概要
『アリス・ギア・アイギス』のプレイヤーキャラクターたちが着用している外装および武装のこと。単に「ギア」ともいう。
高次元エネルギー兵装と呼ばれ、人類に敵対する機械生命体「ヴァイス」に対抗できる唯一の武器になっている。
歴史
21世紀末に機械生命体ヴァイスの襲撃を受け、地球を捨てる事を余儀なくされた人類が月を砕き作った脱出船団「ムーンシャード」によって宇宙へ逃亡し放浪を始めて半世紀、「全能人工知能【アリス】」と呼ばれるAIによって生み出された。本編から3世紀前のことである。
この時から現在に至るまでアリスギアはヴァイスを唯一撃退し得る力であり、これによって人類は安定した生存圏を確保する事に成功した。
アリスギアを身につけ対ヴァイス戦を担う人員のことを「アクトレス」と呼ぶ。アリスギアを使用できるのは特殊な適正を持つ人物のみである。
現在では技術の進歩によりヴァイスへの対処は容易になっており、世間一般にとってはアクトレスは割の良い仕事として、ヴァイスは根絶できない危険な害虫程度の存在として認知されている。
禁止事項
宇宙を航行し、人類の住む場所ともなっている船団「シャード」の全てを統括する国際機関「アウトランド」により、ヴァイス以外との戦闘でアリスギアを使用する事は禁じられている。
しかし実質的には遵守されてはおらず、紛争の絶えず監視の目が行き届かないシャードでは人類同士の戦闘においても運用されている。
またテロリストなどにより悪意を持って運用された場合はアリスギア以外による対応が不可能となるため、カウンターアクトレスと呼ばれる専門の人員により鎮圧が行われる。
アリスギアの構成
鎧・服にあたる「ドレスギア」と武器である「ウェポンギア」からなる。
「ドレスギア」は上半身部分の「トップスギア」と下半身部分の「ボトムスギア」からなる。これをスーツの上から装着する。外観上浮遊しているユニットはギアの機能により別次元で連結され追従している。
「ウェポンギア」にはショットギア(射撃用、飛び道具)とクロスギア(近接攻撃用)とがある。前者にはライフル、デュアル、バズーカ、スナイパー、後者には両手剣、片手剣、ランス、ハンマー、拳銃がある。
これらを基本の構成とし、更にチューニング・カスタマイズキットの装着や機能的に連携したヘッドセットの着用などを行い運用する。
防御フィールド
アクトレスが安全な仕事であるとされる最大の理由。
あらゆる環境下での行動を可能にするいわゆる気密フィールドだが、ヴァイスからの攻撃を遮断する力場であり、攻撃を受ける度にhigh-dimensional pressure、HPと呼ばれるエネルギーを消費し攻撃を無効化する抗力も持つ。
かなり数値に余裕を持って運用されており、HPがゼロの段階から観測史上最も強力なヴァイスの攻撃を受けても稼動できるよう算定されている。
つまり安全に配慮しHPゼロでの戦闘が許可されていないだけで、実質的には戦闘を続行するのに支障はない。
HPがゼロになったアクトレスは観測手として同行し他のアクトレスへ情報を送るなどの補助のみ許される。
何らかのトラブルによりHPゼロを下回った状態で撤退が不可能な場合はベイルアウトと呼ばれるテレポートにより安全地帯に移動する。フィールドの消失は装着者の死を意味するため最終手段として使用されるが、ギアは高負荷により再起動不可能なまでに破損してしまう。
アクトレススーツ
アリスギアを装着する際に着用するスーツ。ギアの運用に最適化されたスーツで、ギアには及ばないながらも単体での防御フィールド機能も備えている。出撃時の着用義務はないが、推奨される。
汎用スーツの他に、個人に合わせて調整された専用スーツが用意されることもある。またヴァイスへの対応を行う行政機関AEGiSから優秀なアクトレスとして認められた場合にはエーススーツと呼ばれる特殊な機能を有するスーツが贈呈される。
動力源
エミッション・コアと呼ばれる積層回路が中枢機関であり、ここからエネルギーが取り出される。ヴァイスは位相をずらすシールドを使用することができ、あらゆる既存兵器からのダメージをシャットアウトしてしまうが、コアから放出される粒子を帯びた攻撃によってのみ、このシールドを破り、ヴァイスにダメージを与える事が可能である。
国際機関「アウトランド」の研究所により独占的に供給されている。製造法は秘匿されており、アリスギアを開発・製造する各企業も、エミッションコア部分についてはアウトランドから提供されたものを使用するしかない状況である。
