毅は知る由もなかった。
いよいよ迎えた秋名のバトルにはレッドサンズの高橋兄弟も駆けつけ、バトルスタート後に彼らが涼介のドライブでギャラリーとして追走した。
毅はスタート直後のストレートでわざとアクセルを緩めて待ちハンデを与える余裕を見せたが、終盤にはGT-Rの下りでの脆さ(重量とドライビングスタイルから来るフロントタイヤへの大きな負担)が顔を出し始めた。啓介戦で拓海が見せた『溝落とし』を警戒した毅は、5連続ヘアピンでインを締めまくるが、拓海がアウト側を衝いて意識させてインを開けさせることに成功、2戦続けて溝落としを決めた。そのまま2台は並ぶが、タイヤのグリップ力を消耗しきった毅のR32はコーナー出口でスピン、ガードレールにぶつかって決着した。
レッドサンズとの交流戦では、上りで啓介と対戦。いつもどおりのメリハリの効いたドライビングスタイルで全開で攻めるが、涼介からタイヤマネージメントの術を伝授された啓介を振り切れなかった。雨の降り出した最終区間の下り箇所で、フロントタイヤを残していた啓介にアウトから刺されて僅差で敗北した。
啓介戦の敗北を引き摺った中での『エンペラー』の岩城清次とのバトルでは、啓介からの指摘点が理由で自身のドライビングへの迷いからいつもの豪快な走りが鳴りを潜め、プッシングアンダーを誘発して右フロントを破損して敗北。チームのステッカーを切り裂かれるという屈辱を味わった(アニメ版では涼介が導き出したこのバトルにおける毅の分析結果について、啓介が勝負とはいえ結果的に気の毒な事をしてしまったと同情しているかのような趣旨の発言をしている)。
このように原作では0勝3敗と散々な結果に終わっているものの、スカイラインGT-R特有の4WDシステム『アテーサET-S』を乗りこなす技術は相当なレベルであり、啓介戦では「公道のGT-R使いとして完成の域にあった」と説明されている。また涼介からは「でかいクチたたくだけあってうまい」、啓介からも「(ヘビーなGT-Rでのダウンヒルについて)すげー根性してるぜ」、「GT-Rの性能に乗せられているだけのヘボじゃねぇ」と評価されており、決してヘタというわけではなく、一人の人間として肝心な場面でのメンタルがちょっとだけ弱いだけである。
なおドラマCD版ではエンペラーとの対決前後は不明だが、啓介に敗北してしばらくはあえてバトルを控えて部分的にドラテクを着実に磨く事を優先する。そして因縁のある島村と彼の本拠地である箱根でダウンヒルバトルを繰り広げる。その際タイヤマネジメントを念頭に置いた落ち着きのある走りを見せ、後半でタイヤを消耗し挙動が乱れた島村のスキを突いて見事勝利を収める。
拓海に敗戦した後は同じく慎吾と少なからず拓海を応援するようになり、プロジェクトDの神奈川最終戦でギャラリーとして再登場した。アニメ版では慎吾と練習しながらいつかの再戦を強く誓い、最終決戦では他のライバルたちと共に勝利した拓海の元へ駆けつけた。
名セリフ・ネタ
藤原拓海戦では印象的な台詞を連続で吐いている。
- 「クソッタレー手ごわい!(スッポンみたいにくいつきやがって)」
- 「生きててよかったぜぇ!!(てなもんだぁっ!!)」
- 「全身の血が沸騰したようなこのハイテンション!これこそバトルだ!」
- 「低いギアからの加速は他のどんなクルマよりも得意なんだよ この瞬間がたまんねーぜ!」
- 「サーキットで最強のマシンは公道でも最強だぜ!」
- 「リアサイドについてるRのバッジは不敗神話のRだ!オレのRについて来れるか!?」
- 「しまったあっ!!肝心なところでアンダーを出しちまったぜっ!!」
- 「いってーな。また板金7万円コースかな…ふっ、ウデを磨いてもう一度チャレンジするさ」
以下はTVアニメシリーズオリジナルの台詞
- 「慎吾、お前もいつかとことん知るぜ。あの秋名のハチロクの凄まじさを…」
- 「並のドライバーならキレたら最後、ミスを繰り返すばかりで速く走れない。だがあいつは違う。身体に染み付いたドライビングセンスが紙一重の所でハチロクをコントロールしている。キレればキレるだけ速い…!勝負は見えたな、慎吾…!」
- 「ふんっ、エンペラーだか何だか知らねえが、群馬の砦は俺が守る。お前らの目論見、妙義の谷深くうずめてやるぜ!」
- 「俺が止めずに、誰があいつらを止められる!!」
- 「いつまでも負けっぱなしじゃいられねえ!エンペラーにも秋名のハチロクにも、絶対にリベンジするぜ!」
- 「走り屋に女はいらねえ!!!」(ドラマCD『黒い稲妻 新たなる不敗伝説』のラスト)
ポプテピピックでの活躍
アニメ版ポプテピピック第4話のボブスレーのシーンで、けたたましいエキゾーストノートを響かせるソリ(GT-R)で突っ走る、明らかに彼が元ネタと思われるキャラが登場(ただしCVは駒田航)。
「GT-RのRは不敗神話のRだ!!」という台詞とともにポプ子をブチ抜き、衝撃波でスピンクラッシュに追い込む。リタイアかに思われたポプ子であったが、そこにピピ美が航空力学的に理想的なフォルムのソリ(ターボジェット機)で駆けつける。ポプ子はロケットランチャーを手にこれに乗り、そのキャラを撃墜してレースに勝利した。
この中里っぽいキャラは頭文字Dを知らない視聴者にとっても印象的であったようで、わずか1分足らずの登場で本物並の活躍を見せた。