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オミクロン株の編集履歴

2022-02-13 12:35:15 バージョン

オミクロン株

おみくろんかぶ

2021年11月に南アフリカ発見の新型コロナウイルス変異種。

概要

2021年11月南アフリカ確認された新型コロナウイルス変異種、ギリシャ文字のオミクロン(ο)で分類。同月下旬には懸念される変異株(VOC)に認定された。


※これ以降は、現時点で判明していることを踏まえて執筆している。とはいえ、まだまだ不明点も多いため、状況に応じて適宜加筆・修正をしていただけるとありがたい。


特性

未だ不明な点が多いものの、2021年11月29日時点では、変異箇所は全部で32カ所と過去最多、そのうえ、そのうちいくつかの箇所では今までの変異株に存在しない新規の変異が確認されている、ということが判明している。また、この変異株はデルタ株以上の感染力を持ち、ワクチンの効果を下げる可能性があるという指摘もある。

ただし、発見された時点よりずっと前からアフリカ諸国で蔓延していた可能性も指摘されており、研究体制の整わない国で伝播していたため発見されなかった可能性も低くない(南アフリカで確認できたのは相応にレベルの高い研究機関があったためである)。

「2020年の夏には既に存在したのではないか」という説もある。


また、オミクロン株は今までの変異株とは異なり上気道で増殖するという特性があるため、従来の変異株では感染しにくいと考えられていた子どもへの感染事例が次々と報告されている。


流行のピークアウトもデルタ以前に比べればかなり時間がかかると言う観測もある。


症状

重症化率に関しては諸般の議論があるものの感染力がかなり強いこと自体は確実視されている。研究者・研究機関によって評価には多少のズレはあるものの、感染力に関しては「デルタ株の3倍程度上がっている」とみなされることが多い。

「軽症で済む」との見方もそれなりにあったが、アメリカなどでは子供の入院も増えており高齢者や基礎疾患持ちの死亡例も確認されていることから「重症化は絶対しない」という楽観視はできない。加えて、ワクチン未接種者はワクチン接種済みの人と比べて重症化しやすい模様。

フランスでは挿管に至る重症者のほとんどが未接種という病院の事例も報告されている。


発症までは比較的早く、2日か3日での発症もザラ。潜伏期は長くても8日くらいと見られている。

従来株よりも上気道で増殖しやすいとの研究結果も発表されておりこれが咳に含まれるウイルス量を増やし飛沫での拡散力増大につながっているのという指摘もある。

肺より上気道での増殖が多いことが「酸素吸入やECMO導入に至る重症者の割合を下げているのでは」との指摘もある。

SNSなどで上がっている一般人の罹患体験、罹患した芸能人のブログやSNSにも「喉の痛み」を症状としてあげる人が多い。

そのほかの症状としては関節痛や寒気などを訴える人も少なくない。

「軽症」の範疇であってもひどい吐き気などに苦しむ人もおり(参照)、後遺症に関しても油断はできない。

そもそも「軽症が多い」と言っても実際はインフルエンザよりきつい」こともザラなので舐めてかからない方が良い。普段から体を鍛えていて20代で接種済みのハロプロメンバーでさえ数日間の高熱に悩まされるほど体感的には厳しかったとのことである。参照参照



こうした特性から、デルタ株以上に厄介な存在ではないかと危惧されており、それゆえ、オミクロン株の登場は、脱コロナ禍に向けて動き出していた世界各国に大きな衝撃を与えた(影響は後述する)。

とはいえ、現時点ではまだ不明点が多いため、今後の報道等を注視していただきたい。


オミクロン株登場の影響

オミクロン株の登場は、脱コロナ禍に向けて動き出していた世界各国にも大きな衝撃を与えた。


ヨーロッパ諸国では、デルタ株の感染再拡大に加えてオミクロン株までも登場したことにより、脱コロナに向けて段階的に撤廃してきたコロナ対策のための規制を再度導入する動きが出ている。

