「皆さん仲良くするのが一番いいことなんですから」
プロフィール
学籍番号 | S01T004735 |
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部活動 | 茶道部 |
誕生日 | 1月21日(水瓶座) |
所属 | 1年Cクラス→2年Cクラス |
学力 | A(86) |
身体能力 | D(28) |
機転思考力 | C-(42) |
社会貢献性 | B(74) |
総合 | C(55) |
特技 | 暗記 |
趣味 | 読書 |
仲の良い生徒 | 綾小路 |
相性の悪い生徒 | なし |
好物 | 卵焼き |
苦手な物 | 電子書籍 |
一人称 | 「私」 |
CV | 高橋李依 |
概要
高度育成高等学校における2年Cクラスの女子生徒。
本の虫で、図書館にいつも出入りしている。同じ読書仲間の綾小路のことをとても慕っており、クラスの枠を超えてアドバイスをしたり、求めたりすることもある。勉強も出来る上に優れた洞察力も持つ。龍園からもその才能を買われており、綾小路の実力を見抜いた眼力を綾小路も高く評価している。
イラストレーターのトモセシュンサクによると、当初は作者から「メガネをかけた地味な感じ」という指示が出ていたという。また、トモセは「不思議ちゃんキャラみたいな感じ」でデザインした」と述べており、心がけた点としては「読書少女らしく太ももをむちっと描くこと」だったという。
人物
ミステリー小説好きの品行方正で穏やかな性格の持ち主。
幼少期から一人を好む傾向が強く非常にマイペース。一方で出来るならクラス関係無く皆と仲良くしたいと考える心優しい性格の持ち主で極力他人との衝突は避けている。
龍園や鬼頭のように他の生徒が忌避するような生徒相手でも平然と話しかけに行ったりと意外に度胸も据わっている。
授業態度は真面目で高い学力を持っている。争いごとが苦手なので特別試験も他の生徒たちほど積極的では無い。また協調性に欠けていて、仲の良い友人も少ない。
天然ではあるが冷静沈着。
龍園クラスでは数少ない良識派で素行の悪いクラスメイト達のブレーキ役になることも多い。洞察力も非常に高く、踏み込んだ場面ではしっかりと裏付けをした後に発言をするなど用意周到でもある。その為、クラス内のカーストはけして高くないものの、女子リーダー的な役割も担っている。
入学当初は感情の起伏が少なく周囲に淡々とした印象を抱かせており、彼女自身もクラスに対して強い想いはなく本に囲まれた3年間を送れるのならと、殆ど主張はしてこなかった。だが綾小路との出会いをキッカケに、本来持つ素の自分を曝け出すよう変わり始める。
実力
優秀な洞察力と観察眼、そして高い学力を備えており、総合力ではCクラス内でも上位層に位置する。ただ参謀的な立場ではあるものの積極的に龍園に関わることはなく、自分の協力が必要だと感じた時に献策する程度。
それでも龍園がリーダーを降りた際には彼の後釜として金田と共に彼女の名前も挙げられていることから、頭脳面においては学年の中でもトップ層だと思われる。
また彼女の真骨頂はその鋭い洞察力にある。
伊吹や石崎の態度から龍園たちの内輪揉めの喧嘩がブラフであることを早い段階で気付いており、屋上で龍園を倒したDクラスの黒幕Xが綾小路であることを少ない情報で看破したりしている。
聡明な頭脳を活かし自らの言葉で相手を誘導したり、裏で根回しして人を動かしたりする役回りもこなせ、クラスの為ならば状況によっては退学者が出る方針にも手を貸すなど冷静な判断力と覚悟も兼ね備えている。
試験に活かされる機会は少ないが手先の器用さはかなりのもので、押し花やガラス細工など技術力だけでなく美的センスも要求されるようなものの対応力が、並の生徒より遙かに高い。
動向
初出は6巻。龍園が堀北を隠れ蓑にした黒幕Xを探していることで初めてDクラスに興味を持ち、その容疑者である綾小路グループの元へと彼と共に同行している。
龍園が去った後、長谷部のコーヒーカップを踏み潰した彼の行動を謝罪するとともに弁償し、その際に潰れたカップに残る沈殿物から砂糖の量を当て、その高い頭脳の一旦を垣間見せた。
7巻では図書室で綾小路と遭遇。積極的に接してくる椎名の態度に当初綾小路からは龍園以上に不気味な存在と思われていたが、彼女自身は共通の趣味を持った友達が出来るかも知れない、という素直な気持ちで行動していただけであり、その後は本の趣味がかなり合った上に昼食まで共にしたことで、クラス同士が敵対状況でありながらも意気投合する。
なお、この日を境に昼休みを中心に交流を重ねていったことが後の2年生編7巻特典SSにて判明した。
黒幕の正体候補に仲良くなった綾小路が含まれているからか、リーダーである龍園に対しても「本当に追い詰めなければならないのでしょうか」と争いごとが嫌いな彼女らしい発言をしている。
