概要
メタルヒーローシリーズ第15作目の作品。
前作『重甲ビーファイター』の世界観を引き継いだ続編である。
1996年3月3日~1997年2月16日までテレビ朝日系列にて全50話を放送。
好評だった『ビーファイター』の「デザインのモチーフは昆虫」「主人公チームは3人で戦う」という基本を受け継ぐ一方、正義と悪の昆虫戦士軍団の戦いや巨大ロボットの登場など新しいイベントも盛り込まれた。特に中盤での先輩ビーファイター達との共闘はファンを大いに喜ばせた。
しかし商業的には不振で、中盤以降のストーリーは迷走気味になってしまった。前作ほどの人気は得られず、東映やバンダイの方針変更もあり、メタルヒーローシリーズの事実上の最終作となった。
あらすじ
地球侵略を企んだ異次元侵略軍団ジャマールはビーファイターの活躍によって壊滅、地球は平和を取り戻した。
しかし5年後、新たな悪の軍団メルザード一族が2億年の眠りから目覚め、地球侵略を開始する。
地球上に生きる命を守るため、今また新たな3人のビーファイターが誕生したのだった。
キャラクター
ビーファイター
本作の主役である3人のビーファイター。
- 鳥羽甲平/ビーファイターカブト(演:中里栄臣)
本作の主人公であり、普段は高校生。
両親がアメリカに赴任しており、妹と二人で暮らしている。
運動神経がずば抜けて高く、色んなクラブから助っ人として頼られている。
性格はお調子者でありまだまだ未熟な面もあるが、地球や人間を心から愛している。
カブトムシの力を宿した黒ベース・金色のアーマーを身に纏って戦う。
- 橘健吾/ビーファイタークワガー(演:安達直人)
チームの中では最年長であり、参謀格。
普段は物静かで冷静沈着な性格をしているが、空手の達人であるという意外な一面も。
元は自分こそがカブトのアーマーを纏う資格者であると信じていたが・・・
クワガタムシの力を宿した黒ベース・銀色のアーマーを身に纏って戦う。
アトラク用・着ぐるみ頭部がヤフオク!に出品されたことがある。
- 鮎川蘭/ビーファイターテントウ(演:栗栖ゆきな)
チームの紅一点であり、天才プログラマー。
少し気が強く、オフの時はゲームセンターに通っており、ゲームの腕は誰にも負けないほど。
実家は老舗の温泉旅館であり、母親がその女将なのだが、娘に後を継がせて伝統を守ることに固執する母親に嫌気が差して反発。継ぐことが嫌になって、かねてからの夢だったプログラマーになるべく実家を飛び出している。
テントウムシの力を宿した黒ベース・紫色のアーマーを身に纏って戦う。
テントウのモチーフはテントウでもハナムグリでもなく、蘭自身のような感じがする。
新ビーファイター
昆虫パワーの結晶体インセクトメダルの力を得た4人のビーファイター。
- マック・ウィンディ/ビーファイターヤンマ(演:ルーベン・ラングダン、吹き替え:遠近孝一)
アメリカ人の高校生であり、アメリカ版甲平と呼ばれるほど性格や得意分野が似ている。
寿司が大好物であり、来日の際は回転寿司屋に行くのが恒例。
美人に弱く、すぐ声をかける癖も持っており、この癖をムカデリンガーに付け込まれ、危機に陥ったことがある。
遠近孝一氏による吹き替えは一部シーンのみ。
トンボの力を宿した水色のアーマーを身に纏って戦う。
複眼が左右でつながっている点は残念。
ペルー人であり、南米アンデスの考古学者。
自然と歴史を愛する心優しい青年であり、地元の文化を世界中の人に知ってもらうことが夢。
演じた高岩成二氏はゲンジとヤンマのスーツアクターを兼務しており、現在は平成仮面ライダーのスーツアクターとしておなじみだが、顔出しで出演することは少ない(ただ、高岩氏は元々俳優志望である)。
ホタルの力を宿した黒と赤のアーマーを身に纏って戦う。
『風都探偵』では「鷹岩降雄」の名前でまさかの登場を果たす。こちらでは中の人ネタで身体能力が高いという設定になっている。
中国人の教師であり、元はシェフだったので料理の腕もピカイチ。
大の子供好きであり、手品を見せて子供たちを笑顔にするのが趣味である。
戦いを嫌っていたが、自分が選ばれた意味、そしてメルザード一族を滅ぼす事こそが戦いを失くす道であると見出してからは戦士として戦っている。
セミの力を宿した橙色のアーマーを身に纏って戦う。
フランス人の天才バイオリニストであり、新戦士唯一の女性。
日本でもコンサートを開催するほどバイオリンの演奏が上手く、その音色が大甲神カブテリオス覚醒へと繋がることに。
勝ち気かつお調子者な一面もあるが、戦いの中で一人前の戦士として成長していった。
チョウの力を宿した黄色のアーマーを身に纏って戦う。
メルザード一族
2億年の眠りから目覚め、地球の全生命を抹殺すべく、地上の侵略を開始した悪の超軍団。
詳しくは上記リンクを参照。
新ビーファイターの装備
- コマンドボイサー
初期メンバーの変身アイテム。インプットカードを差し込んで「超重甲!」の掛け声で変身者の体をネオインセクトアーマーで覆う。ネオビートマシンの発進もこれで行う。
- インセクトコマンダー
追加メンバーが使用する変身アイテム。インプットカードを差し込んで「超重甲!」の掛け声で変身者の体をネオインセクトアーマーで覆う。
