ディオナ(MS)
でぃおな
ディオナ
富野由悠季原作・長谷川裕一作画の漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』に登場する、木星帝国製のモビルスーツ(MS)。
木星モビルスーツ群の基本形であるバタラ(EMS-06)を改変したバリエーション機のひとつ。
細身のボディ、盛り上がった胸部、長い足など、人間の女性を連想させるフォルムを持つ。頭部には同じく女性の彫刻のような「顔」を持つが、これは完全に飾りであり、帽子状のパーツの中にモノアイがある。背面にはエレバド同様の4基のシェルフ・ノズルを持つ。
機体のスペック自体は指揮官機であるエレバドと同等とされるが、本機は実戦を想定していない完全なプロパガンダ・コマーシャル用の機体であり、固定装備は防御用のビームシールドを含めて全くない。武装は、手持ち火器としてビームライフルを保持するのみである。
劇中での活躍
テテニス・ドゥガチ(=ベルナデット・ブリエット)がエレゴレラに搭乗して出撃(実際にはバイオコンピュータによる自動操縦機)する際、「総統閣下の御令嬢自らが精鋭ニュータイプ部隊を率いてご出陣」との演出でエレゴレラの護衛機として登場した。パイロットは女性兵士で固められており(後年のゲーム作品では男性の木星一般兵であることも)、「太刀持ち」役でエレゴレラの使うヒートナギナタを保持した機体もいた。
実際にはニュータイプというのはハッタリで戦意は低く、突如乱入してきたトビア・アロナクスのクロスボーンガンダムX3にたじろぐばかりで簡単に蹴散らされている。
アンヘル・ディオナ
続編『鋼鉄の7人』に登場した、ディオナの改修機。アンヘル(Ángel)はスペイン語で天使を意味する。パイロットはエウロペ・ドゥガチ。
ディオナから全高は変わっていないが、新造の小型MS「アラナ」用のSサイズフレームを部分的に組み込み機体の軽量化に成功している。相変わらず固定武装はないが、作中ではビームライフルおよびクロスボーン・ガンダムX1フルクロスから借り受けたピーコック・スマッシャーを使用する場面があることから、ゲーム作品での登場の際はそれらが武装とされる場合が多い。
作中での活躍
作中ではエウロペ・ドゥガチが木星帝国からの逃亡に用い、トビア達に救助されたことでブラックロー運送の手に渡る。その後サナリィで改造を受け、背部のシェルフ・ノズルが翼を思わせる形状の大型スラスターに換装された。
「鋼鉄の7人作戦」発動時には、母船イカロス(スピードキング)に連結されてイカロスのコントロールユニット及び指揮官機としての役割を担う。その後イカロスから分離して、背部にマウントされた武器コンテナから予備武装を味方機に補給。
最終的にはコンテナも分離し、X1フルクロスと共にコロニーレーザー「シンヴァツ」の破壊に成功するが、長時間の戦闘と被弾の蓄積で機体が限界を迎え、最後はトビアをかばってシンヴァツの爆発と共に消滅した。