CV:山寺宏一
人物
量子物理学者、天才的ゲームデザイナーとして知られ、桐ヶ谷和人にとっては憧れの人物だった。マスコミを嫌っており、メディアへの露出は少ない。
学生時代から天才としての頭角を表しており、既に数億の資産を築いていた一方、自身の目的の為なら手段を選ばない危うさを垣間見せていた。また、本作に登場するVR技術のほぼ全てが彼の理論を元に組み上げられている。
天才科学者と言う外面からは想像もできないが、内面では幼少時から夢見ていた「異世界」へと旅立つことを狂的に渇望しており、元々VR技術もそのために生み出されたもの。
夢見た空に舞う鋼鉄の城「アインクラッド」とナーヴギア完成後、1万人のプレイヤーを道連れにSAOのデスゲーム化を宣言した。
SAOの作品紹介に書かれている「―――これは、ゲームであっても遊びではない」という言葉は、元々彼がマスコミからのインタビューで語っていたものである。
作中の動向
アインクラッド編
ゲームマスターとしてゲームを監視する一方、一般プレイヤーを装い団長としてSAO最強のギルド《血盟騎士団》を育て上げ、進行役として攻略を先導しSAOプレイヤー達を導いてきた。
初めて確認されたユニークスキル《神聖剣》の使い手であり、その有り得ないほどに高い防御力から他とは一線を画した強さを誇り、彼のアバター「聖騎士ヒースクリフ」は最強の名を欲しいままにしていた。
しかし、75層突破後にキリトにその防御力の正体(システム的不死)、そしてプレイヤーとしての彼の正体を看破される。その報酬として本来の予定を前倒しにして、SAOクリアを賭けたキリトとの激闘の末、プレイヤーとしては勝利を収めるもキリトとアスナの絆が巻き起こしたゲームシステムを超越した奇跡により相打ちに近い形で敗れた。
その報酬として、他の生存プレイヤーを全員ログアウトさせた後も2人だけを一旦残し、共にアインクラッド崩壊の様子を見届けている。
自分の理想の世界の為に1万人を巻き込み4000人を殺す事となった惨事の張本人だが、やろうと思えばGM権限でSAOにいくらでも干渉できる立場でありながら、基本的に「観測者」の立場を崩さず、(良くも悪くも)特定のプレイヤーへの肩入れなどの卑怯な手段をとることはなかった。
- デスゲームの犯行声明を出した後、囚われたプレイヤーたちの肉体をどう対処すべきか現実世界に通知し、医療バックアップ体制が整うまで猶予も与えた。しかし、これを信じなかったプレイヤーの周囲の人物がナーヴギアを強引に外した結果、少なくない数の犠牲者が出ている。
- SAOで起こる現象には可能な限りリアリティーを追求し、かつ理不尽な事態に陥らないよう設定した。強敵モンスター攻略も、情報が揃っていてレベルも十分ならば普通にクリアできるようにしていた。
- キリトとの決戦では他の攻略組プレイヤー全員を管理者権限で麻痺させたが、これは邪魔が入らない状況下でキリトと純然たる一騎撃ちを望んだため。その後システムの限界を超えた彼に討たれても、潔く負けを認め、自分が倒れる寸前にHPを全損したアスナ共々生還させた。
そのため、帰還後のキリトは茅場に対し複雑な感情を抱いており、最終的に「やったことについては今でも許すわけにはいかないが、憎みまではしない」という形にアスナ共々落ち着いている模様。
作中ではデスゲーム宣告のローブを羽織ったアバター、血盟騎士団団長ヒースクリフのアバター、そしてリアルでの白衣を纏った姿の三つの姿を持つが、pixivではこのタグはリアルでの姿、ヒースクリフ双方に使われているようだ。
フェアリィ・ダンス編
SAOがクリアされた直後、使用していたVRマシンを使って脳のスキャニングを実行、精神(フラクトライト)をデータへと変換し、肉体はそれに耐えきれず死亡する。そのため、データ化した自身のことを「茅場晶彦の残響」と称している。
完全な再構築には時間を要していたものの、ALOでのキリトの窮地に際し突然現れ逆転の一手となる「ヒースクリフのプレイヤーID」を与えることで勝利をもたらした。その後、「世界の種子」ことVRワールド制作プログラム「ザ・シード」を託した。
オーディナル・スケール
かつての師である重村徹大が企てを完遂しようとする間際、オーグマーによるAR(拡張現実)を介して彼の前に現れ言葉を交わしている。
アリシゼーション編
いつの間にか「プロジェクト・アリシゼーション」の存在を知り「オーシャン・タートル」内部のネットワークに潜伏していた。
異界戦争の終盤では「オーシャン・タートル」の原子炉爆発を阻止するべく、観測者としての立場を放棄して二足歩行ロボット「ニエモン」の機能を掌握、爆弾の解除のため奔走する。途中で機体が損傷し機能停止するも、自分を信じる凛子の叫びに応じるかのごとく再起動を果たし仕事を成し遂げた。
その後、機体ごと海底に落ちたが、アンダーワールドに外部ネットワークからアクセスするためのケーブルを繋ぐという作業を密かに行っていた。
ユナイタル・リング編
冒頭にて星王と密談を行っている。
与えた影響
SAO事件、そして茅場の存在は、VR技術を危険視する思想、逆に新たな可能性を後の世に示すなど、数多くの影響を与えた。しかし、そのほとんどが新たな事件の火種になっている。
- フェアリィ・ダンス:自身を妬む後輩によるSAO生還者の精神的拉致
- ファントム・バレット:SAO生還者であるレッドプレイヤーが引き起こした連続殺人事件
- オーディナル・スケール:SAOで娘を亡くした恩師によるAI開発計画
- アリシゼーション:自分が遺した「世界の種子」を利用した真正人工知性創造計画、およびそれにまつわる仮想世界での戦争
人間関係
家族構成は不明。
後輩。
独身のまま生涯を終えたが、大学時代から交際しており、茅場も彼女のことを「浮世離れしていた自分を現実に繋ぎ止めてくれた大切な人」と最後まで想い続け、自分の死後に彼女に累が及ばないようにダミーの小型爆弾を彼女の体に取り付けることで「凛子は自分の命を盾に自分に脅され、犯行に加担した」という偽装工作を行うことで彼女の身を守ろうとした。
肉体を捨てた後も彼女への想いは変わらず、アリシゼーション編において再会したときに自分に付き合わせてしまったことを謝罪している。
同じく後輩。
比嘉からは尊敬されていたようだが、須郷からはその才能と凛子との交際を妬まれており、後に「フェアリィ・ダンス編」における事件を引き起こすことになる。
恩師で「アーガス」の外部取締役とゲーム開発者というビジネスパートナーの関係であると同時に、娘の命を奪った加害者と遺族でもある。
重村は茅場への憎悪よりも自分自身への怒りから、「オーディナル・スケール編」における事件を引き起こすことになる。
関連イラスト
関連タグ
蛮野天十郎,檀黎斗...肉体の死後もデータ化して活動していた技術者系の黒幕仲間。特に後者はデスゲームを引き起こしたという共通点がある。(ただしこちらはゲームをエンターテインメントの一つとして考えており、一応コンティニュー可能にしていた可能性があり、他にも救済措置は用意されていた可能性が考えられるが、自身の死後バグスター達に改悪されてしまった。)
神崎士郎...デスゲームと己の世界を作り上げ肉体をなくしても活動していた科学者系黒幕かつラストバトルではチート持ちにも関わらず黒い剣士に負けてしまったつながり