「私は‥‥‥私は‥‥‥逃げるんじゃない!」
概要
リメイク作品『宇宙戦艦ヤマト2199』の劇場アニメ作品『星巡る方舟』で初登場した、空間騎兵隊所属の女性隊員。空間騎兵としては初の女性キャラクター。
プロフィール
所属 | 宇宙海兵隊 空間騎兵隊 第7連隊→第11番惑星駐屯 第7連隊→空間騎兵隊 第65特別任務隊(『2205』) |
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肩書 | 第7連隊副隊長(『2202』第13話~)→第65特別任務隊小隊長(『2205』) |
階級 | 一等宙曹(『星巡る方舟』)→宙曹長(『2202』)※→三等宙尉(『2205』) |
生年月日 | 2173年5月23日 |
年齢 | 25歳(『星巡る方舟』の時点)→29歳(『2202』)→32歳(『2205』) |
出身 | 静岡県 |
CV | 雨谷和砂 |
※第6話にて「永倉曹長が~」とのセリフあり。
人物像
空間騎兵隊の一員で、初登場時は月面に配備されていた第7空間騎兵連隊に所属していた。登場した隊員たちの中でも唯一の女性兵士でもある(ただし生き残りの中での話であって、本当は他にも女性兵士はいたと思われる)。
容貌はブラウンのロングヘアをポニーテールに纏め上げているが、3総ほど前髪が垂れている。口元の黒子がチャームポイント。
装甲服で登場した『星巡る方舟』では分からなかったが、後の『宇宙戦艦ヤマト2202』で制服姿で登場した際には、その制服の上からでも解る程のバストの持ち主でもある。
また空間騎兵隊に所属しているからか、性格はどちらかというと男勝りな方である。
同僚の斉藤始とは気の置けない間柄で、お互いかなりフランクに接している。距離感が近いため恋愛的な雰囲気はあまり感じられないが、永倉は心の底では斉藤のことを想っている。斉藤の方も彼女との関係は満更でもなかったようで、『2202』の終盤では斉藤から「俺の女房」と言われている。
元上官であった桐生悟郎を慕っているらしく、「あきらめるな、それが空間騎兵魂だ!」と同僚の倉田勝を叱咤した際に「はいっ!」と元気よく復唱した。
経歴
2199版
空間騎兵第7連隊の隊員として月面駐屯地に駐留していたが、駐屯地はガミラスの空母艦載機隊の爆撃で壊滅してしまう(この艦載機部隊がテレビ版第2話で偽装中のヤマトを空襲したポルメリア級の部隊である)。
壊滅した駐屯地内で辛うじて生き残り、残った仲間と共に救援を待っていた。ただし地球事態も余力がなかったことから、倉田の「俺達の事なんか忘れちまってんだよ」と絶望的な見解を口にした際には「倉田!」と反論しようとした。そこで隊長の桐生が窘め、叱咤したことから希望を持ち直す。後に救援に来たキリシマに助けてもらったが、結局は桐生が先に逝ってしまった。
2202版
第2章
その後、ガミラスとの停戦を経て復興した地球において、第11番惑星に再び第7連隊隊員として配属され、第7連隊隊長斉藤始も一緒となる。気さくに駐屯先の住民と交流を深め合う斉藤を茶化してみたりするなど、フランクさが見て取れる。
クリスマスの催しをしていた最中で彼女も楽しんでいたが、謎の美女がビルのベランダから怪しげな祈りを捧げているの目撃する。その直後にガトランティス先遣艦隊の爆撃を受ける事となり騒然となった。斉藤と共に、足が不自由で動けない車いすの老人とガミラス人の幼い兄妹に瞬時に駆け寄り、斉藤は子供二人を抱え、永倉は車椅子を軽々と押し走って避難した。
やがて上陸してきた無人兵器ニードルスレイブとガトランティス兵士との白兵戦となるが、奇襲で一方的な展開を見せたガトランティスが優位であった。永倉は装甲服を纏って夜間を見回っていたところで、先に救出したガミラス人少女を発見。ニードルスレイブの餌食になる寸前のところで助けた。
