概要
裏風都を根城とする謎の組織「街」の裏切り者が「深い」の記憶を宿す「ディープメモリ」で変身する。
上半身にクラゲ状の水を纏ったダイバースーツのようなシンプルなもので、口部には鋭い針が装備されている。
肉体の分子構造を変えることで無機物を水の様にすり抜け、地面を海のように泳げる能力を有している。
一見、便利ながらもあまり強そうな能力ではないが、
- "地中活動"に適したメモリ・ガジェットを一切持っていないWやアクセル
- "裏風都には存在しない"地下空間へだけは直接干渉できない万灯達
の双陣営にとってはこの上なく厄介な相手であり、戦いを避け籠城されたら打つ手がない状態となっている。
加えて、身体を包む水を超高速で流動させる事により、触れた物体をウォーターカッターの如く削り取る事も可能。
戦闘ではそうなった水の一部を触手のように伸ばし、相手を寄せ付けずに攻撃する戦法を得意とする。
しかし、あくまでもすり抜けることができるのは無機物のみであり、ダブルのような生体装甲は透過できない。
そのため、地面に潜る時間を与えず無機物ではない攻撃を叩き込まれれば、為す術がないという弱点も少なからず存在している。
変身者
出紋大騎
自らを「世捨て人」・「芸術家(アーティスト)」と嘯く男性。一人称は「ボク」。61歳。大きく目を見開いた不気味な髭面の老人。かつては裏風都に所属していたが、現在はディープメモリの能力を応用した地下空間で悠々自適な生活を送っている。
趣味は絵画であり主に若い女性を中心に描いていた(若い女性ばかり描いていたのは若者に対するコンプレックスの裏返しだったのこと)
饒舌かつ飄々としており、誰に対しても不遜かつ見下した態度を隠そうとしない傲慢な人物。おまけにメモリを使用した女性にしか興奮しないと豪語するほどの常軌に逸したド変態であり、メモリを使用した(もしくは無理矢理させられた)女性を誘拐しては玩具のように弄び、用済みになれば始末していた。
実は財団Xの根幹企業の一つ『カイ・オペレーション』の社員であり、そのCEOでもある万灯雪侍とは上司と秘書という関係だった。
かつては年齢の割には待遇に恵まれておらずいわば窓際社員扱いだったのに加え重い病を患い余命いくばくも無かったが、その闇を万灯に見いだされ、長らく表でも裏でも彼を忠臣として支えていた。
そして適合したディープメモリによって病は完治したが、同時に奥底に深く沈めていた狂気が爆発してしまい、誰の言う事も聞かなくなって『街』から離反してしまう。またこのときの副作用か物事が忘れっぽくなっており覚える際に手の甲に書く癖がある。
流石の万灯も彼が裏切るとは予想していなかったようで、再開した時には珍しく不機嫌な態度を見せている。
その後は、予てより目をつけていたときめを誘拐し、自らの伴侶にするべく動き始め、わざわざ万灯や翔太郎の前に顔を出し勝利宣言と降伏勧告までするという余裕を見せつけた。
しかし、そんな増長した己の傲慢さと悪辣さが二人の怒りに火を着けることになる……。
深淵から打ち上げられしd(ネタバレ注意)
アジトである地下空間のビーチ内に仕込んでいたドーパントの適性を高める特殊な薬品を投与し、意識が朦朧とし始めたときめにガイアメモリを与えようとするも、所在を特定したフィリップに妨害されてしまう。
その後は戦闘に突入し、裏風都にいた時の知識とフィリップが潜入の際にエクストリームメモリを使用していたことから自身が優勢であることに変わりはないと確信するが、彼がファングトリガーに変身したことに動揺。
情報にない、未知の形態を目の当たりにしたことで意表を突かれ、投擲された銛が直撃したことで肉体の分子構造が麻痺してしまう。
無機物に潜ることもできなくなった彼に、ダブルはファングスクリュードルを放つも、薬品で正気を失ったときめが自分にすり寄ったことで得意げに勝利を確信した。
しかし、目の前の悪魔に好い加減我慢の限界が来ていた二人は『もう一つの牙』であるファングメタルへとメモリチェンジ。
ソウルサイドとボディサイドから鋭利な刃を生やしたダブルの決め台詞を向けられたディープは「あいにくボクは忘れっぽいから過去の罪など数えられない」と吐き捨てるも、強烈な飛び蹴りと頭突きを顔面に叩き込まれてしまう。
俊敏な動きと強靭な硬度を持つ牙の闘志の特性から、自身にとって最大の天敵であることを理解したことで逃走を図るも、今までの怒りをぶつけんばかりの獰猛さで襲い掛かるダブルに最初の余裕は完全に失ってしまう。
ときめを人質にし自決させようにも、予定通り天井に放ったファングスクリュードルの痕跡から場所の検討を着けたアクセルブースターも参戦。
二人の仮面ライダーによって半壊したアジトとときめ奪還されたことで「僕の女を返せっ」と癇癪を起こしたように喚き散らす彼に、再び怒りを滾らせたダブルは壁に叩きつける。
そもそもの話、ときめを誘拐した際に彼女のスタッグフォンを破壊するなり没収しておけば、居場所を突き止められることもなかった……結局のところ、彼の敗因は己の能力を過信していたことであり、その傲慢さが足を引っ張ってしまったのだ。
フィリップの指摘に図星を突かれたディープは逆上し、全身に触手を纏った回転攻撃で八つ裂きにしようとするも、呆気なく左足を掴まれてしまう。
そのままアクセルの作った天井の穴目掛けて高く蹴り飛ばされると、ダブルはマキシマムドライブ『ファングスピアバレット』を発動。腹部を貫かんばかりの攻撃に耐え切れるはずもなく、ディープ・ドーパントは絶叫と共に爆散・メモリブレイクされた。
余談
凄まじい狂気を持つ彼だが、かつての上司である万灯を見下し、翔太郎の熱い言動に嫌悪感を覚えていることから「若者へのコンプレックス」が奥底にあったのかもしれない。
関連タグ
ヤム:女神転生シリーズに登場するモノに限定されるが、近似した外見の持ち主。
オアシス(ジョジョの奇妙な冒険):能力がほぼ同じだが地面に潜る原理が異なる。
セニョール・ピンク、モモン:同じく地中遊泳できる能力者にして変態つながり。しかし両方とも出紋とは違い身内の女性を大切にした好漢である。特に後者は出紋と同じ病弱ではないが精神的な脆さが見られたもののパートナーの喝を入れられ、仲間たちの支えもあって克服した。そういった意味ではモモンの仲間にも恵まれず、内面の卑屈さが増長し、今より悪質な犯罪に手を染めたIFとも言える。