玩具にはアゲハ用シールが付属しなかった。
- インプットカードガン
インプットカードを装填して様々な効果を発揮するビームガン。
IC-01でビーム、IC-02でファイヤービーム、IC-03でジャミングビーム、IC-04でニードルレーザー、IC-05でセメントビーム、IC-06でコールドレーザー、IC-07でトルネードシャワーを放つ。
- カブトランサー
カブト専用のフィニッシュウェポンである槍。
必殺技は金色のエネルギーを結集して斬りあげる「ライナーブラスト」と、ロードカブト搭乗時に行う突進攻撃「キャバリアーランサー」の二種類がある。
漫画では武器名をそのまま叫ぶことが多かった。
- クワガーチョッパー
クワガーの使う刃先がハサミになった槍。
必殺技はエネルギーを集めて標的に振り下ろす「グラビティクラッシュ」。
ちゃんと商品化されている。
- テントウスピアー
テントウの使う四つ又の槍。
斜め上に二回連続で斬りあげる「クロスウェイスライサー」が必殺技。
スピアーライフルという、無茶すぎる小技がある。
- トンボウガン
ヤンマの使うビートアームズで、トンボ?型のクロスボウ。
後端をインプットカードガンの銃口と連結させてパワーアップさせることが出来る。
カブトに受け継がれた。
- ブライトポインター
ゲンジの使うビートアームズで、蛍型のパラライザー。
目くらましや治療用の閃光を放つ。インプットカードガンの上部に接続させてパワーアップさせることが出来る。
テントウに受け継がれた。
- セミッションマガジン
ミンの使うビートアームズでセミ型のマガジン。
「ネイチャーエナジーカード」と呼ばれる火、水、光、雷、嵐、土の6属性のエネルギーを秘めたカードが内蔵されており、インプットカードガンの後端に接続させることでそれぞれの属性に応じた弾を放つことが出来る。
クワガーに受け継がれた。
- インプットライフル
インプットカードガンに全てのビートアームズが合体した必殺ライフル。
カブトが使用すると「カブトニックバスター」、クワガーが使用すると「クワガティックバスター」という必殺技が放たれる。
- ライトニングキャノン
ゲンジが右腕に装着したキャノン砲。高火力弾の他、照明弾を撃ち出す。
- リンガーソード
ミンが装備している二刀流の剣。セミの如く高速で振動して敵を切り裂く。
- ブルームキャノン
インプットカードガンの3倍の威力を持つキャノン砲でアゲハの武器。
フルパワーで放つと砲門が花びらのように展開して「マキシムブラスト」が発動する。
ビートルボーグ・メタリックスではこれ以外の武器が無いことから、カードガンを
テントウのホルスターから黙って抜くという描写があったそうな。
- 甲神封印剣アストラルセイバー
大甲神カブテリオスを参照。
- 魔性の斧ガイストアックス
邪甲神クワガタイタンを参照。ブラックターボ同様、つるはしである。
- ロードビートル
初期メンバーの乗るスーパーバイクで、ロードカブト(カブト機)、ロードクワガー(クワガー機)、ロードテントウ(テントウ機)の3機が存在している他、プロトタイプであるオサナイオーSが存在している。
玩具では、カーレンジャーやシグナルマンも乗れる。
- ネオビートマシン
先代ビーファイターのビートマシンを参考に開発された巨大マシン。
カブトムシ型の六輪駆動戦車カブトロン、クワガタ型の戦車クワガタンク、ジャイロプレーン型のステルスジャイロの三機が存在している。
やはりジャイロのみモチーフが不明瞭で、羽まで含めて何かの羽虫なのか、
天道虫がウイングヨク同様、飛行のためだけにプロペラを生やしてるのかは不明。
最終決戦の直前、キルマンティスとビーザックの自爆によって全機失われてしまった。
余談
- 本作は当時の世情があって前作から変更されたところがある。
・老師グル⇒老師
オウム真理教の合言葉に『グル』という単語が使われていたため伏せられた。そのため、前作で共に戦ってきた拓也たちからも『老師』としか呼ばれていない。
・異次元調達屋カブト⇒白いカブト
主人公のカブトと名前が被るため、最終回のみしか登場しない。
- 本作の次回作は、コメディ路線の『ビーロボカブタック』だが別の案として続編の「シーファイター」が企画されていた。その伏線としてか、前作で宇宙に飛ばされたシュヴァルツが一切本編に絡まなかった。
- 第7話から、同時期に放映された『激走戦隊カーレンジャー』と共にネガテレシネ(ファイン・ネガ・ビデオシステム)、D-2デジタルVTRによる納品となった。それと同時にオープニング・エンディング・予告のみ、シリーズ初のステレオ放送となった。ビデオソフト版にもそのD-2デジタルVTRマスターが原版として使用されているが、後年リリースされたDVDでは全話フィルム原版からのリマスターが使用されている。
- オープニング曲は、前作や『仮面ライダーBLACK』同様、阿木燿子と宇崎竜童のタッグで製作された。また、いきなり歌いだしで「こそあど」言葉が使用されているのも特徴。
関連タグ
重甲ビーファイター→ビーファイターカブト→ビーロボカブタック
ビートルボーグ(ビートルボーグ・メタリックス):アメリカでのリメイク版。パワーレンジャーシリーズの派生作品扱い。