概要
マリン・レイガンがS-1星を脱出する時に乗って来たパルサバーンを強化改造し、バルディプライズ・キャタレンジャーと合体する事で誕生する巨大ロボット。パルサバーンからもたらされた亜空間エンジンによって駆動し、そこから出力される膨大な亜空間エネルギーを用いることで亜空間突入を可能とした。その理由により地球側でアルデバロン軍に対抗できる唯一の戦力となっている。
メインパイロットはマリン、サブパイロットとしてジャック・オリバー、北斗雷太が同乗する。また、背部にミニバーンと呼ばれるサブユニットを合体させる事も可能でミニバーンによる外部コントロールも可能になっている。最終決戦時にはジェミーとクインシュタインを加えた5人で集合コクピット(おそらく複座があるバルディプライズのコクピット)に搭乗、アルデバロン本拠地に乗り込んでいる。
パワーアップ
バルディプライズとキャタレンジャーは元々は非変形で合体の為に改造されたものであるため、分離時では予想よりも十分な性能を発揮できていなかった。つまりは元異星人側のメカと地球のメカとの性能差が暴露された形となったのである。そのこともあり、第2ブルーフィクサー基地で完全新規の2号機が製作されたが、第2基地共々破壊されパルサバーンとの合体が実現できなかった。そのため、同2機を含むバルディオス本体のパワーアップが計画され、中破の際に実施されることとなる。
パワーアップ計画の内容は、バルディオスの武装強化と亜空間エンジン増設による出力強化、亜空間滞在時間の延長(改造前は5分だったのがおよそ10分に延長)と亜空間突入離脱の時間短縮、各マシンの防御力などの全体的な性能の底上げである。それに対応するためメインパイロットの操縦方式をサイコ・コントロールシステムに変更、思考コントロールのみでの操縦や武器管理を可能とした。が、マリンがその操縦方法になじめなかったのか、初出撃以降は操縦桿を持つ仕様に戻され、それ以降は副次的なサポートとして使用されるのみとなった。
ガムジャード
本編17話で世界同盟側でバルディオスの性能を参考に開発された、全高200mを超える非変形の巨大ロボ『ガムジャード』が登場。実戦参加したのは試作1号機のみだが、2号機以降の開発も進んでおり、将来的には量産も考えているとのこと。
強力な武装に加え(スペック上は)亜空間への突入も可能な性能を持っており、その上初戦ではアルデバロン軍のメカを単機で葬る(しかも2機も)という戦果を挙げたため、一時はバルディオス不要説まで流れるほどであったという。
しかしそれはアルデバロン軍がバルディオスを排除するために演じたハッタリで実際にはバルディオスの性能には遠く及ばない代物だったのである。それが暴露され用済み同然となったガムジャードはアルデバロン艦の攻撃であっけなく破壊される最期を迎えるのだった。
合体構成マシン
パルサバーン(ニューパルサバーン)
マリンの愛機を魔改造した機体。その際に原型機より二回りほど大型化している(改造前はバルディプライズの甲板に乗るほどの大きさだった模様)。この形態でも単独での亜空間突入が可能で、亜空間ビームも使用可能。バルディオスの上半身に変形。
バルディプライズ
玩具では『原子力空母』と名付けられた、宇宙空母っぽい機体(元は海上用の機体だったらしい)。パイロットはオリバー。この機体のみコックピット内が広く、複数のシートが設置されている。パルサバーン(改造前)を搭載できる大きさだった模様。改造前は小型の戦闘機を甲板から発進させることが可能だったらしい。ミサイルやビームキャノンで武装している。バルディオスの右脚に変形する。
キャタレンジャー
地上用のマシンだが飛行も可能。武装もミサイルやキャノンといった戦車らしいものとなっている。メインパイロットは雷太。試験的にパイロットサポートシステム(上記のサイコ・コントロールのひな型か)を採用しているため、操縦方法は簡単とされる。バルディオスの左脚になる。
以上の2機は非変形だった機体を改造したものであり、改造当初は単独での亜空間突入ができなかったが、改造後は地球製亜空間エンジンに交換され、単独突入を可能としている。
ミニパルサバーン(ミニバーン)
地球製亜空間エンジンを搭載したマシン。改造前のパルサバーンよりさらに小型の機体だが、単独での亜空間突入を可能とした。武装は亜空間ビーム(シャワー)のみだが戦闘能力はかなりのもの。試作機に月影博士が搭乗、メルトダウン寸前だった核物質もろともスピリットガットラーに突入して消滅した。
