龍園翔
りゅうえんかける
「どうした。何を動揺している」
プロフィール
概要
「ようこそ実力至上主義の教室へ」に登場する主要人物の一人。
高度育成高等学校の1年Cクラスに所属しており、リーダーを務めている。
容姿は中肉中背の体格(アニメだとかなり筋肉質な体格)で、紫がかった黒髪で首筋まで伸ばしている。
イラストレーターのトモセシュンサク曰く、登場する度に男前に見えるように書いているとの事。
略歴
生い立ち
一般家庭で生を受ける。小学生時代の遠足で蛇が現れたとき、周りが恐れるなか平然と蛇を殺し、そこで初めて相手を屈服させる快感を覚える。
その騒動以降、本人曰く「内にも外にも敵が大勢出来た」と言っており、周囲はそんな彼のことを異質な存在として見ていた。
彼自身もそんな環境下に居続けた結果、性格も不良のように変化していき、殴り合いの喧嘩が日常茶飯事な日々に進むことになる。
不良の中でも、三宅明人や宝泉和臣にも、中学時代から存在を認知される程有名になっていく。
時には大勢に囲まれ、ひたすら暴力を受け続けたこともあった。抗えない力の前に崩れ落ちたことも一度や二度じゃない。
それでも彼は恐怖しなかった。
どうやって復讐し、逆転するかだけを考えた。そして最終的にはそんな彼の前に全てがひれ伏した。
これらの経験から、本物の実力者とは比類なき暴力を持つ人間の事だと考えるようになる。
そして、そんな彼に地元で歯向かう者は一人としておらず、刺激の少ない日々を彼は徐々に退屈だと感じ始めるようになる。
とある少年に出会うまでは。
人物
頭の回転が速く、手段を選ばずに様々な奇策で標的を陥れることを得意といる。
目的の為なら暴力や器物破損等の校則違反も行うため、葛城や一之瀬を始めとして、他のクラスからは危険視されている。
一方、Cクラス内では彼を恐れつつも能力の高さを疑う者はおらず、クラスメイトの大半は彼に忠実に従っており、彼自身もクラスメイトの事をそれなりに大事に思っている節がある。
実力
本人は「努力が嫌い」と公言しているが、勝利への執着は非常に強く、そのためには労を惜しまない。
無人島試験では0ポイント作戦を考案。
一見試験を投げ出しているように見え、常人には理解不能な戦術だが、7日間の間に全クラスのリーダーを当てるという離れ業を成し遂げている。
これにはホワイトルームの最高傑作である綾小路からも称賛されている。事実、唯一0ポイント作戦に気付いた綾小路がいなければ無人島試験は龍園の一人勝ちだった。
喧嘩の実力も一級品。
しかし、特別格闘技に長けている訳でもなく、純粋に我流の喧嘩スタイルで中学時代はのし上がってきた。
また彼の最大の特徴はその執念である。
体格が桁違いなアルベルトに何度も挑んでは返り討ちに遭っているが、最終的にはどういう訳か彼を上手く懐柔している。学年末試験では一之瀬帆波のクラスの生徒数人に遅効性の下剤を盛ったりと、勝つ為には手段を選ばない。
大胆かつ奇抜な戦術が多いのが龍園の最大の強みであり、坂柳有栖とは違うタイプの天才である。
動向
このシリーズにおける綾小路と堀北の記念すべき最初の敵キャラクターと言っても過言ではなく、4.5巻を抜いた2〜7巻の計6巻は全てDクラスと敵対している。
退学などポイントが下がるとどうなるかを見極めるサンプルとして、潰すのも視野に入れて度々最下位であるDクラスに手を出しており、その目的を達成した後はBクラス、そしてAクラスに狙いを定めており全クラスに様々な工作を仕掛けている。
しかし、前述の通り無人島試験の0ポイント作戦をDクラスの黒幕Xに防がれた事を根に持っており、堀北鈴音を隠れ蓑として行動する黒幕Xを探るべく、Dクラスに狙いを定める様になる。
そして、そのXが軽井沢恵と通じている事を察知し、2学期の終業式の日に彼女を屋上に拉致し、過去をフラッシュバックさせる形で拷問し、Xの正体を炙り出そうとする。
