概要
地獄の20の軍団を率いる偉大なる君主。『ゴエティア』では55番目、『悪魔の偽王国』では58番目に記載される。
まず馬の姿をとって出現し、召喚者の命令で人間の姿をとる。彼の職能は過去・現在・未来の全てのものを見い出す事にある。
このほか召喚者に威厳と立場を与え、敵と味方からの好意を得させる。このほか神的なる事柄と天地創造についての問いに答えるという。
オロバスは召喚者に忠実な悪魔であるといい、彼を苦しめたり、他の精霊から誘惑されることもないという。
コラン・ド・プランシー著『地獄の辞典』第六版では直立した馬のような(ただし前脚にあたる両腕には五本指がついていて胸板はヒトのようである)姿の挿絵が追加され、公正の作品でも参照されるようになった。
「ラッド博士のゴエティア」によると、彼に対抗する天使の名はメハイヤ(Mehaiah)。
女神転生シリーズのオロバス
初出作品はFC『女神転生Ⅱ』で、種族は“妖獣”、ギリシャ神話の海馬(ヒッポカムポス)のようなデザインだった。新宿周辺に出現するEVIL属性の悪魔で、スキルこそ所持していないものの一度に8体出現、HPが高く剣攻撃に耐性があることからかなりの強敵である。
後の『真・女神転生』では堕天使種族の悪魔として登場。デザインも上記の「地獄の辞典」寄りの二足歩行の赤い体色の馬になり、以後のシリーズも一貫して同じである。
シリーズを通して登場率はすこぶる高いものの物語に絡むような目立った活躍は特に無い。強いて挙げれば、初3Dデザイン化作品である『デジタルデビルサーガ2』の捕虜収容所施設・司令室前で交戦する変身悪魔がオロバスのカルマ協会警備部兵士(本名:チャーリー)が、戦闘前のシーンで同僚と『馬が合うな』とジョークを飛ばす場面ぐらいである。
pixivにおいては、金子一馬氏のオロバスの原画の“両手を広げて飛び上がったポーズ”を採り上げた作品が主に扱われている。ちなみにこのダイナミックかつ異様に目を引く躍動感のある姿だが、実は『地獄の辞典』の挿絵もだいたい同じポーズだったりする。
なお、3Dデザインのオロバスがこのポーズを実際に取るのは一部の作品(DDSAT2、ペルソナ3等)の魔法使用時ぐらいである。