その後、兵士と住民全てを根絶やしにする事を露わにしたガトランティス軍司令官に業を煮やした斉藤が、永倉にワープ機能を有した1人用シャトルを使って脱出させて救援を連れてくるよう命じた。それに最初は「私が女だから?」と反発したが、信頼するからこそ、と説得される。
発進する際には「私は逃げるんじゃない。救援の船を連れて戻るんだ!」と心に刻んでワープした。その後彼女の思いは果たされ、気絶したところでヤマトに発見されて11番惑星救助に動き出すこととなった。
第3章
第11番惑星の避難民がヤマトに救助された後、惑星シュトラバーゼにてガミラス艦隊と合流した折にガミラス艦に乗り換え、そのまま地球へ向かう予定となる。同じく避難民の誘導を担う森雪に対して持ち運び可能な通信機を渡している。だが反乱軍の武力介入によって、移乗することは断念され、ヤマトに逆戻りとなる。
宇宙蛍が艦内に潜り込んだ際には、艦内に侵入してしまった宇宙蛍に他の乗組員共々に魅了されてしまい、トランス状態に陥っていた。斉藤と行動中に、宇宙蛍の入ったケースを抱えて悩ましげに見ている古代進を発見する。斉藤が見かねてエレベーターに乗り込む古代を追いかけ、永倉も続こうとするが黙然でドアが閉まり衝突。その衝撃で正気を取り戻し、慌てて森雪に古代と斉藤の一悶着を伝えた。
第4章
スパイである桂木透子が本性を現して逃走した際には、斉藤達と共に確保に動き、桂木と激しい格闘戦を繰り広げるが競り負ける。
テレザート星上陸作戦に際して、副隊長を拝命。2式空間機動甲冑でテレザート直衛艦隊を強襲した。
その後はテレザート地表でザバイバル陸戦師団と交戦。敵部隊を壊滅させ、作戦自体は成功したが、最後に残った敵旗艦の反射衛星砲により部隊が損害を受け、斉藤から撤退を指示される。
第5章
撤退を指示されたものの、斉藤の身を案じてその命令を無視し、テレザリアムでデスラーと交戦していた彼らの下へ援軍として駆け付ける。
その後、キーマンの裏切りによりノイ・デウスーラに捕らえられるも、二重スパイだったキーマンの手で解放され、脱出する。
第6章
白色彗星内に墜落するヤマトに古代達ともども取り残される。その後、不時着した惑星で斉藤やキーマンとともに調査を行い、ゼムリア人の記録装置を発見する。
ヤマトが白色彗星から脱出し、決戦に再出発した後、デスラーとの戦いでは機動甲冑に乗ってヤマト艦内での白兵戦を行う。
小型ニードルスレイブの猛攻に窮地に陥るが、斉藤に庇われる。しかし、ニードルスレイブは斉藤を友軍判定して撤退。それにより斉藤はある事実に気づいて絶望し、姿をくらます。
第7章
自分がガトランティスの無自覚なスパイだと知ってしまった斉藤が自殺しようと宇宙へ身を投げ出したところで駆け付け、彼を説得し、再びヤマトで戦うことを決心させる。
最終決戦では機動甲冑で都市帝国中枢へ侵入してニードルスレイブとの戦闘を行った。
都市帝国が進化を始め、キーマンと斉藤が都市帝国中枢へ捨て身の攻撃を仕掛けに行く際は、止めようとする古代の乗機にしがみつき、「行かせてやってください」と説得した。
その後、斉藤達が都市帝国中枢を爆破した時の衝撃で気を失い、乗組員がヤマトから退艦する際は意識が無いまま担架に乗せられていた。
終戦後は英雄の丘での戦死者の弔意式に参列。
さらに高次元宇宙の古代達を救出する際のヤマトにも乗艦した。
2205版
三等宙尉に昇進し、第65特別任務隊の小隊長として補給母艦アスカに配属される。
キャロライン雷電を始めとする31名の部下を率いており、厳しくも優しい目で彼らを見守っている。
余談
『2202』の脚本制作初期、脚本家は永倉の存在が頭に無かったらしく、本編の永倉と同じポジションにいるのは有沢絢という新キャラクターだった。
全記録集初版の脚本集を見ると少なくとも第17話までは有沢だった模様(ちなみにBD初回特典の方では永倉に修正されている)。