原義
律令制下における国府の所在地で、以下の現行市町名についてもこれが由来となっている。
この他「朝廷における政治の実務を行う場所」、「国や地方の都・大都市の領域内」などを指す言葉としての意義も持つ。
府中市
2021年現在日本の地方自治制度上において同名の町村は多いが、市については府中市と伊達市(北海道と福島県)しかない。
また双方の発足以前に福島県と福岡県の「若松市」という同名の市の存在があり、こちらは現在会津若松市と北九州市(若松区)となっている。
一般的に市町村で最も都市機能が大きく全国での知名度も高くなる市の場合、市政化や合併などで新しい市名を決める際法令上の命名制限はないが、全く同音同語の市名が発生しないよう自主的に考慮する慣習や国からの呼びかけ存在する。
そのため通常は「東西南北中」や周辺の地域・旧国名を冠したものになる事が多い。
ところがこの両市は、市政施行日が同じ1954年の3月31日(広島県)と4月1日(東京都)のほぼ同時期で市名がかぶってしまったという事情が存在し、今日まで名称が変わることなく続いている。
ちなみにどちらの市にも府中駅が所在する。
広島県安芸郡府中町(ふちゅうちょう)
広島県南西部の内陸部に位置し、周辺自治体の合併の結果現在周りを全て広島市に囲まれている。
1889年に府中村として発足し、1937年に町政移行。
面積は約10.41km2で、人口は約5万人。
平安時代までには安芸国の国府が置かれ、以降多くの社寺や城が建設された。
昭和前期に現在のマツダの本社と自動車工場やキリンビールの工場(2010年に完全撤退)
が進出し、第二次世界大戦後の高度経済成長期も含めて工業都市化とベッドタウン化が著しく進んだ。
そのため広島県の市町村で最小の面積でありながらも人口が多く、人口密度も高い。
その他
番地の町名としての「府中町」は全国各地で広く見られる。