概要
ドーム状の屋根を有する施設の内部に設置され、室内を十分な暗さにした後、天体をドームの天井に投影して、再現する。狭義にはplanetes(=惑星)の再現を意味するが、現在のものは恒星の再現が中心になっている。
公営の科学館や博物館などに併設されていることが多く、幼稚園・小学校などの校外学習用にもよく使われる。上映されるプログラムは教育用の色彩が強いものからエンターテイメント色が強いもの、人気アニメのキャラクターや人気声優を使ったものまで様々で、外国製作のものを上映したり、運営母体が自主制作した作品もある。概ね番組は40~50分の上映時間であり、科学館併設のものでは学芸員による地域の星空解説が行われることも多い。
プラネタリウムで上映される星空を解説する番組は、天文学(物理・科学)と神話&占星術(精神的安らぎ)の両方の要素を併せ持っている。番組は物語を楽しむ映画とは異なり、理科の教育番組や自然番組、またはイメージビデオのような構成になっている(その上で起承転結があり、綺麗な映像を楽しめ、ドーム全体が回っている「ような」気分になれ、かわいいイメージキャラクターなども登場する。前述のアニメキャラとコラボレーションした番組もこの一種である)。
また、最近では一般家屋内で壁や天井に映写できる家庭用小型プラネタリウムも販売されている。
投影・画面方式
- ピンホール式 - 球体や多角形の恒星球に穴を開け、恒星球の中に設置した光源の光を通す。光源が小さいほど、光が強いほど星の鋭さが増す。構造が単純なため、中学・高校などの教材、天文サークルや個人による自作も多い。また、古くからキットや完成品の市販も行われている。欠点は、星がただの丸に見えやすく、暗い星の再現は難しいこと。また、大型のプラネタリウムには不向き。
- レンズ式 - 恒星球に、あらかじめ穴を開けた恒星原板を内蔵。「光学式」と呼ぶ時、レンズ式を指すことが多い(広義にはピンポール式も光学式の一種である)。光源の光を通し、集光レンズを通して光を集約し、ドームなどに投影する。恒星原板と集光レンズは複数用意し、全天を分割して投影する方式が主流。レンズがたくさん生えているように見えるのは、このためである(32分割が一般的だが、家庭用のように分割しない製品もある)。レンズを使うため構造が複雑・高価になるが、より星像を鋭く、明るくできる利点がある。光源に光ファイバーを取り付け、恒星原板に直接接続することで、光の強度も調節できるが、再現できる恒星数は減少する。業務用では最も一般的な方式であり、家庭用でもセガトイズ・大平技研の「ホームスター」で初めて市販された。
- デジタル投影式 - コンピュータで生成したデータを、ビデオプロジェクターで投影する。星の輝きや宇宙の暗黒表現はレンズ式に及ばないが、恒星原板を交換する必要なく、さまざまな(例えば数億年前の地球や、M78星雲から見たなど)星空を再現できる。また、コンピュータグラフィックなど、多彩な表現の番組を放映できるのが特徴。このため、近年はレンズ式とデジタル式のハイブリッドで役割分担をさせる機種が増えている。なお、「ハイブリッドプラネタリウム」は五藤光学研究所の登録商標である。
- デジタル画面式 - 要は巨大なドーム型発光ダイオードディスプレイである。白色LEDの進歩で、従来のディスプレイより明暗をくっきり表現できるようになり、プラネタリウムに採用され始めた。
光源
ピンホール式・レンズ式では白熱電球が長く一般的であった。業務用ではより光の強い電球の、ハロゲンランプやメタルハライドランプが使われる。しかし、白色LEDが実用化されてからは、そちらが急速に普及している。
楽曲
……ほか
関連イラスト
関連タグ
スカイドーム…明るい時間の空が見れる。