遊び人とは
- 定職がなくぶらぶらと暮らしている人。
- 遊興を好み、遊び慣れている人。遊び好き。放蕩者。
- ばくち打ち。ギャンブラー。
- 宮中などで音楽を演奏する人。楽人。伶人。読みは「あそびびと」。
- ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズに登場する職業およびキャラクター。本項で解説
概要
遊び人は くちぶえをふいた!
『ドラゴンクエスト』(以下DQ)シリーズには勇者をはじめとして様々な職業があり、その一つが遊び人である。ここでは類似した職業の「笑わせ師」や「旅芸人」についても触れる。
ちなみに、pixivでは平仮名表記の「あそびにん」はまず使用されない。
DQ3
男はピエロ、女はバニーという外見。如何にも酒場で働いていそうな姿(ピエロやバニーガールも立派な職)で、しかも職業なのだから遊び人…と言うのも微妙な所ではある。
運のよさ以外のステータスが極端に低く、呪文なども一切覚えない。
成長すると強くなるどころか、レベルの上昇に比例して様々な「遊び」を戦闘中に勝手にするようになる。
また、レベルアップしないほうが使いやすいのにレベルが商人に次いで上がりやすく、
すぐに色々な遊びをしてしまうようになる。
例外的に、遊び人1人の時にメダパニや「はんにゃのめん」を装備している等で混乱状態に陥っていると、100%コマンド通りに戦う事もできる。
装備の面では、他職業の専用装備を適当につまみ食いするような形で装備できるという
なんとも変な設定である。もしかすると、前述の格好も趣味のコスプレなのかもしれない。
専用装備である「はでなふく」は手に入る時期にしては守備力がそこそこ高く、
ターバンとこのはでなふくだけでダーマ神殿までの旅は事足りてしまう。
一方、武器の方は非常に貧弱で最強装備が「てつのおの」、女性であれば「ゆうわくのけん」になる。
遊び人にとって最大の見せ場となるのは、Lv20に達すると「悟りの書」を消費せずに賢者に転職できる点である。
FC版では他職から遊び人に転職する事はできず、遊び人として作成したキャラだけがこのルートで賢者になる事ができる。
ただし、遊び人や商人といった、成長が早く序盤に有用な装備が手に入る職から賢者に
転職した場合、最速で賢者をパーティーに入れられる反面、賢者のMPは魔法職から転職した場合に比べて低くなりがちである。
リメイク版
SFC版以後では、他職から遊び人に転職出来るために僧侶や魔法使い→遊び人→賢者とする事で
悟りの書なしで魔法職を賢者に出来るほか、遊び人時代もある程度戦力になる事ができる。
オリジナルにあたるFC版では無駄行動でしかなかった遊びだが、
『DQ4』から逆輸入された要素として、遊びによって戦況に影響を及ぼすようになった。
会心の一撃を出す、敵に1ターン休みを与える、味方にベホマラー効果など有用な行動がある一方で、
自爆してダメージや状態異常を受ける、味方1人に1ターン休み、敵を怒らせてしまいバイキルト効果などの
デメリットとなる行動もあり、どちらが出るかはわからないため完全な博打である。
なお、女性遊び人の場合は専用の遊びが2つ多く、敵1体に1ターン休み効果と敵グループに攻撃する効果なのでどちらも有用。
また、リメイクで追加された要素の性格でも女性にはメリットが存在し、
ルイーダの酒場で新規キャラクターを登録する際、女性遊び人は全職中最も性格が「セクシーギャル」になりやすい。
それは性格なのかと言いたくなるところだが、本作の「セクシーギャル」は
全ステータスがプラス補正になるという、どの職でも有用な性格である
(一応、前衛職は必要なステータスがもっと伸びる性格があるためそちらの方が有用だが)。
特に万能型の賢者にはちょうど良かったりするのだが、性格がこれの
キャラクターが賢者に転職しようとすると、神官に「大変だと思うが…」と心配されるという小ネタがあったりする。
登場に至るまでの経緯
シリーズの生みの親である堀井雄二氏の「役に立たない職が1つぐらいあったらおもしろいのではないか」という発想から発案された。
当初の氏の構想では、遊び人は本当の本当に何の役にも立たず、
上記のような転職などもできない職業というものだった。
この考えをスタッフに話すと、貴重な容量や工数を割いてまで登場させる事に
難色を示されたり、何かの役に立つと思って育てたプレイヤーをガッカリさせるのではないか
