「安心しろ。私の人生は既に後悔だらけだ」
「つい希望を抱いてしまう。私の叶えられなかった夢を、叶えられるかも知れないとな」
プロフィール
概要
本作の主要人物の1人。
Dクラスの担任でポニーテール調な髪型が特徴の女性教師。担当教科は日本史。
自分のクラスの生徒に対し、非常に冷淡な態度を取る。彼女自身も高度育成高等学校の出身であり、かつてはDクラスに所属していた。Bクラス担任の星之宮やAクラス担任の真嶋とは、当時からの付き合い。
略歴
綾小路には、学生時代はDクラス出身だったと話していたが、それは卒業時のクラスの話で、実は高校3年生の3月まではBクラスの生徒だったことが後に発覚する。
本編開始から11年前。当時の茶柱たちの学年は3年生の3月にして4クラスとも僅差の四つ巴のような状態らしく、特別試験の結果1つでクラスの序列が逆転できる位置に付けていた。
しかし、卒業試験を目前に満場一致特別試験が始まった。最後の課題は綾小路たちの学年が実施されたものと全く同じで「クラスメイトが1人退学になる代わりにクラスポイント100を得る」という内容で、Aクラスとの差も僅かだったことで賛成か反対かで議論が長引き、制限時間が押していたこともあって賛成で満場一致することになった。
当時のBクラスのリーダーだった茶柱の恋人は、他のクラスメイトたちが犠牲となる事を良しとせず、自ら退学になる立候補者になると挙手した。しかし、茶柱が反対に投じ続けた事もあって満場一致になる事は無かった。当然、怒ったクラスメイトたちが矛先を茶柱に向けたが、恋人と庇い合う状況になって賛成に満場一致になる事はなく、時間切れで300クラスポイントを失った。
その結果、接戦だったはずのBクラスは一気にDクラスへと降格。卒業間近という事もあってAクラスの卒業は絶対に不可能となってしまった。試験終了後、彼との関係は自然消滅となって、高校卒業後は一度も会っていないらしい。
たった1日でAクラスでの卒業・友人・恋人の全てを失ってしまった事から、茶柱の中で満場一致試験はかなりのトラウマとなっており、その後、本編開始から4年前に高度育成高等学校に赴任することとなった。
大人になってからも、自らのミスでAクラスへの目標が失われたことにずっと負い目を感じており、Dクラスの担任を任されている今でも自分の担当するDクラスをAクラスにすることに情熱を抱いている。
今までは生徒に恵まれなかったため表向きには野望を封じていたが、坂柳理事長が独断で入学させた綾小路を始めとして、堀北・櫛田・平田・高円寺という人材が揃い、能力だけで見れば歴代最高のDクラスが完成したことで、自らの野望を再燃させ、自分と同様にAクラスにこだわる堀北を利用して綾小路がAクラスを目指すよう仕向けるようになる。
人物
冷徹な物言いが目立つクールビューティ。
ある程度の柔軟さも併せ持っている。落ちこぼれのDクラスを担任するだけあって、茶柱本人も中々強烈な性格をしており、かなりの皮肉屋であり毒舌家。
Dクラスの生徒に対して辛辣な態度を取ったり、自分のミスを指摘されても悪びれないなど、教育者として相応しくない言動と態度が目立つ。後述の通り、自らの目的の為なら恐喝を辞さないなど、教師としてだけでなく人間としても問題のある人物。こういった点は後から反省していくことになる。
過去に縛られたままであることを同期でありかつての同級生である星之宮に見抜かれている。坂柳理事長からは綾小路が極めて特殊な生徒であることや父親との関係を断片的に知らされており、彼や実力を知る大人たちの1人であるが、その実力がどこまでかは計りかねている。
動向
初登場は1巻から。
終始学校のルールの説明役に徹していたが、Dクラスの誰しもがSシステムの仕組みを理解できていなかったことに嘲笑し、実態をネタバラシ。あえて生徒たちを突き放す態度を取っているが、入試や小テストで不可解な点が多かった綾小路を職員室に呼び出したりと、水面下でAクラスに上がる為の行動を取っている。
2巻では須藤の暴力事件の際にも、終始裏方に徹して自らの才能を隠し、その他大勢に埋もれようとしている綾小路のことを「クラス内で最も不良品」と言い表し、堀北に自身の見解を述べている。
しかし、入学から4か月経っても綾小路がクラスのリーダーとして指揮を取らないことに焦っていた茶柱は坂柳理事長から教えられた家庭環境をネタに「父親が息子を退学にさせろ」と学校側に訴えていると嘘を吐き、Aクラスに上がれなければ父親の意向通りに退学させると綾小路を脅す。
3巻の無人島試験で綾小路が他クラスを単独で圧勝したことで彼の実力を確信。その後も彼を揺さぶるような発言を重ねて繰り返して彼を脅し続け、綾小路の力を利用し、このままAクラスに上がろうと画策する。
7巻で篤臣が直接高度育成高等学校に尋ねてくるというアクシデントが発生し、その際に篤臣や坂柳理事長の様子から、茶柱の脅しがハッタリである事が綾小路にバレてしまう。これによって茶柱と綾小路の立場は逆転し、以降は綾小路への過度な接触を控えるようになる。
