概要
マリン・レイガンがS-1星を脱出する時に乗って来たパルサバーンを強化改造し、同じく改造したバルディプライズ・キャタレンジャーと合体する事で誕生する巨大ロボット。パルサバーンからもたらされた亜空間エンジンによって駆動し、そこから出力される膨大な亜空間エネルギー(パルサービーム)を用いることで亜空間突入を可能とした。その理由により地球側でアルデバロン軍に対抗できる唯一の戦力となっている。
メインパイロットはマリン、サブパイロットとしてジャック・オリバー、北斗雷太が同乗する。最終決戦時にはジェミーとクインシュタインを加えた5人で集合コクピット(おそらく複座があるバルディプライズのコクピット)に搭乗、アルデバロン本拠地に乗り込んでいる。
操縦には複雑な設定と手動での微調整が必要となるため、亜空間航行技術に長けたマリンがメインパイロットに選ばれている。劇場版でマリンが一時戦線離脱した際にデビット・ウェインがパルサバーンに乗り込んでいるが、乗りこなせなかったのかチャージアップに失敗している。その教訓がコントロールシステムの改善につながることとなった。
余談だが、第2ブルーフィクサー基地で完全新規の2号機が開発されている。3機のうちバルディプライズとキャタレンジャーが完成していたが、第2基地共々破壊されバルディオス2号機は実現されなかった。
パワーアップ
24話の中破の際、バルディオスのパワーアップが実施された。パワーアップ計画の内容は、バルディオスの武装強化と亜空間エンジン及びパルサービームの出力強化、亜空間滞在時間の延長(改造前は5分だったのがおよそ10分に延長)と亜空間突入離脱の時間短縮、各マシンの防御力などの全体的な性能の底上げである。
それに対応するためメインパイロットの操縦方式をサイコ・コントロールシステムに変更、思考コントロールのみでの操縦や武器管理を可能とした(マリンの代わりにジェミーが操縦することになった際にそれが活かされている)。が、マリンがその操縦方法になじめなかったのか、初出撃以降は操縦桿を持つ仕様に戻され、それ以降は副次的なサポートとして使用されるのみとなった。
合体構成マシン
パルサバーン(ニューパルサバーン)
マリンの愛機を魔改造した機体。その際に原型機より二回りほど大型化している(改造前はバルディプライズの甲板に乗るほどの大きさだった模様)。この形態でも単独での亜空間突入が可能で、亜空間ビームも使用可能。バルディオスの上半身に変形。
バルディプライズ
玩具では『原子力空母』と名付けられた、宇宙空母っぽい機体(元は海上用の機体だったらしい)。パイロットはオリバー。この機体のみコックピット内が広く、複数のシートが設置されている。パルサバーン(改造前)を搭載できる大きさだった模様。改造前は小型の戦闘機を甲板から発進させることが可能だったらしい。ミサイルやビームキャノンで武装している。バルディオスの右脚に変形する。
キャタレンジャー
地上用のマシンだが飛行も可能。武装もミサイルやキャノンといった戦車らしいものとなっている。メインパイロットは雷太。試験的にパイロットサポートシステム(上記のサイコ・コントロールのひな型)を採用しているため、操縦方法は簡単とされる。バルディオスの左脚になる。
以上の2機は非変形だった機体を改造したものであり、改造当初は単独での亜空間突入ができなかったが、改造後は地球製亜空間エンジンに交換され、単独突入を可能としている。
ミニパルサバーン(ミニバーン)
地球製亜空間エンジンを搭載したマシン。改造前のパルサバーンよりさらに小型の機体だが、単独での亜空間突入を可能とした。武装は亜空間ビーム(シャワー)のみだが戦闘能力はかなりのもの。バルディオス背部に合体することでミニバーン側でのコントロールを可能とするなど地球製マシンの中でも高性能を誇る。
試作機に月影博士が搭乗、メルトダウン寸前だった核物質もろともスピリットガットラーに突入して消滅した。
スペック
全長:100m
重量:900t
速度:大気圏内ではマッハ25、宇宙空間では光速の30%での飛行が可能だが亜空間航法により超光速での恒星間航行も可能。
武装
劇中で活躍した主要武器のみ記載。
パルサーベル
