プロフィール
生没年:226年~274年
字:幼節。
父:陸遜
母:孫策の娘
子:陸晏・陸景・陸玄・陸機・陸雲
概要
家督相続
陸遜の次男。長兄・陸延が早くに亡くなった為に家を継ぐ立場となる。が、陸遜が皇帝・孫権の後継問題(二宮の変)で孫権の不興を買い、問責され失意のうちで亡くなるという最悪の状況で家督を継いだ。孫権は陸抗にも父の非を問うて来たが、陸抗はこれを理路整然と反論し、無実を証明してみせた。
西陵城攻防戦
その後は柱石として、呉軍を支える立場となる。
孫皓の時代の271年、西陵督の歩闡(歩隲の次男)が城を挙げて晋に寝返るという大事件が起こる。西陵は父・陸遜が約50年前に劉備を火攻めで破った夷陵を改名した地であり、対晋最前線の地でもあった。孫皓は直ちに西陵奪回のために陸抗を派遣したが、西陵城の構造をよく知る陸抗は力攻めをせず包囲し水攻めにした。また包囲しながら晋の援軍にも備えるという綱渡りだったがこれらを打ち破り城を奪回した。その後、歩闡の配下は降参し歩闡とその計画に加わった者数十人は皆三族皆殺しとなった。
羊祜との交友
魏の名将・羊祜との敵味方に分かれての友情も有名で、あるときは陸抗が病気になった際は羊祜が薬を送り、毒かも知れないとの周囲の声に構わず飲んで治癒している。陸抗が酒を贈った際は同様に羊祜も疑わずに飲み干したと言う。馴れ合いからでも臆病からでもなく、お互いに相手の手を読んだ上での友情であった。
小説『三国志演義』では孫皓の疑念を招き降格、図らずも父と同じような末路を辿ることになる。
晩年
史実では孫皓から詰問を受けたとあるだけで、その後鳳凰2年(273年)に陸抗は大司馬となる。また父が任じられていた荊州牧にも任じられる。また孫皓は、自分の妹を、陸抗の次男・陸景に嫁がせており、孫皓にとっても陸抗とその一門は欠かせない人材であったことがわかる。
翌274年病死。
陸晏が跡を継いだが、陸抗の兵士は、兄弟の陸景・陸玄・陸機・陸雲にそれぞれ分割されることになった。6年後、呉は晋によって滅亡となった。
余談
陸抗の妻の張氏は、張承(張昭の長男)と諸葛氏(諸葛瑾の娘)の間の子。
皇太子孫和(孫皓の父)は妻が姉妹同士の義兄弟の間柄。次代のリーダーたる両者の嫡男の孫俊と陸晏は外従兄弟同士の間柄。つまり、孫和の帝位継承は、陸遜に孫の代までの皇帝姻戚の地位を約束することになる。陸抗は「孫和即位シナリオの最大受益者」の一人。
しかし二宮の変が勃発。妻の叔父の張休(張承の弟)は自害させられ父は憤死。孫和は太子を廃された上で幽閉され、この張氏は諸葛恪が誅殺された際に(姪にあたるため)離縁されてしまった。
なお、この張氏の同母姉妹は、孫和の妃になったが、孫和ともども自害させられた上に彼女のきょうだいの張震も誅殺されている。
登場作品
彼が活躍した時代が時代だけに、登場する作品は少ない。コーエー三國志シリーズでは登場し、この時代の武将としては随一の能力を誇るが、羊祜同様、登場するのが後半も後半で、作品によっては登場する頃には武将がほとんど死亡、武将数が国数以下で物理的に統一できずにゲームオ-バーというのまである。
pixivでは羊祜とよくセットで描かれている。父親譲りなのか、美男子で描かれるのがほとんど。
真・三國無双シリーズ
三国無双シリーズでもプレイヤーキャラとしては未登場のままであるが、モブ武将としては登場している。
またEmpiresシリーズで自分なりのキャラクタークリエイションも可能(あらゆる武将に共通するが)。特に6以降晋が登場するようになってからは、史実をなぞって活躍させることも。
(呉の最後の皇帝孫皓については、モブどころかスピンオフ作品でも未登場である)
7Empiresではモブでは最高ランクで下手な無双武将より上の生き様、「幹国の才」を所持している(所持している無双武将は夏侯惇、曹丕、司馬昭、于禁、他に所持しているモブは荀攸と馬騰のみ)。
7における晋のストーリー『建業の戦い』では、モブながら勇ましく登場。
孫呉を支えるために戦おうとするが、魏(のちの晋)の賈充に「支える者がたった一人ではな…」と一蹴されてしまう。
ちなみにフリーモードで呉軍シナリオを選べば共闘もできる。もちろんモブのままだが。
真・三國無双ブラストには顔ありで登場。
親子らしく陸遜を少々幼くしたような容姿であり、口調や性格も陸遜似。
期間限定戦では羊祜との会話も存在し、史実同様友誼を結んでいる様子も見られた。