曖昧さ回避
概要
日本語媒体においてVapulaは「ウァプラ」とも音写される。
『ゴエティア』では60番目、『悪魔の偽王国』では59番目に記載される悪魔。36の軍団を率いる公爵。
『ゴエティア』では爵位の箇所で偉大(great)、強壮(mighty)、強い(strong)と三つの形容詞があてられている。『悪魔の偽王国』では「強壮」にあたる語がない。
アレイスター・クロウリーとマクレガー・メイザース版『ソロモンの小さな鍵』ではナフラ(Naphula)の異名が記される。
グリフォンの翼を生やしたライオンの姿で出現する悪魔。ひとに対し、手工業と哲学、他の学問(『悪魔の偽王国』では「書物に含まれた学問」)に通じさせる、という職能を持つ。
アーサー・E・ウェイト編『儀式魔術の書』では編者ウェイトの意見として「私は秘密の学問(secret sciences)とは区別されたものだと思う」と書かれている。彼は表の世界で出回っている諸学問と推測しているようだ。
手工業の箇所は『悪魔の偽王国』だとmechanicisという力学や機械学の意味を持つ語となっている。
ヨーハン・ヴァイヤー(1515年~1588年)が『悪魔の偽王国』を書いたのは1577年であるが、1510年頃にニュルンベルクの錠前職人ピーター・ヘンラインがゼンマイ仕掛けの携帯用時計を開発する等、彼が生きたのは「からくり」から機械への進歩への途上期にある時代であった。ヴァイヤーが活動したライントラントはニュルンベルクと同じくドイツの地名であり、生前の彼もヘンラインの発明を知っていた可能性がある。
ヴァプラが機械学を教え得る可能性もワンチャンあるのかもしれない。
「ラッド博士のゴエティア」によると、彼に対抗する天使の名はミツラエル(Mitzrael)。
悪魔城ドラキュラシリーズでは
ギャラリーオブラビリンスにグラシャラボラスの上位系雑魚敵として「ヴァピュラ」という名称で登場。外見は概要と大体同じで猛禽類の翼が生えた雄のライオン。・・・なのだが、血の気がないような色をしている。移動は本作の下位系雑魚敵の「グラシャラボラス」同様にジャンプして移動するが、攻撃は文字の様なもの(呪い属性)を波状に放ってくる。倒すと「ガゥァ」と悲しそうなうなり声をあげ、文字となって蒸発するように消えていく。
マジカロスでは
コールドブレス社運営の箱庭風オンラインゲームMagicalossでは、古代魔法都市ロストミサスの最奥部付近に出現する巨大なボスとして登場する。
デザインはかなり『ゴエティア』の正統派なヴァプラに近い。
また、パーティーレベルにより自室でも出現するが、画面端からデカいのがヌッと出てくるため、初遭遇時はめちゃくちゃ心臓に悪いことでも有名。
戦闘時は恐ろしく強い上、翼弾の魔法による初見殺しを兼ね備えた攻防一体の魔物のため、攻撃を封じる凍結魔法などが必須となる。
(討伐するとヴァプラの翼や、ごく稀にゾイサイトのかけらなどを落とす。
威嚇する獅子の姿を模ったヴァプラの像の家具が作れるため、倒したらぜひ集めておこう。)
関連タグ
グリフォンの翼つながり:マルコシアス ザガン ハーゲンティ フォカロル グラシャラボラス
こちらも翼を持つライオンの悪魔。
欲望を糧にして生きるという。