…と、難色を示されたため、氏は丸一日かけてその必要性を力説・説得したという。
結局、氏のアイディアと他スタッフ側からの譲歩ということで、
「遊び人は基本的に役にたたないが、Lv20になると賢者に転職できる」という折衷案となった。
ただ、やはり氏は当初の構想として何の役にも立たない職として出したかったようである。
製品版の発売時には遊び人を仲間として連れて行こうとすると
「役に立たない」と警告されたり、説明書にも「戦力にならない」とはっきり書かれている。
発売後は「戦闘中に真面目に戦わない奴がいる」という点がプレイヤーの間でウケ、
ある意味ドラクエシリーズにおける「戦闘中にふざけ始める奴」やコミカルな技の雛形ともなった。
DQ6
『DQ6』でも職業の一つとして登場。主人公の仲間になるキャラは人間・モンスターに関わらず誰でも就くことができる。
戦闘中遊びだすことがあるのはDQ3と同じだが、成長するととんでもなく有用な遊びを覚えることがある。その遊びだけ狙って使うわけにいかないのが難点。
そのほかに覚える特技もイロモノ揃いだが、使うとその場で敵とエンカウントできる「くちぶえ」や、成功すると敵の守備力を一時的に激減させた上に動きを止められる「ひゃくれつなめ」など、有用なものも少なくない。
特に「くちぶえ」は、レベル上げや職業熟練度を上げたいときに、フィールドを彷徨わずともその場で敵と交戦でき、大幅な時間短縮になる便利な特技なので、一人ぐらいは使い手が欲しいところである。
なお、戦闘を重ねて職業を極めると「パルプンテ」を覚えることができる。
お笑い芸人のパノンのセリフ(DQ4)
「おことばですが おうさま。 わたしには おうさまを わらわせることなど できません。」
「ですが わたしを つれてきた このものたちなら きっと わらわせることが できるはず! どうか このものたちに てんくうのかぶとを おあたえください! このものたちは せかいをすくい ひとびとが こころから わらえるひを とりもどして くれるでしょう。」
後発職業「笑わせ師」「旅芸人」(DQ7・DQ9)
『DQ7』では、遊び人と類似したポジションの職業として
「笑わせ師」が登場した。遊び人と違って操作不能になることはないが、
全能力が大きく下がり、習得する特技も一部を除いて非常に貧弱。
唯一強力なのは一部のボスにも通る「ひゃくれつなめ」ぐらいである。
ただし、職歴技(笑わせ師+踊り子)で覚えられる「ステテコダンス」は
敵1グループを一定確率で1回休みと非常に強力な効果を持っており、
更に後に発売された3DS版では職業技として普通に覚えられるようになっている。
本作における魔法系最高職である「天地雷鳴師」は賢者とスーパースターを
極めている必要があるが、そのためにマスターすべき下級職は魔法使い+僧侶と笑わせ師+踊り子となっている。
『DQ9』では、主人公の初期職業が「旅芸人」であるが、
攻撃・回復の呪文をバランス良く覚えていく。これだけだったらただの優秀な職業なのだが、
問題はステータス補正が非常に低い点である。
一応、それでもシナリオをクリアする事自体は可能だが、クリア後の要素では
インフレについていけない部分が多いため、転職するまでのつなぎという面が強い。
DQ10
オンラインゲームになった『DQ10』において、ver4.3の追加職としてまさかの登場を果たしている。
ver4.0で追加された職業がDQ7の魔法系最高職「天地雷鳴師」だった事から、
「今度のアップデートでは物理系最高職の『ゴッドハンド』が来るのではないか」という予想がなされていたが、
本作でも監修を務めている堀井雄二氏がそれに対して「そう簡単にはいかないんじゃないですか(笑)」と
匂わせていた通り、まさかのDQ3から遊び人が抜擢されることとなった。
やはり実装の決め手は氏の推薦らしい。
オンラインゲームなので流石にまともに戦闘できない職にするわけにはいかず、
ステータス補正が全体的に低いものの様々なランダム効果を起こす職業特性「きまぐれ」及び
効果がランダムな職業固有特技「あそぶ」を持ち、前述の笑わせ師の要素も取り入れて
「ひゃくれつなめ」「ぱふぱふ」など、状態異常に特化した職となっている。
必殺技まで「パルプンテ」で何が起こるかわからない…と言いつつ、本作の場合は
はずれが出ることはあっても味方に不利益になる効果は無い。