「ギャンブルってのは良いもんだなぁ。適当にサイコロを振ってみるもんだ」
※本記事にはアニメ未公開のネタバレ情報を含みます。閲覧の際にはご注意ください。 |
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概要
『ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編 10巻』で行われた特別試験。
2年生編3学期最初の試験で、同学年4クラス対抗戦。各クラスがジャンル・難易度を選択し、対象クラスに課題を出して得点の増減で優劣を競い合う試験内容である。
課題の解答に3回ミスをした生徒は脱落となり、最終的に最下位のクラスの脱落者からリーダーが指名した1人が退学する。
特に今回は4クラスのリーダーを除くと、橋本正義をメインに据えた内容である為、彼の行動全てが今回の試験内容の大きな伏線となっており、後々非常に重要な要素となっている。
ルール
・学校側がジャンル別の課題を多岐にわたり用意しており、各クラスはジャンルを選択し、難易度を選び、特定の決められた順番で対象クラスに課題を選択する。
特別試験の流れ
前半戦
例 | ①Aクラス→②Bクラス→③Cクラス→④Dクラス→①Aクラス |
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※仮にこの組み合わせになった場合、時計回りにAクラスがBクラスに対して課題を出す攻撃側、Bクラスは課題を解く防御側となる。課題を正解させるとBクラスに得点が入り、今度はBクラスがCクラスに対して課題を出す攻撃側となる。
この様に攻撃と防御を繰り返し全クラスの課題が1周すると1ターン経過となり、合計10ターン経過すると前半戦終了となる。
後半戦
例 | ①Aクラス←②Bクラス←③Cクラス←④Dクラス←①Aクラス |
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後半戦は反時計回りに矢印を入れ替えてもう10ターン課題を行う。前後半合わせて20ターンの攻防戦を繰り返す。
もっと簡単に説明すると、攻撃側のクラスがクイズを出題し、防御側のクラスがそれを解くという繰り返しである。
攻撃側
・ジャンルを選択し難易度を選ぶ。課題を与える生徒を指名し攻撃する。
攻撃制限
・生徒の連続指名回数に制限はなし。同一ジャンルを連続して選択することも可能
・開始後3分以内に対象防御側クラスに在籍する5名を指名し担当官に宣言する
※時間制限に間に合わなかった場合は指名できなかった人数分ランダムに決定される
出題可能ジャンル一覧
文学、歴史、科学、社会、スポーツ、芸能、音楽、経済、雑学、英語、計算、ニュース、漢字、生活、グルメ、サブカルチャーの16種類
難易度
・1〜3の3段階(数値が増えるほど高難度となる)
※攻撃側が防御側に出す課題の難易度を一つ上げると、保持している得点を1点支払う事になる。
対象人数
・5名
防御側
・リーダーの指名により課題毎に5名をプロテクトできる。攻撃側の指名した5名の中にプロテクトした生徒が存在していた場合その生徒は正解扱いとする。
・攻撃側の作業終了後3分以内に自クラスに在籍する5名を指名し担当官に宣言する
※時間制限に間に合わない場合は指名できなかった人数分ランダムに決定される。
課題の除外
・各生徒は全16のジャンルから事前に最大3つ、課題を自由に除外することができる
・除外された課題を攻撃側クラスは選択できない
脱落
・合計3回不正解となった場合、その生徒は脱落し以後指名の対象にはならない
・また脱落者1名につき得点がマイナス1加算される
※獲得している得点が0点の場合でもマイナスは蓄積される
・3回間違えて脱落した生徒を抱えたクラスが4クラス中最下位に沈んだ場合、その脱落者の中からリーダーが指名した1名が退学することになる。
得点
・課題に正解(もしくはプロテクト成功)した場合1名につき1得点が与えられる
・不正解による得点の減少は存在しない
報酬
1位クラスポイント 100