制御システムは公開されておりメーカーによる独自開発が可能。ギアをチューニングすることで取り出すエネルギーに変化を与えることができ、発生したエネルギーはコアフレームと呼ばれる基幹パーツにより変換される。コアフレームは独占ではなく、各メーカーによる開発が行われている。
巡航にはこのコアからのエネルギーが用いられるため航続距離は理論上無限に近いが、戦闘機動には推進剤を必要とするため無補給での長時間戦闘は不可能になっている。
高次元に接続してエミッション・コアの機能を引き出し、ギアを起動させることができる特質の事をエミッション適正といい、これを持つ人物のみがアクトレスとなり得る。十代から発揮され始めるがその多くは成長と加齢のなかで失われ、三十代でも適性を持つ者は稀である。
適性の獲得については両親からの遺伝によるところが多いが突然変異のような形での発現もある。エミッション適性は女性のほうが高いが、男性でもエミッションコアを起動させることは可能。ただし発現させた事例はごく僅かで適性も低い。
HDM(High-Dimensional Module)
通常時は超空間に格納された特殊な装備。SPスキルと呼ばれる機能を発動する際に取り出され、強力な攻撃を行う。
アリスギアによる攻撃でヴァイスに対し損傷を与えた際に発生する特殊な粒子『結合粒子』をエネルギー源に稼働する。
制御が難しいため、発動には指揮中の隊長による承認が必要になる。
アリスギアに関する資格
志望者は講習ののち試験を受け、アクトレス免許を取得することでアリスギアの所持と使用が認められる。着用し機動させるアクトレス用免許のほか、販売免許や整備士免許も存在し、こちらもアリスギアの所有が可能。
専用ギア
アリスギアの多くは大量生産の量産品だが、特定のアクトレス個人のためにチューンナップされたモデルが存在し、アクトレス個人の特性に合わせて製作されるオーダーメイド製品として製造される。特注品であるため相応に高額であり、最低でも2千万円からで上は青天井。動物などの何らかのコンセプトを取り入れている場合が多い。
量産品の汎用ギアとは制御方法が全く異なり、専用ギアごとに個々人に合わせた制御法が取り入れられている。キーコンフィグが全く異なるような状態であり本人以外の運用が困難なため、他人が使用した際の事故を防ぐ目的で登録者以外は使用できないよう生体認証でロックがかけられている。
関連タグ
注意:この先の考察には、アリス・ギア・アイギスの根幹に関わる非常に重要なネタバレが含まれます。
そもそも、アリスギアの原料はゲーム中でヴァイスを撃破するとドロップするシェルであり、要はヴァイスが原料である。そして、現在ヴァイスはアリスギアでしか対処できない。今でこそヴァイスは単なるゴキブリかなにか程度の扱い、下手すれば資源としてシャード間での領有権争いまで発生するような存在である(ヴァイスコロニー発見時は特にこれが顕著になる)。しかし、元々人類が地球を滅ぼされ、シャードという方舟で宇宙に逃げてきたのはヴァイスによる侵略が原因であり、比良坂夜露や吾妻楓の唱えるようにヴァイスは未だに地球産の全生物の敵である。
では、最初のアリスギアは、どうやって作られたのだろうか?
アリスギアが完成するまで、人類はどうやってヴァイスと戦って、生き延びてきたのか?
そして、エミッション適性とは、いつどのようにして発現した能力だったのだろうか?
アリスギアがヴァイスでできているなら、例えば三式機龍よろしく突然ヴァイスとしての性質を取り戻し、シャードに牙を剥くことはないのだろうか?
そもそも、ヴァイスは機械であるわけだが、ヴァイスはどこから来て、誰が産み出したのか?
…これらは、今なお全く明らかにされていない。
ヴァイスがなぜ地球を侵略してきたのかですら判明していないのである。
もっと言えば、今のシャードの資源は、全てヴァイスを狩ることで供給されている可能性もある。もしそうであれば、ヴァイスを仮に絶滅させることに成功した場合、今度は自分たちの方舟も滅亡してしまうことになる(とはいっても、ヴァイス侵略以前にも重力制御やテレポートなどの超技術を持ってはいるため、シャード自体はヴァイスとは関係ない技術で動いているのかもしれない)。
ヴァイスに勝っても滅ぶ、敗けても滅ぶ。よくよく考えてみると、今のアリス・ギア・アイギスの戦況は絶望的だったりする。この世界に未来はあるのか…?
考察を踏まえた関連タグ
GetRide!アムドライバー:ヴァイスのポジションに当たるバグシーン、アリスギアのポジションに当たるアムドライバーの関係性が類似する。もっとも、こちらにおける最初のアムドライバーが現れたのはバグシーンが出現してから。バグシーンの出現は世界が紛争で混乱していた際に出現したのだが……。