ワクチンパスポート義務化もさらに加速しており、フランスなどでは「ワクパスなしでの外食不可」まで踏み出している。


また、オミクロン株流入を警戒した各国は次々と検疫の強化・入国制限といった水際対策強化の動きも見せており、日本もその動きに追従する形で、2021年11月29日に「11月30日から当面の間、外国人の新規入国を原則停止する」という方針を示した。



しかしその対策も虚しく欧米諸国では感謝祭クリスマス年越しという帰省やパーティの多いシーズンも手伝い、デルタ株とのダブルパンチで感染者数が激増する自体に至りアメリカイギリスフランスなどは1日の新規感染者数の記録が大幅に塗り替えられる事態となり、一時期は減少していたインドや南米も万単位の増加が続出。

特に南半球の国々はちょうど夏のバカンスシーズンともなって対策がおろそかになったところも多かった模様。


あまりの感染速度の速さにこれまで厳格な都市封鎖や規制で対応していた国も抑えきれず、韓国では「K防疫」の方針を大幅転換して感染者の徹底追跡を断念、感染者のケアも高齢者にウェイトを置き50歳未満は原則自宅療養となり若年罹患者への救援物資配布も中止。

欧州や米国の一部州では長引く不況や国民の不満に耐えきれず、ワクチン義務化強化とともに「マスク義務化撤廃」「規制を全て解除」などもはやヤケクソに等しい策が打ち出され出している。



また、オミクロン株の登場は回復基調にあった世界経済にも多大な影響を与えた。実際に株価は軒並み下落し、前日まで値上がりが続いていた原油価格さえも暴落、2か月半ぶりの最安値を記録するといった現象が見られた。


日本国内の出演者のみのイベントは今の所中止はそれほど出ておらずコミックマーケット99などの年末大型イベントも予定どおり規制の中ではあるが開催された。

しかし外国からの出場者が出るイベントには入国禁止に伴い影響が出ており、12月上旬に大阪市で開催予定だっったフィギュアスケートのグランプリファイナルが中止となった。

国内出演者のみのライブやイベントでワクチンパッケージに参加していない公演でも「ワクチン接種証明かPCR検査結果証明の提示」を義務付けるところが出てきている。


ワクチンの効果もあって一時期は東京都の感染者数は1桁まで抑えられていたが、2022年は年末年始や冬の季節という影響もあり再び感染者数が増加した事で1週間で東京都の感染者数は10倍以上まで膨れ上がり第6波の始まりとなった。

特に沖縄県は第5波を越える4桁の感染者数になったことで山口県、広島県も含め再びまん延防止等重点措置が適用される事態となった。

沖縄県の急増には米軍基地からの流入(アメリカの風習的にマスクが不徹底になりがち)も指摘されているが、一方で米軍基地を抱えつつ感染抑制できている地方もあるため、沖縄の低いワクチン接種率や大人数での親族行事を重視する地域の風習もあると思われ、現地の病院の医師も「(原因は)ほぼ会食。正月、忘年会で会って、1人の陽性者から芋づる式で感染している」」と明言している。参照

その他の地方でも年末年始の気の緩みや忘年会・新年会・帰省の際の親族の会食によるクラスターが多発しており、名古屋市では2/3以上が帰省関連と指摘されている。

成人式シーズンの後はさらに激増しており、成人式後の同窓会や飲み会での感染が広まっており「20代の罹患者が圧倒的に多い」地方が多数出ている。

2022年1月22日に東京都の感染者数は遂に1万人を越えてしまい、各都道府県も感染者数の過去最多を常に更新している事で東京都や大阪府など感染拡大している地域を中心にまたしてもまん延防止等重点措置が適用された。


芸能界ではこれまでもコロナに感染した芸能人がたびたびニュースになっていたが、オミクロン株による感染拡大の影響で芸人やアイドルなどメディアに引っ張りだこの芸能人達も次々と感染及び濃厚接触者に認定される事で自宅や別のスタジオからのリモートが再び増えたり、出演予定だった芸能人の代役が出演するなど各テレビ局でも対応に追われている。


