世界をつくれ、運命をこわせ
概要
スクウェア・エニックスから2018年に発売されたゲームソフト。
同社が展開する『ドラゴンクエスト』シリーズの派生タイトルである。
副題は『破壊神シドーとからっぽの島』。
プラットフォームは当初『PlayStation4』および『Nintendo Switch』版のみだったが、後にSteamにてPC版が発売された。
PC版はDLC3本が入ったバージョンのみの販売で、日本国内からも購入可能。
ベースになっているのは海外版で、ゲーム中の細部仕様が異なるほか、看板のデザインなども一部異なる。
- 例:PS4及びSwitch版では「宿屋のカベかけ」には「INN」と書かれているが、PC版ではベッドの絵に変更されている、「ペロのでんしょく」はペロの海外名であるBabsに合わせて文字がPeroからBabsに変更されている、バニーの襟や袖カラーがチョーカーと腕輪に変更されている、墓の十字架が本タイトル内で邪教のシンボルとされている「山」のような形に変わっている等。
『ドラゴンクエストビルダーズ』の続編にあたり、『マインクラフト』のように無数のブロック(立方体)で形成された世界を舞台に、主人公が様々な物を作りつつ、冒険や戦いを乗り越える点は前作と同じだが、高さが最大100段になったり、マルチプレイの実装や写真撮影と投稿、主人公の冒険やモノづくりを補助する様々なアイテムが追加されたり、仲間が前作以上にモノづくりや戦いを手伝ってくれるようになった等、システムが大幅に強化された。
ストーリー
世界の破壊を目論む大神官ハーゴンと破壊神シドーが倒され、世界に平和が訪れた。
しかし、ハーゴンの残党「ハーゴン教団」がモノづくりの力を持つビルダーを根絶やしにしようと、世界中で活動していた。
ビルダーである主人公は魔物によって拉致されたが、水難事故によってからっぽ島に流れ着き、少女ルルと謎の少年シドーと出会い、様々な島を巡ってモノづくりの素材や共に島を開拓する仲間を求め、世界中を旅するのであった。
ゲームの流れ
DQ2のその後の世界を舞台にからっぽ島の発展を目的に様々な島を冒険し、事件を解決すると島の住民をからっぽ島に移住させることができる。ゲームクリアまでは一部しか移住させられないが、ゲームクリア後は全ての住人の移住が可能。
地理
からっぽ島
主人公達が流れ着いた無人島。
その名前の通り、ゲーム開始時点では荒れ地と岩場、僅かな建物の痕跡がある以外はからっぽの何もない島。
この島に様々な物を作るため、各島から住民や素材を持ち帰って発展させていくのが本作の目的の一つとなる。
モンゾーラ島
かつては「5つの野菜が実る島」として知られていた、肥沃な土地を持つ島。
しかし、主人公達が訪れた時には「くさり風」で生じるババンゴの実によって撒き散らされる汚染物質により、島の大半が腐った泥に覆われ作物の育たない不毛の地となってしまっている。
この島では再び野菜を育てられるようにするのが大きな目的となる。
オッカムル島
かつては「どこを掘っても金が出る」と言われるほどの膨大な金の埋蔵量を誇るゴールドラッシュの島だったが、現在はハーゴン教団による物づくりの禁止に加え、鉱石が全て石ころになってしまった事で鉱山は廃坑に、かつて賑わっていた街は廃墟と化している。
この島では住人であるあらくれ達と協力し、廃坑と街を復活させるのが目的となる。
かんごく島
終わらない戦いの島に行く前に強制連行される島。
名前の通り絶海の孤島、切り立った崖の上に構えられたハーゴン教団の監獄。
ビルダー道具や荷物を没収された主人公とシドーは教団による矯正作業に従事しつつもこの島を脱出するための手段を探していく事となる。
なお、地理的にはからっぽ島から南東の方角にあるようで、海図画面でそれらしき島が描かれているものの、再度訪れる事はできない。
終わらない戦いの島
深い雪に覆われ、人間と魔物が終わりのない戦争を長い間続けている島。
主人公達が訪れた際には人間の陣営は残り数人の兵士を残すのみにまで追い詰められており、対するハーゴン教団の軍は膨大な兵力という非常に絶望的な状況である。
その設定通り、建築中にもひっきりなしに魔物の襲撃が起こるほか、激しい戦いの中で次々と命を落としていく兵士たち、兵士達の間で広まる疑心暗鬼、最終章に向かって明らかになっていく真相…と、ストーリー自体も非常に重苦しく印象に残るパートであるという反面、トラウマと化した人も少なくない。
破壊天体シドー
