「他者に強くあれ。そして優しくあれ」
「もし学校に対して何も残すことが出来ないのなら、生徒たちに残せばいい。綾小路清隆という生徒がいたという記憶を、刻まれた生徒たちは忘れることはないだろう」
CV|梅原裕一郎|
概要
高度育成高等学校の3年Aクラスに所属し、生徒会長を務めている。
主人公綾小路清隆の二年上の先輩で、堀北鈴音の兄であるが、妹である鈴音に対し、冷淡な態度で接し、武力による制裁をも躊躇せずに行う。
略歴
妹の鈴音の発言などから、幼少の頃から勉強やスポーツなどあらゆる項目で一番を取り続けていた。学習能力も非常に高く、同年代の中では頭一つ抜けているスペックを持ち続け、周囲からの信頼も篤い、常に勝ち組のような人生を送っていた。
ただし学本人曰く、何事も最初から上位だったわけではなく、伸び悩み苦しんだ時期もあったが、たゆまぬ努力を続けてきたと語っていることから、実際は天才というよりは不屈の努力の人といった趣が強い。高度育成高等学校に入学してからもAクラスのリーダーとして最初から最後までトップを走り続け、厳格な性格ゆえに在校生から向けられる視線も畏怖に満ちている。
3年次秋の混合合宿では、その南雲の策略によって退学の危機に瀕した橘茜を救うために、卒業試験前に膨大な代償を払うことになり、Bクラスに肉薄されることになったが、無事に卒業試験を乗り越え、Aクラスで卒業していった。
卒業後の進路は不明だが、南雲は学と同じ道に進む予定。
人物
歴代の生徒会長の中でも最高と評されており、知力や武術に長けているだけでなく、人の本質を見極め評価する力など組織を率いるにふさわしい才覚の持ち主である。質実剛健という言葉を絵に描いたような人物だが、保守的であり大義がなければ大胆な決断ができないなど内面的に弱い部分も持っている。品行方正で南雲と違って、攻撃的な思考をしていないため、率先して他クラスの生徒を退学に追い込むような真似はせず、むしろ理想は全員が無事に卒業することを願っていた。
妹のクラスメイトである綾小路清隆に強い興味を示しており、鈴音の背後で彼が暗躍していることに早い段階で気付いている。
自身が友人と呼ぶ人間は少なく、同じクラスの藤巻くらいである。生徒会の書記である橘茜は人と強く接することを望まない彼が唯一傍に置く生徒である。
鈴音に関しては、冷淡な態度を取りながらも、内心では大切に思っている。
幼少期は仲睦まじい兄妹であり、妹の才能を見抜いて、自分を超えるような人間になってくれることを期待していた。しかし当の鈴音は成長するに連れ、度を超えた兄への崇拝を見せるようになり、次第に学を模倣し始め(クールキャラになりきる、好きなもの、嫌いなものなど)、学の「長い髪が好き」と言った冗談を真に受けて、本当に髪も伸ばし始めたため、自分の幻影に囚われてほしくないとの願いから、あえて鈴音を突き放し始める。
しかし、結果的にこの対応は失敗であり、突き放された鈴音は学の真意に気づかず、自分が不出来故に学から認められないと思い込み、模倣・依存を加速させていくことになり、距離を置く意味でも学は全寮制の高度育成高等学校に入学したが、2年後に入学してきた鈴音が全く成長していないことに落胆していたのが真相だった。
動向
自分を追って、高度育成高等学校に入学してきた妹の鈴音に苛立ち、制裁を加えようとしたが、そこに綾小路が割って入り、学の攻撃を難なく防いで見せたことや、綾小路が入学試験で全教科50点に揃えていたことから一目を置く。
その後も綾小路が諸問題を陰ながら解決に導いていることに気づいており、その実力を認めて南雲への抑止力として1年として異例の生徒会副会長のポストで勧誘するも、目立つことを嫌う綾小路に固辞される(実際、学が生徒会に勧誘した1年生は綾小路だけであり、一之瀬と葛城が入会を希望してきた時には断っている(後に一之瀬は南雲の推挙で入会した))。