8巻の混合合宿では一之瀬や王美雨と同じグループになり率先して責任者を引き受け、彼女らと絆を深めている。
9巻では坂柳率いるAクラスからの誹謗中傷に苦しむ一之瀬を助けようと綾小路に協力を持ちかける。その後、誹謗中傷の矛先がAクラスを除く全クラスにまで及んだことから伊吹、石崎、アルベルトを引き連れ、Aクラスと話し合いの場をセッティングする等、友達やクラスを守る為ならば戦う意志もあることを示した。
またこの巻から綾小路が「ひより」と下の名前で呼び始めたり、ひよりもバレンタインチョコを綾小路に渡していたりと描写されていない所や読者の知らない所で信頼関係が構築されている模様。
10巻のクラス内投票では退学濃厚な龍園の状況が気になる綾小路にクラス内の情報を教え、上を目指して行くのであれば龍園の存在はクラスにとって必要悪なのではないか、という考えを伝えている。
その後、伊吹の提案で龍園の代わりに真鍋を退学させる方針に乗って彼女への批判票集めに協力する等、したたかな一面を覗かせた。
11巻の選抜種目試験では石崎が唯一入手した龍園からのアドバイス「対戦相手はBクラスが最適」であることを忠実に履行。司令塔を務める金田と蜜に話し合いをし、その結論に自然と導かせた。
しかし、それだけでは石崎が統率する現在のDクラスでは勝つ可能性は薄いものだと判断し、石崎と伊吹三人でカラオケに行った際に独断で龍園を呼び出し、話し合いの場を設けさせた。
結果として心境の変化が起こり始めていた龍園を再び表舞台に立たせることに成功。なぜ堀北率いるCクラスではなく、上位のBクラスなのかというクラス内の疑念の払拭をしつつ対戦クラスの決定を誘導、龍園の復帰、さらには一之瀬率いるBクラスは総合力は高いものの「特別な脅威を持たない単なる仲良しクラス」と的確に弱点を分析するなど彼女の持つ高い実力を改めて見せつけた。そしてこの戦略を通し、龍園と側近だった石崎、伊吹のやり取りを観察することで黒幕Xの正体が『綾小路』だと至る確信を得ている。
11.5巻の春休み、綾小路をカフェへと誘ったひよりは自分が考えていたことをぶつける。
「もし私の推理が間違っていたらごめんなさい。単刀直入にお聞きしますが、龍園くんを変えたのは綾小路くんですか?」
多くの問題点を抱える龍園のやり方に不安な気持ちを吐露。その後、一連のやり取りを経て綾小路はひよりが『龍園も認める存在』ならば助言を聞き入れる。そして彼を成長させる為にこの話を『オレ』に聞かせ、『綾小路が龍園に叱責の言葉を贈る』よう会話を誘導していたのだと意図を理解。その思いを汲む形で龍園に対し言伝を頼んでいる。
綾小路自身はそれまでひよりに対し、共通の趣味を持つ友人としての認識だけだったが、その頭脳の深淵さから、彼女に対する評価を改めることになっている。
「踏み込まなければ、これ以上の進展もないと思ったんです」
また会話の最中、上記の台詞の通り綾小路とは友人から進展したいと無自覚に口を滑らせており、異性として意識していることが窺える。本人はフワフワした、確定していない感情と認識しており、その究明も綾小路と会っている時の楽しみの一つと捉えている。
2年生編(ネタバレ注意)
2巻無人島サバイバルのグループ分けにて、石崎の提案でアルベルトと共に綾小路を自分たちのクラスにスカウトしている。
4巻無人島サバイバルの11日目に綾小路と遭遇。二人で静かに夕陽が沈んでいく海を見つめながら英気を養った。特典SSでは彼女の心情が綴られており、彼の存在が大きなものへと変わってきていることが窺える。
もっとこんな穏やかな時間が、続けばいいのに――。
そのまま石崎、西野らとキャンプで一夜を共にした後、石崎からは二人の仲を揶揄されている。「もうお前ら付き合っちまえよ!」
4.5巻のクルーズ船では龍園クラスに移籍してきた葛城と龍園の独裁政権に反旗を翻したい時任が揉めているのを目撃し綾小路に伝え、共に一部始終を見守ることに。
龍園が復帰し成長を見せたことでクラスは好調であるものの、彼の戦い方は常に危険と隣り合わせ。ひよりはもしも龍園がいなくなった際にリーダーを託せるのは綾小路だと考え、真剣に綾小路を自分のクラスに勧誘。しかし真の狙いは葛城と綾小路を接触させ、葛城に好影響を与えるのが目的であり、利用される形となった綾小路は彼女を策士であると評価した。
5巻の満場一致特別試験では龍園の戦略に乗るも、時任を助けさせる為の糸を葛城に掴ませるよう彼女の独断で誘導していたり要所要所で動いている。
7巻では綾小路が軽井沢と付き合っていることを知り、図書室に通う時間帯を変えて綾小路に会わないよう配慮している。
その後、文化祭の準備期間中に久しぶりの再会。一緒の時間を過ごすうちに「また当たり前のように図書室で会いたい」という気持ちが強く芽生え始め……
……少しくらい、いい……ですよね?
