概要
ひょんなことから女装して芸能活動をする羽目になる少年を主人公とする7作品と、幼なじみに女装少年がいる少女を主人公とする番外編1作品がある。
前者は小学館の学年誌に各1年間連載され、後者は『ちゃおデラックス』にシリーズ掲載された。
掲載誌にあわせて、主人公などの主要キャラクターは小学5年生または6年生となっている。
クラスメイトの女の子や芸能界で出会う女の子などが登場し、芸能活動の進展と並行して彼女らとのラブコメが描かれることが多い。
男の子の主人公が女の子になりきるというストーリーなので、月経や胸の成長といった女の子に特有の経験や、男女のからだの違いにもしばしばスポットライトが当たる。
小学生がそうした男女の違いを意識することで性に目覚めていく描写は、作者の次のヒット作である「ないしょのつぼみ」シリーズにも受け継がれている。
シリーズ作品
少女少年
少女少年II -KAZUKI-
少女少年III -YUZUKI-
少女少年IV -TSUGUMI-
少女少年V -MINORI-
少女少年VI -NOZOMI-
少女少年VII -CHIAKI-
〜少女少年〜 GO!GO!ICHIGO
シリーズ共通の定番要素
少女少年シリーズは、一作ごとに別のキャラクターによる別のストーリーとなっているが、全体もしくは複数の作品に共通する要素として以下のようなものがある。
男の子が女の子として芸能界デビュー
基本中の基本。少女少年シリーズのアイデンティティともいえるプロットである。
ただし、番外編となる第8作の「GO!GO!ICHIGO」だけは、女装する男の子本人ではなくその幼なじみの女の子が主人公であり、芸能界の話も出てこない。
マネージャー・村崎ツトム
芸能事務所のマネージャーとして、名前も見た目も同じ村崎ツトムという人物が毎作登場する。
主人公をスカウトするのはたいていこの人物。
シリーズによって多少性格の違いがあるが、基本的にはそそっかしくて仕事にミスが多い。
また、主人公を勝手に女の子としてデビューさせたり、担当アイドルの代役に仕立て上げたりと、よく考えずにその場の勢いで危険な手段に出てしまうことが多い。
こちらも「GO!GO!ICHIGO」にだけは出てこない。
登場人物の名前縛り
村崎ツトムを除く主要登場人物の名前には作品ごとに縛りがある。
具体的にいうと、第1作は色、第2作は自然に関係する言葉、第3作は植物、第4作は鳥、第5作は農業に関係する言葉、第6作は新幹線、第7作は数字、第8作は果物にちなんだ名前がつけられている。
月経痛でトラブル
主人公のまわりの女の子が月経で対処に困ったり、痛みのために倒れてステージに上がれなくなってしまったりといったトラブルがしばしば発生する。
掲載誌の読者が主に小学校高学年であることから、体の変化に対する戸惑いを女子小学生に寄り添った目線で描いたものともいえる。
なお、世間では「生理」というぼかした言葉で表現されることが多いが、少女少年シリーズでは一貫して「月経」という正確な言葉が用いられている。
おちんちんを見られて女装バレ
小学生向けの作品らしく、主人公がおちんちんという決定的証拠を見られて男だとバレるというダイレクトな展開もよく起こる。
特に第6作は、ヒロインののぞみが主人公の光のおちんちんを出すシーンがあることで有名。このシーンでは、光を女の子だと思い込んでいる人物の目の前で、のぞみが「光は男の子よっ!」「ほらっ!」と言って、いきなり勝手に光の体操ズボンとパンツを前からずり下ろし、光のおちんちんを見せてしまう(すごいヒロインだ)。
他にも、裸で撮影するCMのためにパンツを脱がされてバレる(第1作)、男子トイレで立ちションしているところを横から目撃されてバレる(第2作)など、ギャグ展開にはおちんちんネタが多く、お約束のひとつとなっている。