2位クラスポイント マイナス50
3位クラスポイント マイナス50
4位クラスポイント マイナス100
※最高得点のクラスが複数出た場合は延長戦を行い決着をつける
※4クラス全て同率得点で試験終了した場合は全クラスポイントマイナス100とする
リーダー
・今回は選抜種目試験の司令塔のように、クラスから立候補制でリーダーを1名選ぶ。リーダーは課題の対象から除外される為、上記の司令塔とは反対に退学の危険性はゼロ。
・しかし、防御側の際にプロテクトする生徒を選んだり、攻撃側の課題のジャンルと解答する生徒を指名するのもリーダーである為、退学する可能性こそ無いが、試験の勝敗においてもっとも負担がかかる役回りとなっている。
各クラスリーダー
・今回は順当に各クラスのリーダー格の生徒が、そのまま試験のリーダーに選ばれるという結果になった。
補足事項
・今回は課題の対策のため、試験中は課題解答時を除いて携帯電話の使用が可能。
・その為、別クラスの生徒への連絡も可能となる。
・また課題に答える5名以外の生徒を仮病で休ませ、全ての防御プロテクトを成功させる作戦を池が思いついているが、作戦に気付かれた場合は残りの3クラスに談合される可能性が極めて高く、また自分たちが防御側の際に難易度上昇が行われる事もなく消費得点も抑えられる為、残りの3クラスに対策された場合はほぼ確実に最下位になってしまうというデメリットが存在する。
動向
上記の例の通り、前半戦の攻撃の順番は以下の様になった。
①Aクラス→②Bクラス→③Cクラス→④Dクラス→①Aクラス |
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後半戦は矢印を反対し、攻守入れ替えとなる。
前半戦
試験開始から直ぐに、坂柳は堀北クラスの高円寺を連続指名する。2度解答に答えなかった高円寺だったがプロテクトポイントを失いたくなかった彼は坂柳からの課題に解答し、3度目のミスを回避し脱落を免れる。
堀北はあえて高円寺をプロテクトしない事で彼を脱落させ、仮に最下位だった場合は退学者に高円寺を指名してプロテクトポイントを消費させ、誰も退学させないようにしようとしていた(堀北は高円寺の自由は約束しているが、高円寺のプロテクトポイントを守ることは約束していない)。坂柳は高円寺が解答を成功させると直ぐに攻撃対象を変更した。
一方で堀北は対一之瀬対策として、脱落者を出そうとしない彼女の性格上、プロテクト範囲を狭めると判断し、攻撃する生徒を分散させプロテクトを失敗させる方針を取った。
前半戦終了時点
1位 坂柳Aクラス 29点
2位 堀北Bクラス 28点
脱落者 外村、伊集院、本堂
3位 一之瀬Cクラス 24点
脱落者 なし
4位 龍園Dクラス 19点
脱落者 石崎、磯山、矢野、諸藤
後半戦
後半戦は攻守が逆転し、坂柳は龍園クラスへの課題難易度を上げて果敢に攻撃するも、何と龍園は5人全員のプロテクトを達成し、誰も脱落させる事なく1ターン目で5点を獲得。
そして堀北クラスに対して攻撃側となった一之瀬は、課題に答える生徒に軽井沢を10ターン連続指名をする。
怒涛の一之瀬からの攻撃に軽井沢は恐怖するが、堀北が軽井沢にプロテクトを集中させた結果、軽井沢は脱落する事なく合計10得点を獲得する。
そして龍園は坂柳からの攻撃全てをプロテクトし、一気に最下位から首位まで急上昇。一之瀬も龍園からの攻撃を高確率でプロテクトし、前半戦の点差が相殺され完全に四つ巴となる。
実は龍園と一之瀬は試験開始直後から組んでおり、龍園は一之瀬が前半戦で誰も脱落者を出さない事を条件に共闘を受け入れる。
全ては坂柳を最下位にさせる為の利害の一致であり、後半戦に龍園は坂柳の答えを全てプロテクトし、一之瀬は龍園の指示に従って防御側として龍園からの課題をプロテクトした。2クラスが得点のコントロールに動いたことで、一之瀬は最後の仕上げとして軽井沢を連続指名。軽井沢をプロテクトした堀北に10得点をあえて与えた事で、坂柳クラスと堀北クラスの順位が逆転し、最終的に坂柳を最下位に引き摺り落とすことに成功した。