破壊神の名を冠した小惑星。ハーゴン教団の教えでは約束の地であり、救済を求めて多くの魔物達がこの地へやってきていたが、破壊神の復活が間近に迫りった事で小惑星ごと今まさに崩壊しようとしている真っ最中である。
この現実を目の当たりにして諦めて全てを受け入れる魔物が居る一方で、主人公に協力して脱出するための方舟を作ろうとする魔物たちもおり、彼らと協力して方舟を守りながら作り上げていく事になる。
ここではシドーが諸事情により離脱状態であり、代わりにメタルスライムのメタッツがチームに加わる。
この地も再度訪れる事は出来ない。
そざい島
ビルダーハートによって航路を開拓すると行けるようになる島。
素材取り用のランダム生成される島であり、いくら壊しても次に来ると再生成される。
他にもチェックリストを埋める事で素材が無限に使える、NPCやモンスターを仲間にできる、強敵モンスターを倒すとアイテムやレシピをゲットできるという要素もある。
かいたく島
ストーリークリア後に解放される島。ゲーム発売時点では存在しなかったが、アップデートで追加されその後複数回の機能追加がなされた。
そざい島と同じく地形がランダム生成されるが、こちらは自分で消して再生成しない限りは作ったものなどがそのまま残る、建築用の島といった具合。
当初は作れる島が1つのみ、モンスターが一切スポーンしない、住民を連れてこられない、マルチプレイ不可と少々機能面では物足りない感があったが、のちのアップデートで3つまで生成・保持可能、住民を連れてこられる、マルチプレイ可、パスワードによる特定の島の生成機能などが追加された。
ツリル島
DLC「水族館パック」で追加された小島。
世捨て人のような生活を送る女あらくれのフィーが暮らしており、彼女のお願いを聞いていくうちに水槽や魚釣りの道具を作れるようになる。
なお余談として、このフィーの見た目は前作に登場した女あらくれのアメルダと同じで、会話の中で女性の肖像画に描かれている人物が彼女の先祖(=アメルの直系の子孫)であるという事に言及しており、前作の世界観との接点ともなっている。モンスターのメーダが大の苦手である事も先祖と同じようだ。
登場人物
メインキャラクター
- 少年シドー
- からっぽ島で主人公と出会った名前以外の記憶を失っている少年。物づくりはできないが、戦闘と素材集めは優秀。
- ハーゴン
- かつて破壊神・シドーを呼び寄せ、世界を破壊しようと目論んだ末に3人の王子、王女に倒された大神官。現代では彼の意志を継ぐハーゴン教団が世界中で幅をきかせている。
- 破壊神シドー
- 追い詰められたハーゴンによって召喚され、ロトの子孫たちに倒される。3対の手足、コウモリのような1対の羽、蛇のような尾を持つ魔物。
からっぽ島
- ルル
- 主人公と共にからっぽ島に漂着した少女。前作のピリンの色を変えた容姿。おてんばで気が強く、シドーと度々対立する。
- しろじい
- からっぽ島の守り神的な存在のおおきづち。ちいさなメダルを集めている。
- 船長
- からっぽ島に流れついた旅の商人。無事だった船で、主人公とシドーを他の島へ連れて行ってくれる。
モンゾーラ島
- チャコ
- モンゾーラ島に住む畑づくりの天才を自称する少女。腐敗した大地に大農園を復活させるのが願い。
- ドルトン
- モンゾーラ島に住む髭の濃い男。リーダーを狙う野心家。
- ポンペ
- モンゾーラ島に住む活気な少年。団体でよくあるやかましい人。
- ジバコ
- モンゾーラ島に住む傭兵ギャル。暇があれば拠点を警備してくれる。
- みみずん
- モンゾーラ島に住むおおみみず族の最後の生き残り。畑や草原を作るには彼の力が必要。
- ヒース
- モンゾーラ島に住む青年。意外と往生際が悪い。
- モンゾーラ犬
- モンゾーラ島に住む犬。地面に埋まった種の匂いを辿る事が出来る。
- ソフィ
- モンゾーラ島に住む姉妹の姉。数少ないお料理担当。
- リズ
- モンゾーラ島に住む姉妹の妹。姉より頼もしい。
- ゴストン
- モンゾーラ島に立つ教会の主の幽霊。昼は消えてしまうため、夜の間にしか会話が出来ない。
オッカムル島
- ペロ
- オッカムル島に住むバーの看板娘で、島の住人の憧れの的。
この島でのメインキャラである。
- ゴルドン
- オッカムル島の守り神。ストーンマン時の体育座りが可愛らしい。
インゴッドによって力を取り戻す事が出来る。
- アーマン
- オッカムル島の住人で、ペロの父親。教団によって一度は断念したバーの再建を夢見る。
- カルロ
- オッカムル島の住人で、鍛冶屋を営むスキンヘッズ。教団によって一度は退職していた。
- ミルズ
