「王には王たる条理がある!!! 不条理は貴様だ!!!」
概要
科学戦闘部隊ジェルマ66の幹部「スパーキングレッド」。ヴィンスモーク家長男で、サンジの兄にあたる男。
ぐる眉と赤髪、右側が長め気味で2つのくせ毛のような出っ張りがあるのが特徴のアシンメトリーな髪型をしており、サングラスをかけている。
二つ名同様、赤色に大きく1が描かれているマントを着用しており、その下にはヨンジと同じような戦隊物のような服装をしている。
ちなみに、名前と全身像が出たのは838話が初めて。
プロフィール
本名 | ヴィンスモーク・イチジ |
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年齢 | 21歳 |
身長 | 186cm |
肩書き | ジェルマ王国王子 |
所属 | ジェルマ66「スパーキングレッド」、ヴィンスモーク家長男 |
所属船 | セント・ジェルマン号 |
出身地 | 北の海 ジェルマ王国 |
誕生日 | 3月2日 |
血液型 | S型RH- |
好物 | イチゴ、ウイスキー |
武器 | 形状記憶鎧「レイドスーツ」 |
CV | 杉山紀彰、鈴木真仁(幼少期) |
人物像
最高傑作と評されるヴィンスモーク5兄弟の中でも、常にトップのスコアを出していたリーダー的なポジション。
王族としての在り方に強いこだわりを持っており、サンジがヴィンスモーク家の在り方を否定した際にはサンジの言い分を「多数弱者の戯れ言」と否定し王には王の条理があると切り返した(その時に発せられたのが記事初頭のセリフである)。
父・ヴィンスモーク・ジャッジの「弱さこそ悪」という考えを最も強く受け継いでいる。
落ちこぼれのサンジを「兄弟唯一の汚点」として憎悪しており、幼少期に率先して虐待していたイジメの主犯格でもあった(笑いながらサンジをイジメていたニジとヨンジに対し、彼だけは本気の表情で徹底的に甚振っている)。その当時のトラウマもあり、サンジはイチジを非常に恐れている。
また、支障が出ない程度に遊びを入れるニジやヨンジに比べると、与えられた任務を遂行しようとする意思がより徹底していて容赦がなく、劣勢となれば他の兄弟たちはおろか、自身の命すら捨て駒として計算に入れるほどの常軌を逸した冷徹さを持っている。
基本的な性格は冷静で作中現時点では大きな表情の変化が見られないため真意が見えにくい。(ある程度笑うくらいに変化はするがニジが激怒したサンジに蹴り飛ばされても動揺せずゼフの命を盾にすることで瞬時にサンジを制した)。
女好きではあるようで、ルフィと共に駆け付けたナミを見て目がハートになっている。
イチジら4兄弟は同じ日に生まれた「四つ子」だが、サンジを除く3人はジャッジによって施された血統因子の操作によって、生まれながらに、「哀しみ」や「憐れみ」といった戦いに邪魔となる感情が完全に欠落している。この影響で、レイジュ曰く「自分の死にさえ無感情」であり(というより自身の命も含めて生死に価値観を抱いていない)、ビッグ・マム海賊団に裏切られて一家全員が皆殺しにされそうになっているという状況の中、まるで他人事のようにニジやヨンジと雑談をしており(イチジは命乞いするジャッジを見て「見苦しい」と呟き、ニジとヨンジは笑いながら自分の命を諦めていた)、その様子をレイジュから「我が弟達ながら人間とは思えない」と内心気味悪がられ、さすがにここまで人間味がないのは計算外だったのか、彼らをこのようにした張本人であるジャッジさえも驚愕させた。
しかし、サンジを始めとする麦わらの一味に助けられた際は動揺を見せ、ニジやヨンジも含め何かしら心境の変化があった様子。
また、強弱に関する極端な考えとも、ある程度向き合えるようになったのか、目くらまし等を変則的な技巧を混ぜた技や、撤退という消極的ながら懸命な指示を出すなど、レイジュとは方向性こそ違うが理知的な言動が増加した。
戦闘能力
ジェルマの戦士たちは戦闘の際には「レイドスーツ」を着用する。イチジは白いマントに「1」の数字が書かれた赤いレイドスーツを装備して戦う。加速装置、浮遊装置、盾になるマントが備わったレイドスーツを纒うことで戦闘能力は向上し、空中や燃える戦場での戦闘も可能になる。
イチジは兄弟の中では速度と腕力共にバランスのとれた身体能力を持っており、固有の能力としては「スパーキングレッド」の二つ名を持つ通りに火花を発生させることができる。戦場では主に火花を纏ったパンチを繰り出し、集団相手には火花を全体に拡散させる戦術をとる。
