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グラマン中将の編集履歴

2021-06-19 11:27:20 バージョン

グラマン中将

ぐらまんちゅうじょう

『鋼の錬金術師』に登場するキャラクター。

概要

CV納谷六朗(FA)/塚田正昭(03年版)


アメストリス軍東方司令部司令官。

階級は中将で、ロイ・マスタング大佐が東方司令部に在籍していた頃の直属の上司。


周囲からは「変人」として名高い人物で、女好きで怠け者だが気前が良く何処か憎めない好々爺の老人である。しかし、それらはあくまで対外的な表向きの姿に過ぎず、その本質は謀略に長けた策士そのもの。マスタングに策謀を教えた師匠でもあり、マスタングの「女好きの遊び人」という表向きの姿は、彼からの指導で彼に倣って作り上げた対外へ向けたキャラクター像である。

情報網においてもマスタングの更に上を行っており、東部に在していながら現在の中央の状況を熟知している。さらにイシュヴァール帰りの屈強な兵士で構成された直属の部隊を抱えている。


かつては彼も中央司令部に在籍しており、マスタング同様に軍の頂点に立とうと目論んでいた野心家だったが、ホムンクルスの仲間に引き込もうとしたレイヴン中将からの「不老不死に興味はないか?」という誘いを、「不死など下らん」と一蹴した為に、田舎の東方司令部にまで左遷されてしまい、出世街道から外れたという経緯を持つ(彼に限らず、ホムンクルスの計画に同調しなさそうな改革派は悉く地方に飛ばされている)。ただし、それでも野心を忘れた訳ではなく、虎視眈々と起死回生の機会を狙っており、中央の動向に常に警戒しつつ自らが動き出すタイミングを見計らっていた。


自分と似たところがあるマスタングの事を気に入ると同時に、同志としても信頼しており、彼が東方司令部に在籍した際には重用し、策謀について様々な指南や助言を行い彼を現在の策士に育て上げた他、嘘か本気か「孫娘を嫁に…」とまで発言している。その一方で、前述の野望の為であるならば、例え愛弟子である彼であっても見捨てる(尚且つ保身の為に利用する)と、はっきりと宣言もするなど狡猾な一面も見せている。ただし、これについてはマスタングも承知の上で、かつマスタングの方も場合によっては彼を利用するつもりでいたらしく、どちらかが倒れてもどちらかが大総統の座につければ良いと考えていた模様(実際に、最終的にマスタングが彼に大総統の座を譲った際にも、「彼になら任せても大丈夫だ」と発言している)。


その野心の根底にあるのは、マスタングと同じくブラッドレイ率いる現在の軍事国家アメストリスへの疑問や不信と、国をより良い方向に改革したいという想いである。決して権力欲から地位を求めている訳ではなく、マスタングとはただの策謀の師や同志を超えて、ある意味もう一人のマスタングとすら言えるような人物である(案外マスタングが順当に歳を重ねれば、こんな人物になるのかも知れない)。


名前の元ネタはアメリカの航空機メーカー「グラマン(現ノースロップ・グラマン)社」から。


作中での活躍

中央司令部へ転勤となったマスタングから、東方司令部内の部下数名を同行させたいと要望されて快く承諾する。また、この時に普段両者が興じていたチェス盤セットも「餞別」として贈った。


以降は長らく登場する事はなかったが、大総統であるキング・ブラッドレイ(及びホムンクルスの息のかかった軍上層部)からの圧力により、信頼できる腹心の部下達と引き剥がされた上に、軍内での行動に制限が付くなど窮地に追いやられたマスタングは、予めチェスの駒に収められた暗号でグラマンに秘密裏に連絡し、殉職したヒューズ中佐(特進により准将)の墓前で密会する。この時には、老婦人に扮して現れてマスタングを驚かせている(変装のクオリティは普通に高く、一見すると本当に老婦人にしか見えず、マスタングすら最初はグラマンだと気付かなかった)。


マスタングからの要請を受けると共に、長年の野望が再燃したグラマンは、時が来たら東方司令部でクーデターを引き起こす事を約束する。ただし、もしマスタングが志半ばで失敗するような事があれば、彼を悪人に仕立て上げて自身が軍の掌握に乗り出す事も宣言し、マスタングもそれを承諾する。


そして「約束の日」の直前に、北方司令部との合同演習を開催し、不審に思ったブラッドレイを東部へ誘き出す(ただし、ブラッドレイが直接演習場にまで来たのは想定外だった模様)。更に自分達を怪しむハクロ少将がブラッドレイに密告する事まで見据えて、敢えて彼が「グラマン中将たちは囮で、本当の狙いは手薄となった中央司令部」だと進言するように仕向ける。結果ブラッドレイは、早急に中央へ戻ろうと列車を利用するが、鉄橋の爆破により彼らの乗る列車を谷底へ落下させた(実行したのは彼が囲っていた、イシュヴァ―ル時代のマスタングの元部下達である)。