9.5巻では冬休みに図書室に訪れた綾小路に本をプレゼント。
そのお礼として綾小路は毎日図書室に籠りっぱなしだった彼女を誘い、ケヤキモールへ遊びに連れ出すが散策中、彼の実力に探りを入れようとAクラスの神室、橋本、鬼頭らに捕まり、共にカフェで時間を過ごすことに。
Aクラスの三人と別れ、本屋に寄った帰り道。ひよりは渡した本の著書が自分の父親であることを告げ、そのことを綾小路に知ってほしかったと伝える。特典SSでは彼と一緒にいると出てきそうになるダメな自分を見せまいとしているが、一時的にその想いが抑えきれなくなってしまった描写と見られる。
「クラスは違いますし競い合う関係にはいます。でも……必ず一緒に卒業しましょうね」
10巻の生存と脱落の特別試験では坂柳クラスに勝利するも笑顔はなく、龍園の存在がクラスメイトの成長の機会を奪っているのではないかと不安な胸中を綾小路に打ち明けている。
「私たちがAクラスに上がるために必要なピースは、同時に邪魔なピースでもあります。困りましたね」
特典SSでは綾小路と会うとつい楽しくてクラスのことを忘れてしまいそうになること、そして彼には大切な彼女がいるのにまた図書室に誘ってしまったことに対して自責の念を抱いている。
11巻の交流合宿では鬼龍院リーダーの下、綾小路、橋本、森下、山村等と同じグループになり、押し花作り、トランプ、アーチェリーなど体験学習ゲームに参加。手先の器用さを活かし綾小路も「頼もしい味方」と評する活躍を見せ、グループの最終順位4位に大きく貢献した。
特典SSではとある場面で綾小路の『感情』を読み取れた描写が描かれている。
12巻学年末特別試験、坂柳の策略によって自暴自棄に陥り暴力行為のリスクまであった時任を献身的な行動により未然に防いだ。時任の暴走を止め、彼の成長を促すというリーダーとして成長した龍園の意図を把握して、その信頼にしっかりと応えた。
綾小路からの高い評価と退学の関連性
椎名から高い評価と強い信頼を抱かれている綾小路だが、彼自身も根本的な考え方や思考がどこか似通っている彼女に対して高い評価を付けている。また同じ読書の趣味を持ち、口数も多くない彼女を波長の合う人間と評し、他者から通常の友達関係より深い位置にいると判断されても無理はないという分析もしている。
軽井沢との交際後であっても図書室で過ごす時間は「今までと変わらないオレだけの安息の時間」と捉えていたり、無意識下で「ひより」と呼び始めていたりと彼自身、心を開いているかのような描写が時折見られる。名前呼びに関しては恋人関係に当たる軽井沢、綾小路グループの佐倉、長谷部も該当するが、前者は自らに不足する要素を補う『駒』として手中に収める為、後者はグループ結成時に下の名前かあだ名で呼ぶことを義務づけられた経緯があり、綾小路側から自発的に呼び始めたのは原作最新刊である12巻に至る現在までもひよりのみである。
綾小路が人間関係を築く過程には、最初から最後までのどこかに打算的なものがあるが、ひよりとの関係では打算的な考えを抜きにした彼の主体性が自然と出ている描写が多く、ずっと相互的に『友人』と解釈している点からも非常にまれなケースであると言えるだろう。
しかし、この二人の距離感に疑念を抱いている生徒も存在する。
綾小路のクラスメイトである洋介は綾小路が椎名を下の名前で呼んでいることを気にしており、いつから呼び始めたのか、彼女とは親しいのかと問いただしている。穏やかな性格の洋介だがこの一連の会話では珍しく不満そうな空気を漂わせており、普段名前で呼んでいる綾小路を名字で呼んだり、「仲が良い人が多いのは基本いいこと」と含みを持たせるかのような受け答えも見せている。