また他の兄弟たちとは異なり、火花による目眩ましなどの頭脳的な技を使用する描写がある。
またジェルマへの忠誠心が高い部下たちに「壁」と一言発することで、その部下たちを盾代わりにすることもできる。
レイドスーツを装着する前でも外骨格が発現した体は非常に堅牢であり、幼少の頃には既に大人の兵隊を一捻りできるほどの戦闘能力を持っていた。ちなみに幼少期の訓練の成績はどの科目も優れていたため、イチジは兄弟の中では最も強い戦士だと思われる。
弱点としては感情操作による恐怖の欠落故か、慎重さがレイジュより下回っていたようで本編では他の兄弟ともども無警戒に式に参列し、戦闘能力を活かす間もなく捕縛された。だが、サンジ達に解放されてからは護衛対象を逃すため等に活用された。
技
- 混色バグ(ブラックバグ)
ニジ、ヨンジとのコンビネーション技。
- 火花フィガー(スパーキングフィガー)
火花を発生させて渾身のパンチを放つ。対カタクリ戦で使用。
アニメでは火花フィガー・ダブルという両手で放って爆発を起こす技も披露している。
- 火花光拳 (スパーキングヴァルキリー)
始めに目から発する火花で太陽拳やライティングのような目眩ましを行い、相手の視力を短時間奪いつつ硬直させる。そしてその隙に間合いを詰めて火花による連撃を行う大技。
カカオ島で使用し、耐久力が高いシャーロット・オーブンにも吐血させる程のダメージを与えた。
来歴
13年前
サンジを除く他の兄弟共々、遺伝子操作を施された状態で生を受ける。
上記の通り兄弟の中でも実力はトップクラスで、幼少の頃より優れた戦闘センスを持ち合わせている。
落ちこぼれだったサンジへのいじめには他二人に比べ直接手を加える描写こそ少ないものの、ニジやヨンジを引き連れて率先的に行なっていた。また、手を下す時も他の兄弟は面白がって暴行を加える中、彼だけは「同じ日に生まれた4人で何でお前だけデキそこないなんだ!?」「ヴィンスモークの恥!!」と憎悪に満ちた台詞と表情で容赦なく甚振っていた。
ホールケーキアイランド編
サンジがジェルマから脱走して13年が経過。生贄として再び戻ってきたサンジがヨンジやニジに抵抗する中、彼だけはそれを許す隙も与えず彼が家族に向けた激昂の言葉も「多数弱者の戯言」と一蹴。後にニジの罠によりサンジが抵抗できなくなってからは、昔のように兄弟揃ってサンジを痛めつけた。またサンジがルフィに決別を言い渡した場にも立ち会うが、一方的にルフィを痛めつけるサンジを声をあげて笑う弟たちとは異なり、静観を決め込んでいた。
翌日、ビッグ・マムのお茶会に出席するも裏切りに遭い、シャーロット・ペロスペローの能力で動きを封じられる。
城の入口でレイドスーツも回収されているので絶体絶命と思われたが、間一髪でサンジに救出される。
解放されてからは一旦カポネ・ベッジの体内にジャッジや兄弟と共に避難し、そこでサンジがジャッジに事実上の絶縁宣言を突き付けた際は他の兄弟達と静観していた。
その後、麦わらの一味をビッグ・マムのナワバリから逃す為の護衛を兄弟やジャッジと共に引き受け、その途中でシャーロット・カタクリと対峙。
しかし、怪物揃いのビッグ・マムの強豪にはまるで歯が立たず敗北を喫して全滅の危機に陥るが、ホールケーキ城が突如崩壊した事で難を逃れる。
ホールケーキ城脱出後、ジェルマへと攻め込んできたビッグマム海賊団の一人、シャーロット・ドスマルシェと対峙し勝利。ニジが連絡してきたシャーロット・モンドールに対して声を変化させて「ジェルマは制圧完了」と伝えることで敵全体を騙した後、麦わらの一味が出航した事を知ると艦を出すよう命令をくだす。
その後カカオ島へ現れ、敵に囲まれたサンジとルフィを救援。死んだはずのジェルマが現れたことに混乱したビッグ・マム海賊団に真相を打ち明け、戦闘を開始。火花光拳でシャーロット・オーブンを退け、サンジに空を飛ぶよう指示した。
ビッグ・マム海賊団がレイドスーツの防御力をものともしない弾丸を持ち込んでからは劣勢になってしまうも、一味がナワバリを脱出するまで奮闘。一味のナワバリ脱出後は任務完了としてジェルマの面々と共に撤退しようとするが、ビッグ・マムがカカオ島に到着してしまい、イチジは他の兄弟たちと共に消息不明となったまま出番を一度終了する。
短期集中連載「ジェルマ66のあゝ無感情海遊記」
しばらく消息不明であったが、ジャッジやレイジュとともに生存していることが判明。要塞は壊滅し、自身はボロボロの身になりながらもなんとかビッグマムのナワバリを脱出していた。