しかし、寸での所でブラッドレイは脱出しており、アームストロング少将率いるブリッグズ軍が占拠した中央司令部に到達する。更にはお父様の発動した国土錬成陣により、他の国民や兵士達共々一時的に絶命するが、ホーエンハイムが事前に行っていた錬成陣潰しによる失敗で、他の国民や兵士達と同じく無事に息を吹き返した。


ブラッドレイを含めたホムンクルス達が全滅し、彼等の計画が阻止された後は、国内の一連のクーデターは、全て大総統の地位を狙う軍上層部の者達(ホムンクルスの協力者達)が起こしたものと偽装し、ブラッドレイとその義息セリムは、暴動内で命を落としたというシナリオを公表した。

ホムンクルスに協力していた殆どの上層部の将校達が、騒乱の中で死ぬか事件後には罪人として捕縛され、マスタングも(イシュヴァール復興の為に)身を引いた結果、空位となった大総統の座に見事に収まり、遂に長年の野望を成就させるに至った(そもそもマスタングは、この時点では大総統になるには年齢的に若すぎるという問題もあったのかも知れない)。


その後は、周辺国との対話や和平交渉を進め、イシュヴァ―ル復興政策を初めとした融和政策の方向に国家の舵をきっており、国を平和への道に導こうと意欲的に励んでいる。本人的にはまだまだ現役のつもりであるらしく、当面は若い世代に大総統の座を譲るつもりはないとの事(これについてはマスタング達に大総統の座を譲る前に、国の安定化と地盤固めの役割を請け負っているのかもしれない)。いずれはマスタングの構想通りに、「国家錬金術師制度」の廃止を含めた軍縮や、議会に政治的実権を返還する事で、アメストリスを議会制国家に戻す等の政策も実施していくつもりだと思われる(下記する2003年版アニメでは実際にそれを実施している)。


最終話では、ブラッドレイ夫人との談話をしつつ当時の出来事を振り返り、彼女が改めて養子として迎えたセリムの様子を見ながらその行く先について監視を続け、もしホムンクルスとしての記憶を取り戻して再び牙を剥くようなら容赦なく処刑すると釘を刺している。そしてそれに対して「私がそうはさせません」と返した夫人の返答に満足気に笑い、「人間とホムンクルスの共存」という新しい未来の可能性に「ワクワクする」と言いながら楽しそうに去っていった。


2003年版アニメ

本作でも同じ外見の同一人物が登場するが、クレジットでも名前は出ていない。


原作とは違って東方司令部に左遷はされておらず、中央司令部に勤務する将校であり、アメストリス軍上層部メンバーの一人である。その為にマスタングとの直接の関係はなく、当然ながら彼の策謀の師でもなければ、おそらくホークアイの親族でもない。ただし本作では、あくまでブラッドレイが個人的にホムンクルスとして軍を動かして暗躍していただけで、軍上層部自体はホムンクルスの事は何も知らず、当然ながら彼自身もブラッドレイの正体やホムンクルスの暗躍については何も知らなかった(第5研究所の件も、殆どブラッドレイとバスクらの独断である)。


作中では、マスタングへの軍上層部の査問会の席で初登場し、マスタングがブラッドレイ直属の秘書官(正体はホムンクルス・スロウス)を、軍への反逆を企む不穏分子であると明かした事に驚いていた(その話はブラッドレイに半ば遮られる形で打ち切られ、査問会は終了している)。


最終話で、ブラッドレイや彼を裏で操っていたダンテが倒された後に、原作同様に新たな大総統の座に就任する。自身が大総統に就任した後は、政治的実権を議会に返還してアメストリスを議会制国家に戻し、周辺国との対話や和平を通じた融和政策を押し進めている。原作でマスタングが構想していた国家の改革案を原作以上の速度で成し遂げた事になる(上記の通り原作では、議会への実権の返還までは、少なくとも作中の時点では成し遂げていない)。


立場こそ微妙に違うが、原作同様に現在のアメストリスの在り方に疑問を抱く改革派の人物であったらしく、最終的には大総統となって国を平和な方向に導こうと改革を進めるなど、物語上の役割や立ち位置は原作と殆ど変わらない。原作のように他の軍上層部のメンバーの多くが消えた訳でもないのに、ブラッドレイが死んだ後に次期大総統に選ばれた辺り、元々上層部内でも重要なポジションにいた模様。改革派の彼のような人物が中央の重要なポストにいた事からも、本作のブラッドレイ達ホムンクルスは原作ほど軍上層部を掌握・制御できてはいなかった事が伺える(実際に、留守の間の大総統代理をハクロ少将に任せていたくらいである)。


余談

公式ファンブック『パーフェクトガイドブック2』によると、グラマンはマスタングの副官であるホークアイ中尉の母方の祖父にあたり、前述のマスタングの嫁にと勧めていた孫娘とは、実はホークアイ中尉の事だったと思われる。同時にマスタングに錬金術を教えたホークアイ中尉の父親である為、つまりマスタングはホークアイ中尉の父親と祖父によって、現在の在り方に育て上げられたのである。


関連タグ

鋼の錬金術師 アメストリス

ロイ・マスタング リザ・ホークアイ


軍人 将校

階級:中将大総統

 

眼鏡 女装 チェス

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