5巻の体育祭では、最後の競技の学年対抗リレーにて綾小路の挑発を受ける形で勝負を行う。わざわざ後続の1年Dクラスが追い付くのを待ってから、一対一で勝負を行って、周囲を騒然とさせるが、僅差で綾小路に勝利した(実際は二人の猛烈な追い上げに動揺した前の走者が転倒して、綾小路はそれを回避せざるを得なかったため)。この一対一の勝負の目的は、綾小路は龍園に目を付けられている状況で、敢えて目立つ行動をとることで龍園を攪乱することであったが、学との勝負に固執する南雲や坂柳が綾小路の存在に気づく、弊害も生んだ。
6巻で生徒会長を退任、後任は副会長の南雲が就任。
7巻では、綾小路の依頼を受け、龍園と対決した綾小路の正当性および龍園達の問題行動を証言するための証人として一部始終を見守る。その見返りとして綾小路には自身の卒業後に個人主義の改革を進めることが予想される南雲の対処を依頼する。
8巻の混合合宿では、南雲が自分に勝負を仕掛けてくることを警戒していたが、南雲が狙ったのは学の側近の橘茜であった。南雲は3年B~Dクラスと結託して、橘を狙い撃ちにすることで橘を退学に追い込むも、学は橘を救うことを選択して卒業試験前に多数のクラスポイントと、軍資金とも呼べる多額のプライベートポイントを失うことになった。
10巻のクラス内投票では、自身が退学候補最有力になった綾小路から、決断に踏み切れずにいる鈴音の後押しを依頼され、後日、鈴音の考えを聞いたうえで適切なアドバイスを送ったことで鈴音は見違えるほどの成長を遂げる。
11.5巻では、最後の特別試験も乗り越えてAクラスでの卒業を確定。学校から去る日に、綾小路と鈴音のみを呼び出し、綾小路とは忌憚なく意見を交わし、互いにその実力を認め合うことで綾小路を変えることになった。また遅れてやってきた鈴音がようやく過ちに気づき、自身の呪縛を乗り越えたことで兄妹として和解、二人に2年後の再会を期待して去っていた。
その際には綾小路には自身のプライベートの連絡先を教えている。
人間関係
妹。しかし自身への模倣・崇拝に固執することには辟易としていたが、卒業時に和解する。
期待する後輩。鋭い感性から、綾小路がこれまでの人生経験から、大きく逸脱した存在であることを見抜いており、「今まで出会った中で一番戦いたくない相手」と評価する。その真の実力に大きな興味を寄せると同時に、「本当の自分を隠してでも、それは(実力を隠し続ける)貫き通すことなのか?」と問いかけている。
綾小路からも作中で最も評価されていると言っても、過言ではなく、学の卒業後も「あんたならこんな時どんな決断を下しただろうな」と問いかけることがあったほどで、綾小路を変えた人物と言える。
また、「お前なら鈴音を安心して任せられる」と最大級?の賛辞を送っている。
クラスメイトで友人。生徒会でも書記を務めるなど常に学に付き従っており、秘書のような存在になっている。恋人関係ではないが、橘は明確に好意を寄せているのに対して、学の感情は不明(傍に置いていることからも憎からず思っているのは確実だが)。
後輩の生徒会副会長。自身の後継だが、学校の伝統を重んじる保守的な学に対して、新しい風を吹かそうとする革新的な南雲とその思想は異なっており、対立関係にある。しかし南雲が学を尊敬しているのも事実で、学も南雲の才覚は認めている。
学が卒業した際にも、南雲も進路は学と同じ道に進むことを朝比奈に語っているほど。
後輩の生徒会役員。桐山は学を尊敬して生徒会に入った経緯があり、保守的な性格からも学も信用して、南雲への抑止の一環として綾小路と引き合わせる。
同じ中学校出身の後輩。互いに有名人であったことから面識はあったが、櫛田が中学時代に起こした事件に関しては知らない。
後輩。綾小路を介して面識を得ることになり、生徒会向きの生徒ではないが、一定の評価はしているようで、龍園の不意打ちを防いで見せたことで龍園もその実力を認め、「堀北先輩」と呼んだ(龍園は上級生であっても呼び捨てが基本)。