また綾小路を利用し、確実なAクラス行きを画策する橋本は生存と脱落の特別試験において、「椎名に向けられる綾小路の視線と扱い。それらが普通の生徒とは異なっている」と坂柳に報告し、退学の可能性を探るべきだという進言がされている。坂柳もこの発言には強い興味を引かれており、綾小路が『感情』を見せる可能性も考慮に入れ、椎名を脱落のターゲットに定めた経緯がある。
結果としては龍園の策に対抗するべく方針の変更を課せられることになったが、決めた獲物をしつこく狙う傾向にある坂柳の性格。そして綾小路から『感情』を引き出し、壊し、愛したいと願う彼女の心情からも今後も狙われる可能性は非常に高い。
人間関係
日頃の行いは悪いとは思っているが、リーダーであることは認めており彼の好きにやらせている。2年生編以降、龍園が暴力による支配を辞めリーダーとして成長を見せ始めてからは目立たないながらも裏からサポートする機会も増えてきており、龍園自身も椎名に対する認識を改め信頼を置いている模様。
クラスメイト。伊吹には綾小路の連絡先を教えていたり、特典SSでは映画に誘っていたりと日頃周囲から孤立しがちな彼女をよく気にかけている影響か、比較的関係は良好。
龍園から重宝されたこともあってか、当初は石崎から敬語で話しかけられていた。龍園がリーダーを降りてからは普通の口調で話しているが、椎名の性格上敬語を辞めるように石崎に勧めたと思われる。仲は良好で、石崎も椎名のことを強く信頼している。
2年生編における新たなクラスメイト。クラスの参謀として常に龍園の傍に居て難しい問題に取りかかってくれる彼を自分よりもしっかりした人だと評価しており、葛城も椎名を心強いサポートをしてくれる仲間だと信頼している。
人気
出番も台詞数もメインエピソードも、他のキャラに比べてかなり少ない彼女ではあるが、読者人気は非常に高い。
例として、原作小説1年生編11巻と11.5巻の巻末アンケートの集計データを元にした「彼女にしたいランキング」では3位を獲得している(ちなみに1位は一之瀬で、2位は軽井沢)。
『このライトノベルがすごい!』女性キャラクター部門では2021年度に初のトップ30入り(30位)を果たしている。
メインヒロイン格の人物であり、アニメにも登場していた1位の軽井沢、6位の一之瀬、17位の坂柳の3人を除けば、同作のキャラでランキング入りしているのは彼女のみである。
まだアニメにすら登場してない時期というのはアニメしか見ていない層などを中心とした世間一般には知られづらい時期であり、その作品内の人気ランキングならばともかく、基本的にこういう「多作品のファンを対象とした広い範囲でのランキング」には入りづらいものである(逆にそれまで目立っていなかったのに、アニメに登場したが故に人気が爆発したキャラクターというのは他作品にも数多く存在する)。
そんなタイミングで高順位を取っている辺り、彼女の読者人気の程が窺える。
公式ヒロイン化
読者人気は高くとも、今まで公式側から特別優遇された扱いを受けてこなかったひよりだったが、画集第2弾『ようこそ実力至上主義の教室へ 終・1年生編BOX トモセシュンサク Art Works』の表紙に1年生編ヒロインズとして出演している。
堀北、軽井沢、一之瀬、坂柳の4人は特典の『short stories』の表紙にもなっているので公式でヒロインと認められており、そこに並ぶことが出来た彼女はもう公式ヒロインと言っても過言では無い。
画集第1弾は彼女が初登場した6巻の少し後に発売された為、表紙に載ることは無かったが2弾においては主人公の綾小路と共に新たに表紙に映り込んでいる。
また『ようこそ実力至上主義の教室へ』Blu-ray&DVD全巻収納BOXにて再度トモセシュンサク描き下ろし1年生編ヒロインズとして出演している。