軽井沢を助ける為に屋上に現れた綾小路清隆と戦闘になり、その場には石崎やアルベルト、伊吹のような武闘派生徒を構えていたにも関わらず、自分が何よりも信じていた筈の暴力によって一瞬で敗北する。
綾小路が自分を見つめる瞳に映る闇を垣間見て、生まれて初めて龍園が何かに『恐怖』を覚えた瞬間だった。
その後、綾小路に負けた事で今まで好き勝手にクラスを私物化してきた責任を取ろうとして学校を退学しようとするも伊吹からの叱責や、石崎やアルベルトの自身への忠誠心を見て、学校に留まる事を決める。
冬休みに綾小路に早朝に呼び出され、「8億ポイント計画」についての詳細を聞き出される。その場に現れた堀北学から南雲雅が学校を大きく改革しようとしている事を聞かされるが、本人は特に関わることもなく傍観に徹するとの事。
それから長い間、表向きには石崎たちに喧嘩で負けたという体でリーダーを辞退していたが、学年末試験にて転機が訪れる。
2年生編
学年末試験で一之瀬帆波に大勝し、リーダーとして返り咲いた龍園だったが、貯めておいたポイントを使い、葛城康平をクラス移動させて戦力強化を図っている。
本気で坂柳を仕留める算段も付けているらしく、それが終わって初めて彼にリベンジするとの事らしい。
この先、無人島サバイバルのネタバレ注意!
坂柳との契約の元、綾小路をつけ狙う宝泉和臣を妨害するべく『1年生vs綾小路を守る側の2年生』の構図になっている戦いに急遽参戦。
間接的に、綾小路や坂柳と共闘が成立した初めての試験だったりする。
その後、クラスメイトの小宮が1年生の何者かに大怪我をさせられた事で、その犯人を突き止めようと七瀬翼に接触している。
人間関係
一匹狼な性格と、誰も信用しないその性格を見込んで自身の補佐に加える。伊吹からはかなり嫌われている。なんだかんだで彼女の事は気に入ってる模様。
優秀な洞察力と観察眼、そして高い学力を持っている事で大きく有用性を認めているものの、彼女自身が争い事に興味が無い性格のため、有能だけど駒としては使えないという印象を持っている。
入学当初はかなり険悪な関係だったが、徐々に才覚を見せる龍園に心酔するようになる。
石崎同様に、当初は龍園に反感を覚えていた生徒の一人だったが、どういう訳か龍園に懐柔され、彼を強く信頼するようになる。
強気な性格の為、結構好みのタイプらしく、須藤の一件後からは彼女を執拗に奇策や罠で陥れようとしている。
堀北を陥れる為に共謀し策を講じる。龍園からして見れば、使い捨ての駒のように思っており、都合良く利用する気だったらしい。
堀北とは違い、こちらは龍園が苦手とする女のタイプ。二人の絡みは主に特典小説などで多く見られるが、その掛け合いは必見。
悪名を二分割していた事でお互いに存在を認知しているが、初対面は高校である。
似た者同士である為、要所要所で気が合う部分が多く、今ではある意味、お互いにとっての理解者となりつつある。
敵対関係だった彼らの今の関係性を評価する声は読者の中でも多く、ヒロインとの絡みよりも龍園との絡みを増やせというファンが増えているとかいないとか。
双子説
6巻が発売した頃からその意見が出され始め、ファンの中で長年議論、考察されている説であり、よう実の中では神崎のホワイトルーム関係者説と並んで、最も有名な議論対象となっている。
その議論とは「綾小路清隆と龍園翔は双子の兄弟では無いか?」という説である。
まず二人の関係性を出していくと、
・誕生日が一緒。
・お互いに裏で策を講じるタイプ。
・暴力を手段として考える性格。
などと2年生編に入っていても尚、未だに議論されている説である。
「双子の違いを比較すべく、綾小路がホワイトルームとして育てられた一方で、龍園が一般家庭で育つことで、全く別の天才を二人作る目的で生まれた」という説を立てるファンも多い。
確かに「同じ誕生日」という設定は、双子では無いキャラクターではかなり珍しい事例なので、そう考える読者がいても不思議ではない。
しかし、これらの説はあくまでファンの中で囁かれる都市伝説のようなものなので、あまり鵜呑みにはしない事。