「炭治郎 この神楽と耳飾りだけは必ず 途切れさせず継承していってくれ “約束”なんだ」
CV:三木眞一郎
概要
主人公である竈門炭治郎とその妹竈門禰豆子らの父。物語の開始時点で既に故人であるが、炭治郎が鬼との戦いで窮地に陥った際、度々に彼の回想などに現れて生前の助言を想起させている。
人物
息子である炭治郎が「植物のような人」と例えた通りいつも穏やかで、炭治郎が彼を思い出す時に一番に思い浮かぶのは、柔らかな笑顔と川のせせらぎのような落ち着いた声。病死する直前までその様子は少しも変わることがなかったという。
顔立ちは息子の炭治郎とよく似ているが、生まれつき体が弱かったせいか痩せ細っており、病気がちで長く床に臥せていた。しかし、竈門家に代々伝えられている厄払いの舞であるヒノカミ神楽を炭治郎以上に修めており、額には生まれつき資質のある者に顕れるとされる痣があった。ただし、この痣が炭治郎らに発現している強化を齎す印としての物とは語られていないので、あくまでも只の痣だった可能性も考えられる(ちなみに、顔などに生まれつき痣を持って生まれてくる事は現実でも普通に起こる。現代ではバースマークと呼ばれており、前世のメッセージや先祖からの使命の証とも言われている)。
家族
計8人の大家族である。
竈門家
先祖:炭吉(すみよし)・すやこ・すみれ
能力
若い頃から父(炭治郎の祖父)より教わったヒノカミ神楽はもはや極みの域に到っており、鬼殺隊の隊士たちが鬼と戦う為に使用する全集中の呼吸と同様の呼吸法により、雪の降りしきる中で日没から夜明けまで、神楽の十二ある型を延々と繰り返し舞い続ける事ができた。
炭十郎が病死する十日前、一つ向こうの山で熊が人を襲って喰い殺す事件が起きた。その夜、件の熊が自宅に近づいていることを察知した炭十郎は、炭治郎を連れて山へと向かい、そこで人間を6人喰い殺した九尺(約270cm)はある巨大な熊と対峙する。そして、「それ以上こちらに来るのは許さない」という警告を無視して襲い掛かってきた大熊を、ヒノカミ神楽の型を使い小さな手斧で瞬く間に首を斬り落として殺した。
後に炭治郎は、これは父が自分にヒノカミ神楽を伝承する為に行ってくれた、最初で最後の『見取り稽古』だった事を悟っている。
余談だが、この時炭十郎が熊の気配を察知した方法は謎である。人喰い熊への対策として家の近辺に鈴付きの縄を張り巡らせたりしていたが、それが鳴る前に家の中から熊の接近に気付いていた。加えて、余命幾許もない瘦せ衰えた体に切れ味が良い訳でもない手斧で、首を斬った際には、立ち上がっていた熊を見下ろせるくらい高く跳び上がっていた。呼吸法ってすごい。
ちなみに、彼はヒノカミ神楽の元になった日の呼吸の剣士と先祖である炭吉の間で交わされたある約束の事を知っていたらしく、彼もまた炭治郎同様に記憶の遺伝を垣間見ていた可能性が高い。