胸部分から取り出すバルディオスの主要武器の一つ。刀の鐔部分を移動する事で剣・槍2つのモードに切り替わる。また、槍モードの時は柄になる部分が伸縮しジャベリンとしての使用を可能とする。後にバルディオスが強化された際二本収納できるスペースを確保したため二刀流が可能となり、握りの末端部分で合体させての「パルサーベル・ドリンギング」という攻撃が使えるようになる。
一部の雑誌には『バルサーベル』と間違って呼称されたとか。
ショルダーキャノン
バルディオスの両肩に内蔵された大型キャノン砲。単純な破壊力は高いが可動する肩アーマーに装備されているため命中精度が低い。そのため、中~近距離での使用がほとんどである。
バルディクラスター
腰部分から射出される鎖分銅型武器。主に拘束する際に使用。
バルディカッター
脛部分から発射されるブーメラン状の武器。
亜空間ビーム(バルビーム)
全身のエネルギーを頭部に集め額から発射されるビームで高い命中精度を誇る。牽引ビーム『亜空間シャワー』もそこから放出される。
サンダーフラッシュ
全身のエネルギーを胸部に集中させ発射する超高熱のプラズマビーム。パルサーベルにエネルギーを纏わせるバージョンも存在する。威力が高い反面エネルギー消費量は亜空間ビームよりも大きい。
バルディミサイル
キャタレンジャー・バルディプライズの時の機体側面のミサイルポッドになる足の側面から発射されるミサイル。合体前でも使用可能。
3Dバルディ
亜空間飛行を応用した高速移動による分身で敵を翻弄させる。バルディオス強化後に使用可能となった。
ベストリンガー
全身の周囲にエネルギーバリアを発生させて体当たりをする。これの強化版がバルディロイザーである。強化後から使用可能に。
バルディロイザー
テレビシリーズでは使われなかった捨て身の特攻技。全身からエネルギーを放出させ文字通りの火の玉となる技で第2段階では強制チャージオフで敵をバラバラに引き裂く。強制分離する負担は大きく機体にかなりのダメージが残るため、使用後は十分なメンテナンスを必要とする諸刃の剣といえる技。スパロボで映像化されたがなんかやけにガチホモ臭い演出が一部で話題になった。
バーストソーサ
設定のみに存在する外付けの大型銃火器。内蔵火器のエネルギー消費による出力低下を補うために追加武装として提案された。内部に亜空間エンジンを内蔵し、バルディオス本体のエンジンとシンクロしパルサービームを増幅、サンダーフラッシュをも上回る高プラズマエネルギー弾を発射することが可能となった。
形状・装備方法が同時期に登場したとある武器に類似していることもあるのか、本編で使用されずに終わった。
その他
本作で使用された「チャージアップ」や「サンダーフラッシュ」は後に勇者シリーズにおいて必殺技のネーミングとして使用されている。(エクスカイザー「サンダーフラッシュ」ファイバード「チャージアップ」)
英文表記は「BALDIOUS」。なお「bald」には「禿」「草木の生えていない」「摩耗した」などの意味がある。(iousは接尾辞)
一説にはバルディエル(Bardiel)を語源としているとのこと。
立体物
放送当時に発売された合体を再現した『戦闘合体トリプルクロス』とスタンダード合金などが今は亡き野村トーイから発売。
野村からは合体可能なプラモデルも発売されたが変形できるのはパルサバーンのみ、その金型をバンダイが買い取り劇場版上映時に一部改修して発売。その際に変形をオミットし代わりに非変形のミニマシン3機を新規で作り起した。小サイズのキットも新規で発売、少ないパーツ数ながらもプロポーションが良く、バルディミサイルまで再現されている。
21世紀に入り、2008年にシーエムズコーポレーションから『BRAVE合金』ブランドで変形合体可能な合金モデルが発売、劇中とは異なる解釈ながらも合体可能なモデルが放送当時以来の発売となった。
2021年に合体可能なプラモデルがグッドスマイルカンパニーから発売、こちらはより原作に近い合体パターンを再現しており、関節可動範囲も広い。武装も一部ながらも再現している。隠しギミックとして劇場版に登場したバルディプライズとキャタレンジャーの合体形態も再現可能(立体物としては初)。
このほかにもYUJIN(現タカラトミーアーツ)からカプセルトイがほかの葦プロロボ作品と共に発売されている。
関連タグ
ゴッドシグマ:1機が上半身に、残りの2機が脚部に変形する同じ合体システムを持つ。ただしそちらは合体後左右非対称のデザインとなる。