10巻のクラス内投票では、堀北の主張を聞いて感心したような態度を見せ、今回の試験について彼女なりの見解を述べている。
11.5巻では先の選抜種目試験において、綾小路が坂柳に敗北したことで、綾小路の評価をやや落としており、立場が逆転している現状を気に食わない様子でいた。しかし、試験の結果が月城によって仕組まれていたものだと知り、真嶋と共に一旦は綾小路の味方側に着くことを決意する。
2年生編(ネタバレ注意)
1巻では、宝泉と一悶着あった綾小路を陰ながらサポートしており、月城の呼び出しを受けて彼を連れ出している。
2巻で綾小路が数学のテストで満点を取ったことで、ようやく彼が本領を発揮し出したことにポーカーフェイスをしつつも喜びを隠せずにいたが、綾小路からは内心では滑稽に思われている。
3巻の無人島サバイバルでは、緊急アラートが鳴る小宮たちの前に坂上と共に登場。孤立する篠原に毒にも薬にもならない言葉をかけるが、池が篠原の為に奮起する姿を見て満足そうに笑った。4巻の終盤で坂柳からの手回しで真嶋と共に月城と司馬の前に姿を現し、彼らを退けることに貢献した。
4.5巻のクルーズ船では、次の試験がかつての自身のトラウマである満場一致特別試験と聞いて動揺している。また真嶋の口から、かつて高校時代に茶柱と星之宮とルームメイトだったことが判明している。
5巻ではメイン巻となっている。ついに始まった満場一致試験に教員という立場上、ひたすら傍観に徹するしか無く、トラウマのフラッシュバックで途中で息切れを起こすなど心身共に異常をきたしていた。試験後のクラスは悲惨な空気となったが、茶柱自身は綾小路や堀北が試験に対する答えをそれぞれ出したことで強い影響を受けており、担任としてこのクラスをAクラスに上がれるように協力すると言い切っており、今までの彼女では考えられない程の精神的な成長を見せている。
6巻では櫛田を残したせいでクラスの空気が悪化し、自分の選択は正しかったのかと悩む堀北を茶柱なりに担任として堀北を激励している。ちなみ特典小説では、この後、高校時代のことで根に持つ星之宮には皮肉られている。
7巻の文化祭では、プライベートポイントで教員に協力を強制させる権利を購入した綾小路によって、半ば無理矢理メイド喫茶の店員として働かされており、最終的に試験結果の学年1位に大きく貢献している。
8巻の修学旅行で星之宮と共にマッサージチェアに興じているところで、綾小路と堀北の2人に遭遇。綾小路にはリモコンで遊ばれ、真面目に憤りを見せている。その後、綾小路の活躍でクラスの序列が変わったことで茶柱と堀北に皮肉を言う星之宮に対して擁護するような態度を見せている。
人間関係
当初は茶柱の私情で彼を脅し、彼の力でAクラスに上がろうと考えていたが、7巻で脅しがハッタリだとバレて立場が逆転する。2年生編からは綾小路の実力を改めて思い知らされるのと同時に、満場一致試験の際には彼から強い影響を受け、茶柱が精神的な成長に至る要因となっている。しかし、それからは彼がクラスで1番の不良品であるという認識を更に強めている。
Aクラスに必要以上に固執するという自分と似ている部分があるからか、何かと彼女には意外に関心を寄せており、茶柱なりに励ましたりと他の生徒よりも期待している様子。また物語の序盤では綾小路の人間性に対して、いくつか忠告している。
公式設定で茶柱が案外気に入っている生徒。というのも、茶柱の昔の恋人の性格が平田と池を混ぜたような感じだったらしいので、お調子者でムードメーカーである部分を気に入ってるのかもしれない。
同期。普段から「チエ」と呼んでおり、プライベートで共にすることも多い。学生時代は元ルームメイトでありながら親友にしてライバル。しかし、星之宮は学生時代の茶柱のミスで自分の将来が大きく変わってしまったことをずっと根に持っていたりと、彼女との関係性はかなり複雑である。
星之宮と同じく同期。生徒の居ない所では「真嶋」と呼び捨てで呼んでいる。真嶋は過去のしがらみにこだわっている茶柱と星之宮に対して呆れたような口ぶりを見せており、あくまで中立の位置に立っている。
立場上では上司。当初はクラス内投票を強行したことで、他の教師と同様に不信感を持っていた。しかし、坂柳の口から月城の狙いが綾小路の退学であることを知ると、月城に対して警戒心を強めている。
上司。元々、坂柳理事長は茶柱がAクラスに上がる意欲の無い教師だと考えており、学年の競争から遠ざける為に綾小路をDクラスに配属させたが、茶柱の野心がAクラスでの卒業だったことにより綾小路を独断で脅迫するなど、考えが裏目に出てしまっている。
綾小路の父親で坂柳理事長からは存在だけ教えられていた。また篤臣が清隆の退学にこだわっていることも知っており、それをネタに清隆を脅していたが、7巻で全てハッタリだとバレてしまい、2人には全く面識が無いことが明らかとなる。