スペック
全長:100m
重量:900t
速度:大気圏内ではマッハ25、宇宙空間では光速の30%での飛行が可能だが亜空間航法により超光速での恒星間航行も可能。
武装
劇中で活躍した主要武器のみ記載。
パルサーベル
胸部分から取り出すバルディオスの主要武器の一つ。刀の鐔部分を移動する事で剣・槍2つのモードに切り替わる。また、槍モードの時は柄になる部分が伸縮しジャベリンとしての使用を可能とする。後にバルディオスが強化された際二本収納できるスペースを確保したため二刀流が可能となり、握りの末端部分で合体させての「パルサーベル・ドリンギング」という攻撃が使えるようになる。
一部の雑誌には『バルサーベル』と間違って呼称されたとか。
ショルダーキャノン
バルディオスの両肩に内蔵された大型キャノン砲。単純な破壊力は高いが可動する肩アーマーに装備されているため命中精度が低い。そのため、中~近距離での使用がほとんどである。
バルディクラスター
腰部分から射出される鎖分銅型武器。主に拘束する際に使用。
バルディカッター
脛部分から発射されるブーメラン状の武器。
亜空間ビーム(バルビーム)
全身のエネルギーを頭部に集め額から発射されるビームでかなりの命中精度を誇る。牽引ビーム『亜空間シャワー』もそこから放出される。
サンダーフラッシュ
全身のエネルギーを胸部に集中させ発射する超高熱のプラズマビーム。パルサーベルにエネルギーを纏わせるバージョンも存在する。エネルギー消費量は亜空間ビームよりも大きい。
バルディミサイル
キャタレンジャー・バルディプライズの時の機体側面のミサイルポッドになる足の側面から発射されるミサイル。合体前でも使用可能。
3Dバルディ
亜空間飛行を応用した高速移動による分身で敵を翻弄させる。
ベストリンガー
全身の周囲にエネルギーバリアを発生させて体当たりをする。これの強化版がバルディロイザーである。バルディオス強化後から使用可能に。
バルディロイザー
テレビシリーズでは使われなかった捨て身の特攻技。全身からエネルギーを放出させ文字通りの火の玉となる技で第2段階では強制チャージオフで敵をバラバラに引き裂く。強制分離する負担は大きく機体にかなりの負担がかかるため、使用後は十分なメンテナンスを必要とする諸刃の剣といえる技。スパロボで映像化されたがなんかやけにガチホモ臭い演出が一部で話題になった。
その他
本作で使用された「チャージアップ」や「サンダーフラッシュ」は後に勇者シリーズにおいて必殺技のネーミングとして使用されている。(エクスカイザー「サンダーフラッシュ」ファイバード「チャージアップ」)
英文表記は「BALDIOUS」。なお「bald」には「禿」「草木の生えていない」「摩耗した」などの意味がある。(iousは接尾辞)
一説にはバルディエルを語源としているとのこと。
立体物
放送当時に発売された合体を再現した『戦闘合体トリプルクロス』とスタンダード合金などが今は亡き野村トーイから発売。
野村からは合体可能なプラモデルも発売されたが変形できるのはパルサバーンのみ、その金型をバンダイが買い取り劇場版上映時に一部改修して発売。その際に変形をオミットし代わりに非変形のミニマシン3機を新規で作り起した。小サイズのキットも新規で発売、少ないパーツ数ながらもプロポーションが良く、バルディミサイルまで再現されている。
21世紀に入り、2008年にシーエムズコーポレーションから『BRAVE合金』ブランドで変形合体可能な合金モデルが発売、劇中とは異なる解釈ながらも合体可能なモデルが放送当時以来の発売となった。
2021年に合体可能なプラモデルがグッドスマイルカンパニーから発売、こちらはより原作に近い合体パターンを再現しており、関節可動範囲も広い。武装も一部ながらも再現している。隠しギミックとして劇場版に登場したバルディプライズとキャタレンジャーの合体形態も再現可能。
このほかにもYUJIN(現タカラトミーアーツ)からカプセルトイがほかの葦プロロボ作品と共に発売されている。
関連タグ
ゴッドシグマ:1機が上半身に、残りの2機が脚部に変形する同じ合体システムを持つ。ただしそちらは合体後左右非対称のデザインとなる。