予防

未だ詳細が不明な点が多いが、基本的な性質はこれまでの株と同じであるため「手洗い、換気、マスク」「三密を避ける」と言う基本的な対策を改めて徹底しよう。

コロナワクチンも2回以上の接種と未接種では重症化の確率が大幅に変わるとの見方もあり、体質的に可能であればやはり受けた方がよい。


「参加者が高い割合でワクチンを接種しておりマスク着用義務」「屋内ながら吹きさらしに近い環境」であったコミックマーケット99では会場内の感染者報告が無く、わずかな感染者も会場外での飲み会由来であったことが判明するなど、「マスクと換気とワクチン」のセットがオミクロン株に対しても高い予防効果を示すことが証明されている。


感染者数が急増している地域では実店舗での会食は避け、オンライン飲み会などに転換すること。

まだ接種ができない年齢の子供や体質的に接種できない人を伴う旅行も、行き先の感染状況が悪化した際はキャンセルするか現地での予定を変更して会食や現地の知人親戚との面会を取りやめ、屋内の混雑した設備への立ち入りを避けること。


そして何より大事なのは「怪しい症状が出た時は仕事や学校、イベント予定は休む」を鉄則にすることである。特に喉の痛みが強く出ている時は検査を待たず休むこと。

サイクルが短いだけに、我慢して外出することで広範囲に感染を撒き散らす可能性が強い。


2021年の秋冬は欧米や韓国でも感染者数が激増しているが、感染者数自体はオミクロン株よりむしろその以前のデルタ株なども多く、デルタの流行が収まりきらないうちにオミクロンが蔓延した、というのが正しい見方である。

これらの国で既に現在進行形で新たな変異株が発生している可能性もあり、「どんな株がいつ来てもおかしくない」という緊張感は維持して対策を行おう。


また、オミクロン株の重症化率が仮に低かったとしても感染者数の総数が多ければ比例して重症者数は増えて医療崩壊に繋がる

事実、アメリカではすでに入院患者に使う治療薬が底をつきかけている自治体もあり薬の生産も追いついていない状態にある。

加えて、小さな子供の感染が広がることにより、学級閉鎖や保育所の閉鎖により働くことが困難になる親世代が増加する悪い波及効果もある。アメリカなどでは運輸関係の職員が多数感染したことにより鉄道や航空の運転手が不足して欠航が相次いでいる。


感染拡大はしないに越したことはない」のである。



余談

  • 飛ばされたν(ニュー)とξ(クサイ)

この記事でまとめられているオミクロン株の直前に当たる変異株はミュー株であり、ギリシャ文字のν/Ν(ニュー)とξ/Ξ(クサイ)が飛ばされている。これについてWHOは公式には理由を明かしていないものの、イギリスのメディア「テレグラフ」のシニア編集委員はTwitterで以下のように発言したので、そのまま記載する。


「WHO関係者によると、ギリシャ文字のニューとクサイは意図的に避けられた。ニューは「new」という言葉と混同するため、クサイは『ある地域に汚名を着せないようにする』ためにそれぞれスキップされた」


  • 尾身クローン

オミクロンという名称が決定した際、日本国内では「オミクロン株ならぬ《尾身クローン株》じゃないか」とツッコまれ、若干話題になった。

なお、ここでいう「尾身」とは2021年現在、新型コロナウイルス感染症対策分科会の会長として知られる尾身茂氏のことであると考えられる。

日本国内では、「ξ(クサイ)がある地域に汚名を着せないように配慮したために飛ばされたのではないかとするなら、なぜ尾身氏には配慮しなかったのか?」といったツッコミも見られた。

外部リンク

感染症専門医の忽那賢志による解説。

リンク先PDF。諏訪中央病院の玉井道裕医師による解説


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