龍園が坂柳からの攻撃を完全防御に成功している為、あとは堀北が地道に坂柳クラスに攻撃を積み重ねて順位が決まっていく。
最終結果
1位 龍園Dクラス 69点
2位 一之瀬Cクラス 62点
3位 堀北Bクラス 59点
4位 坂柳Aクラス 53点
前半戦の順位とは完全に真逆の結果となっており、坂柳の攻撃を完全にプロテクトし切った龍園が逆転勝利するという結果に終わった。
結末(ネタバレ注意)
龍園が坂柳の攻撃を完全に見切っていたトリックとは、単純に坂柳クラスに内通者を作っており、坂柳が龍園クラスに攻撃を仕掛ける際にその攻撃対象を龍園に逐一報告させていたからという非常にシンプルな戦法である。
これにより坂柳クラスは脱落者から退学者を1人指名しなければならなくなり、坂柳はあくまで公平に選ぶ方針を取り、くじ引きで退学者を選んだ。
そして、退学者のくじを引いた生徒が、坂柳の側近の神室真澄だった。これにより、Aクラスはマイナス100クラスポイントと神室の退学という完全敗北の結果に終わった。
そして、龍園から多額のポイントを受け取って内通していたAクラスの生徒は橋本正義である。前回の協力型総合筆記テストで堀北クラスに敗北した事や、負けられない筈の体育祭に綾小路が休んだという理由で坂柳がクラスを放置して平然と休んだ事から、橋本は坂柳にずっと不信感を抱いており、今回はとうとうそれが表面化された結果となった。
神室が退学する際に、坂柳は裏切った橋本を同じ目に必ず遭わせると誓った為、この試験を経て坂柳と橋本は完全に決裂した。
試験の余波
今回は龍園の一人勝ちで終わったが、龍園がやった事は単純に橋本を裏切らせただけである為、完璧に練られた戦略とは言えず、ひよりはクラス全体が龍園一人に頼るしかない現状を憂いている。
そして2位という結果に終わった一之瀬だが、龍園と互いを利用し合った結果、ほとんど彼女の想定通りで試験を終えている。
龍園が一之瀬と組んだ理由も、一之瀬が最下位に沈んで得られるメリットが少ないこともあるが、前々から龍園は坂柳を潰す前に今の一之瀬を敵に回すことを危険視していた為である。
実際に一之瀬は今回の試験で軽井沢を連続指名しており、堀北からは坂柳を最下位にする為に10得点を無条件で渡す際の演出と考えられているが、わざわざ攻撃対象を軽井沢にする必要性も無いので、明らかに綾小路を巡る恋敵への私情が入っているのは最早明白だろう。
その為、敵対者に対して一切の容赦をしなくなった一之瀬を自分に協力させる形で利用した点については龍園の評価となっており、実際に綾小路からは試験終了後に「龍園は一皮むけて先に進み出した」と称されている。
一方でマイナス100クラスポイントで試験を終えた坂柳は初めてこの学校で挫折を経験した。さらに三人の側近の内、一人は退学し、二人目は自分から離反した結果、頼れる側近が鬼頭のみとなった事は坂柳にとって大きな痛手であり、今後、何かしらの影響が出る可能性がある。
神室は退学こそしたものの、編入先の高校は幾つかあるらしいので、そちらに向かう事を伝え、最後に坂柳に裏切り者は必ず報復させることを約束させ、隣にいた綾小路にもそれを見届ける様に伝えた。
余談
龍園が橋本と内通して圧勝した事もあって、携帯が試験中に使えるというルールに穴があると一部の読者から指摘されているが、そもそも裏切り者を出さないというのは学校側が配慮すべき事案では無く、クラス内で試験前に未然に防ぐものである。
むしろジャンルが幅広い課題に一問でも多く答える為に携帯から得られる情報は必要な為、ルールに穴があるとまでは言えないだろう。
また意外にも、今回は綾小路がまるでクラスの戦力になっていない試験でもある。リーダー同士の読み合いに関しては完全に堀北の判断に一任し、自身は課題を解答する側に徹していたが、2問ミスをし、脱落のリーチに掛かってしまっている。
サブカルチャーの知識が全く無いという綾小路の弱点が明確に露呈した試験でもある為、綾小路が本気で課題に苦戦するというかなり珍しい展開となった。
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