演:高岩成二
概要
ビーファイターゲンジの変身者。
コスモアカデミア南米支部所属のペルー人で、南米アンデスの考古学者。
自然と歴史を愛する心優しい青年で、地元の文化を世界中の人に知ってもらうことが夢である。日本語が堪能だが、「○○を」、「○○が」などの格助詞が抜けた話し方をすることが多い。ケーナという楽器を持ち歩いており、「コンドルは飛んでいく」が十八番。
劇中での活躍
最強武器・インプットライフルを形成するビートアームズの1つ、ブライトポインター(以下、ポインター)をビーファイターテントウに渡すために来日。ビークラッシャーのキルマンティスと戦うビーファイターカブト達3人のピンチにゲンジに超重甲した姿で現れ、マックスフラッシャーとライトニングキャノンを浴びせて敵を撤退させる。
この戦闘で深刻なダメージを負ったカブトとクワガーのアーマーを修復するためテントウ/鮎川蘭にポインターを渡し、アーマーの自己治癒能力を高める光線・メンテナンスレイを使うよう促す。しかし"自然と科学の力が調和するビーファイター"でありながら、機械の力を過信しているせいでポインターを起動できず、アーマーからプラグを取り出して分析しようとするテントウを見て、「今の君にこれは渡せない」とポインターを取り上げてしまう。
ビートルベースでは「起動しなかったのはプログラムのせいだから分析する」と主張する蘭に「原因は君だ」と指摘するが、元々自信家な上に焦燥から感情的になっている彼女にはなかなか聞き入れてもらえず、フリオはその場を後にする。
少しして、木にもたれながらケーナを吹くフリオのもとに蘭がやって来る。彼女に自身の故郷や研究について語り、蘭が敵から受けた手の傷を「痕が残らない」からと辺りに生えていた薬草で手当てすることで"自然の力"を示しながら「君は"大切なこと"を忘れてる」と話し出す。
自身が「自然とひとつになって生きる心に気付いた時、ビーファイターに選ばれた」こと
「機械は万能だと信じている間はポインターは起動しない」こと
「先の戦闘時にテントウの背後にもう1人の敵がいたが、テントウはセンサーに頼っていたため気配に気付かなかった」
ということを蘭に教え、「機械使うのは人間、人間は…」と言いながら胸に手を当て"心"を指し示す。
さらに敵の気配を感じて突き進む蘭に「心で聞け!見ろ、感じろ!罠の匂いだ!」と忠告するも「いつものことよ!」と聞き入れられず、まんまと敵に捕まった蘭を攻撃を交わしながら救出する。
その後、薬草のおかげで痕も残らず綺麗に治った手を見た蘭は、これまでのフリオの言葉を思い出すが、再び敵に捕らえられてしまう…。
やがてフリオや甲平達の前に「メルザードの武器を見つけた」と現れた蘭。「2人を超重甲させるためにポインターを渡して、今なら起動できる気がする」と言われ、迷いつつもポインターを取り出し手渡そうとした時、蘭の傷が消えたことに気付き「薬草が効いた」と指摘するが、彼女の反応が曖昧なことに違和感を覚える。
そこへポインターを奪い取ろうと狙うキルマンティスの急襲を受け、蘭に急かされてポインターを渡そうとしたその時、囚われの身から脱出してきた本物の蘭が現れた。
「待って!そいつはメルザードよ、騙されないで!」
2人の蘭は取っ組み合いになるが、後から現れた蘭が綺麗に治った手をフリオに見せながら
「あなたの言ったことがやっとわかった、大切なのは"心"!」
と叫ぶ。
「蘭!!」フリオはポインターを投げ渡し、受け取った蘭がブライトフラッシュでキルマンティスと自身の偽物を攻撃すると、化けていたビーザックが正体を現した。
フリオの教えによって「自然とひとつになって生き、メカに頼らず心で判断するのが昆虫戦士、ビーファイター」だと理解した蘭。
超重甲したテントウのメンテナンスレイでカブトとクワガーのアーマーは急速修復、2人に加えフリオも超重甲し決戦が始まる。
ゲンジがテントウのピンチを救いライトニングキャノンを放つと、テントウはポインターとインプットカードガンを合体させインパクトフラッシュを発射、それを喰らった2人のビークラッシャーはポインター強奪を諦め撤退を余儀なくされた。
事件後、フリオはもう1つのビートアームズとインプットライフルの存在を3人に教え、蘭にケーナをプレゼントし「僕の力、必要な時、いつでも飛んでくる」と伝えて帰路についた。
後に再来日した際には鳥羽家に宿泊しており、そのお礼代わりに割烹着姿でだらしない甲平の部屋を掃除したり、日本の遺跡巡りをしたいのに好意を持たれた蘭にゲーセン巡りに連れ回されたりしていた。
最終決戦では他のメダルの戦士と共に全ての昆虫パワーを使い果たし、ビーファイターとしての力を失った。
エピソード
本作でフリオを演じた高岩氏はゲンジとカブト、そしてビーファイターヤンマのスーツアクターを兼任しており、平成仮面ライダーのスーツアクターとしておなじみ。
元々は俳優志望であり近年は素顔での出演も増えたが、当時は顔出しの俳優として出演することは少なかった。本作でも前期のエピソードで脇役として顔を出していた。
ペルー人ということで当初は黒めのメイクを施していたが、手間がかかるため次第にナチュラルメイクになっていったという。
『仮面ライダーW』のスピンオフ作品『風都探偵』では、高岩氏およびフリオをオマージュしたと思しき「鷹岩降雄」というキャラクターが登場する。顔つきや服装がほぼフリオそのもので、こちらでは中の人ネタで身体能力が高いという設定になっている。