七瀬翼
ななせつばさ
「私は暴力には絶対屈しませんから」
「ボクは、じゃなかった──私は七瀬翼と言います」
2年生編から登場。高度育成高等学校の新入生で1年Dクラスに所属する女子生徒。
非常に社交的で物腰も丁寧であり、一之瀬帆波を彷彿とさせるような品行方正・純真な少女。ルックスやスタイルも抜群で、感情表現も豊か。
七瀬の属する1年Dクラスは、中学時代に手の付けられない不良として悪名を轟かせていた宝泉和臣が支配しており、凶暴な彼にも臆さず、優秀なことから宝泉からも認められているようで、宝泉の補佐役兼ストッパーとして行動を共にしている。
品行方正でDクラスに配属されたのが不思議なくらい優秀、明るく社交的な性格から学年で畏怖されている宝泉に代わって、信頼を受けている。それ故にリーダーである宝泉の方針と板挟みになっていることも多く、苦労している。
また格闘技にも通じており、後に戦った綾小路清隆からは、並みの男子では相手にならないほど強いと評されている。
ここまでは一之瀬を彷彿とさせる人物であるが、入学の経緯から、訳アリなキャラであり、綾小路清隆を敵視している。
2年生編1巻で初登場。ある理由により、宝泉と共に綾小路の属する2年Dクラスの前に現れ、堀北と須藤、龍園らと小競り合いを起こす。その際には喧嘩上等であった宝泉を制止している。堀北は2年生最初の特別試験で宝泉の1年Dクラスとの共闘を打診し、七瀬に宝泉への取次を依頼するも、法外なプライベートポイントを要求する宝泉の前に交渉は決裂する。その帰り道、ついに宝泉は堀北らに襲い掛かり、その暴挙の前に七瀬も我慢できず、宝仙が最初から堀北と同盟を結ぶつもりがなかったことを明かし、宝泉は真の目的である綾小路に襲い掛かるが、宝仙の計画を見抜いた綾小路はそれを阻止、この件を内密にすることを条件に1年Dクラスとの共闘を実現した。
その後、七瀬は1年の一部の生徒に対して「綾小路清隆を退学させれば2000万PPが得られる特別試験」が実施されていることを明かしたが、綾小路への敵意を露わにする。
2巻では、来るべき無人島サバイバルでは宝泉、天沢一夏との3人グループを結成。しかし七瀬は、月城理事長代理と結託しており、綾小路を退学にすべく送り込まれた人員であることが明らかとなる。
3~4巻の無人島サバイバルでは、本来グループの宝泉・天沢とは行動せず、何故か綾小路と行動を共にすることを望み、綾小路も七瀬の真意を見極めるために承諾する。数日間、共に行動した後、人気の少ないエリアで自身が綾小路を退学にさせるために送り込まれた刺客であることと、その目的を語る。
七瀬には一つ年上の幼馴染みの少年・栄一郎がいた。
幼稚園から中学の卒業までずっと一緒にいて、習い事なども一緒にやって来た彼女にとって、栄一郎は憧れの存在で、目指すべき目標…そして、初恋の男性でもあった。
しかし、栄一郎への恋心は実る事無く、最悪な形で離別してしまった。それは栄一郎の父親が「ある行動」に出てしまったからである。
ある施設の停止期間中、彼は施設の運営者から一人の少年の世話を任されていた。あまりにも人道を無視した扱いを受けていた少年を不憫に思った彼は、とある教育機関へ密かに入学させることで少年を施設から脱走させる事に成功する。
だが、それによって施設の運営者の怒りを買ってしまった結果、栄一郎の父は懲戒解雇され、再雇用も妨害される事になり、更には息子である栄一郎までもが、根回しにより既に合格になっていた高校への進学を全て取り潰しにされてしまう。
結果的に、高校進学を諦めざるを得なかった栄一郎はバイト三昧の日々を送る事になり、それでも前を向いて必死に頑張る日々を送っていたが、あまりにも強大な人物に逆らった結果、希望に溢れた息子の人生を台無しにしてしまった事を悔いた父親は、責任から焼身自殺をしてしまう事になり、それによって心が折れてしまった栄一郎もまた、遂には自殺してしまう事になった。
想いを遂げられないまま初恋の人とその父親を哀しい形で喪い、悲しみに暮れる中、七瀬の前に一人の人物が現れる。
栄一郎が悲惨な末路を迎えたのは、ある人物の脱走が全ての原因だと教えられた彼女は、栄一郎の仇を討つ事を決意し、その人物…綾小路清隆の通っている高度育成高等学校へ、新1年生として入学する形で乗り込むのだった。
そう…初恋の人・松雄栄一郎は、かつてホワイトルームに隔離されていた綾小路の脱出を手引きした執事・松雄の息子だったのである。
七瀬は栄一郎の人格として綾小路に挑むが、実力差がかけ離れていたため、綾小路は七瀬の攻撃をすべて防ぎ切り、また多重人格を装う七瀬が「栄一郎を演じているに過ぎない」ことを指摘して、七瀬の戦意を折る。
ちなみに、「ボク」とは七瀬が栄一郎の人格を演じるときの一人称にすぎないため、厳密にはボクっ娘とも多重人格とも言えない。
4.5巻では、試験の最中に小宮らに重傷を負わせた犯人を追う龍園翔と接触。独自に交渉を行う。
6巻の体育祭では、終盤にバレーボールで天沢らとチームを組み、堀北鈴音、櫛田桔梗、伊吹澪らの2年生チームと対戦した。
8巻では、2年生の修学旅行前に天沢を監視する形で綾小路と天沢の八神拓也に関しての話し合いに同席。天沢が綾小路に危害を加えないか見張るため、と同席理由を語るも、綾小路からは「天沢が余計な事を言わないか」監視するためではないか?と問われ、さらに外部の人間が干渉することが可能になる文化祭や学外の修学旅行でホワイトルーム関係者による襲撃に注意を促す素振りもないことから、綾小路から「実は、ホワイトルーム側の意向を知っているのではないか?」と疑惑を抱かれる。
9巻では、新生徒会長に就任した堀北の勧誘を受ける形で書記として生徒会に入会する。
当初は、復讐のために近づいたが、無人島サバイバルを機に和解して対ホワイトルームの協力者となるが...?
自クラスのリーダー。品行方正な性格から粗暴な宝泉に振り回されることに苦労している。
他クラスだが、綾小路に危害を加えないか監視しているため、行動を共にすることも多い。
先輩。9巻では堀北の誘いを受けて生徒会に入会したため、生徒会のメンバー同士となる。
先輩。性格は似ているが、作中での絡みは少ない。
高度育成高等学校に入学するきっかけを作った人物で当初は、月城の命に従っていた。
幼馴染で初恋の人。彼の死をきっかけに高度育成高等学校に入学することになるが...。
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