- オッカムル島の住人。あらくれ達のまとめ役。閉所恐怖症故坑道には潜らない。
- マッシモ
- オッカムル島の住人。あらくれのくせにかなりビビり屋。魔物恐怖症らしい。
- オンバ
- 採掘場に幼少期から生き埋めに遭っていた災難な老婆。世話好きで優しい性格。
- セルジ
- オッカムル島の住人。性格は大体ヒースと似ている。
何故か自分がバニーになることを夢見ている。
- ジュエルン
- 未知のお宝を追い求めるオネエなおどるほうせき。
かんごく島
- マーカス
- 伝説の脱獄王。しかし現在消息不明。
- スライハルト
- マーカスに憧れるスライム。マーカスの意志を継ぐ者を待っている。
異様に口が悪い。
- おおきづち
- 見かけに寄らず狂暴なおおきづち。少年シドー並みの破壊力を持つ。
- くさったしたい
- 下水道にポツンと佇んでいた。スライハルトの反応からして彼は・・・・・。
- モンばあ
- かんごく島に収容されている囚人の一人。密かに「まもののゆびわ」を隠し持っている。
終わらない戦いの島
- リック
- 終わらない戦いの島の国に住む兵士長。主人公と共にハーゴン教団打倒に立ち上がる。死への異常な恐怖心を抱く、ムーンブルク一の名剣士。
- アネッサ
- 終わらない戦いの島の国に住む女将軍。ハーゴン教団の一員であり、教団と戦いはするものの、勝利する気までは無い様子。
- ジローム
- 終わらない戦いの島の国の老兵。
- 王
- 終わらない戦いの島の国の王。主人公がビルダーの鐘を鳴らすごとに記憶を取り戻していき、ある真実に気付く。
- ゼセル
- 終わらない戦いの島の国の女兵士。自分のことを影が薄いと言っている。それなりに可愛い。
- ミト
- 終わらない戦いの島の国のとある町のシスター。
- ホッホ
- 終わらない戦いの島の国の老魔導士。ミトの祖父である。
- プット
- 終わらない戦いの島の国の吟遊詩人。破壊的に歌が下手らしい。
ハーゴン教団
- マギール
- モンゾーラ島を仕切る副総督。最初は敵対関係であったが、ビルダーと大樹の魅力によって次第に思考が変わって行く。自分の家も持っており、メギラという召使いもいる。
- ヒババンゴ
- モンゾーラ島を仕切る総督。モンゾーラ島の大地を腐らせた元凶。
- メドーサボール
- オッカムル島を仕切る総督。「ゴールドラッシュ」を打ち消した張本人。地下深くに潜んでいるが、輝くものに反応して姿を表す特徴がある。
- ウゾーン
- 突如としてからっぽ島に現れたハーゴン教団の宣教師。2匹のまどうしを従え、主人公のものづくりを観察する。
- アトラス
- 終わらない戦いの島を仕切る総督。ギガンテスの数倍はある巨駆を持ち、兵を送り込み人間をいたぶっている。
破壊天体シドー
- メタッツ
- 破壊天体シドーで必死に滅びの運命から逃れようとするメタルスライム。シドーに代わって主人公の冒険の手助けをする。まだ子供で、破壊の教えに純粋に従っていたがシドーの力に怯えていた。
- グリムン
- 破壊天体シドーのへこんだ地形の中でパニックに陥っていたグレムリン。後に物作りの楽しさに目覚め、物作りの親方を気取るように。味覚がルルばりに滅茶苦茶である。
- キッシム
- ハーゴン教団の騎士隊長。一度は不意の事故で奈落の底に落ちたが、後にピンピンしている状態で再会する。死なずの騎士はみんなそういう性質らしいが。
- キラーG
- 破壊天体シドーのガレージに転がり落ちていたキラーマシン。かなり老朽化して色落ちも酷い。
しかし戦力としては未だに強く、歳ゆえなのかやたらと口も上手い。
- ジゴック
- ハーゴン教団三神官の一人で、マギールの師匠。死こそ救済と口では言うが…。
- ドラーラ
- 破壊天体シドーの道端で怯えていたドラキー。ハーゴン教団邪神官の一人ヨージスを師匠に持つ。
- ヨージス
- ハーゴン教団三神官の一人。ドラーラの師匠でもある。やたら女性口調であるため、見た目でわからないが女性の可能性がある。
- アデン
- ハーゴン教団三神官の一人。メタッツからトンチンカンだのアンポンタンだの散々言われている。
- 船長
- プロローグで主人公を攫っていたアンデッドマン。プロローグ以来、主人公と仲が良い。優れた海の男であり、最初のチュートリアル担当でもある。いわゆるハーゴン教団の残党…らしい。
余談
- ver1,3では、部屋の条件がいくつか変更されたらしく、過去verで建築した部屋が機能停止している可能性があるため、アップデートしたプレイヤーは建物を見直すといいかもしれない。
関連タグ
表記揺れ:DQB2