ゼノブレイド3
ぜのぶれいどすりー
概要
ゼノブレイドシリーズの最新作。
2022年9月に発売予定だったが2ヶ月早まり、7月29日に発売。
総監督の高橋哲也氏曰く、シリーズの集大成となる作品。
テーマは「融合」。
キービジュアルには折れた機神の大剣と胴体に大穴があるインヴィディアの巨神獣が描かれ、まさにゼノブレイド1と2の未来を繋ぐ物語に相応しいものとなっている。
また、こちらの世界でもしっかりノポン族は存在する模様。
当初は、異なる陣営に属する二つのチームを描いたザッピングストーリーになる話もあったが、最終的に主人公達が一つの第三勢力として行動する形に落ち着いた。
メインキャラクターは前作に引き続き齋藤将嗣氏が、後述のウロボロスは麦谷興一氏がデザインを担当している。
ストーリー
物語の舞台となる「アイオニオン」は、敵対する2つの国家「ケヴェス」と「アグヌス」が日夜熾烈な戦争を繰り広げる過酷な世界であった。
そんな中、それぞれの陣営に属するノア達とミオ達は、ある日偶然戦地で出くわし対立するが、突如現れた謎の喋る巨人に襲撃される。
巨人に襲われそうになるミオを、ノアが身を挺して助けようとした瞬間、2人の体が突如融合(インタリンク)し、巨大な姿「ウロボロス」へと変貌。
未知の能力を得たノア達6人は、謎の巨人を退け一命を取り留めるが、この事をきっかけにウロボロスを危険視する両国から命を狙われる立場となってしまう。
ノア達はゲルニカという男の助言のもと、本当の敵を見つけ、なぜ戦わなければいけないのか…真実を知るために、「大剣の突き立つ大地」を目指し共に行動する事となる。
本作の登場人物
六人の主人公
ケヴェス所属の、剣を振るう青年。
戦場で命を落とした兵士を弔う“おくりびと”。クラスはソードファイター。
CV:津田美波
アグヌス所属の、生真面目で優しい少女。
彼女もまた、戦場で命を落とした兵士を弔う“おくりびと”。クラスは疾風士。
ノアの幼馴染、盾にもなる大剣で仲間を守る。クラスはヘヴィガード。
CV:佐藤みゆ希
ミオを姉のように慕う、見かけに反してハンマーを振り回す怪力の持ち主。クラスは破砕士。
CV:潘めぐみ
ノアを尊敬し、ランツとは好き放題モノを言える関係。杖をもした銃(ガンロッド)の使い手。クラスはメディックガンナー。
CV:木村良平
ミオやセナの仲間である、冷静沈着な青年。モンドと名付けた紙のような不思議な武器、カタシロを操る。クラスは戦術士。
ヒーロー
操作はできないが、7人目のバトルメンバーとしてサポートしてくれる。
ケヴェス所属のメカニックとアグヌス所属の給仕であるノポン。
クラスはヤムスミス、デバフによる敵の弱体化が得意。
当初はゲストとして同行するが、ストーリー中盤に「技巧のリク&マナナ」としてヒーローとなる。
CV:小林ゆう
ケヴェスの「コロニー30」の軍務長。「機匠のルディ」の異名を持つ。
機械に対する愛が人一倍強く、ケヴェス随一のメカニックと名高い。
クラスはウォーメディック、非常に高い回復力で戦線を支える。
メインストーリー上で必ず仲間になるヒーローの一人。
CV:逢坂良太
ケヴェスの「コロニー9」の軍務長。「義勇のゼオン」の異名を持つ。
食糧不足に苦しむコロニーの為、日々奮闘している。ノア達の元同僚。
クラスはガーディアンコマンダー、敵の攻撃を吸収し能力を強化できる。
CV:高橋広樹
アグヌスの「コロニーガンマ」の軍務長。「幽玄のシドウ」の異名を持つ。
教導官としての実力も高いが、その厳しさゆえ兵たちからは恐れられている。ミオ達の元上司。
クラスは錬世士、強力な打撃を敵に与えつつ味方を癒す。
CV:小清水亜美
アグヌスの「コロニーイオタ」の軍務長。「怜媛のニイナ」の異名を持つ。
短期間でコロニーを白銀ランクまで押し上げた、やり手の軍務長。
クラスは攻騎士、クリティカルヒットするたびに攻撃力が上がる。
CV:釘宮理恵
アグヌスの「コロニータウ」の軍務長。「儚弦のユズリハ」の異名を持つ。
普段は森の中で暮らしている為か、動きは俊敏。
クラスは幻弓士、ヘイト管理に長けたアタッカー。
メインストーリー上で必ず仲間になるヒーローの一人。
CV:M・A・O
ケヴェスの「コロニー11」の軍務長。「凌剣のアシェラ」の異名を持つ。
ケヴェス最強格のディフェンダーにして、“死にたがりの戦闘狂”。
クラスはローンエグザイル、積極的な攻撃で敵を引きつける。
CV:悠木碧
アグヌスの「コロニーミュー」の軍務長。「健旗のマシロ」の異名を持つ。
友達思いだが、兵士としては優しすぎるきらいがある。
クラスは星輝士、味方へのバフに特化した特殊なヒーラー。
CV:土師孝也
ケヴェスの「コロニー15」の軍務長。「叛賊のトライデン」の異名を持つ。
クラスはソウルハッカー、ユニークモンスターを討伐することでスキルやアーツを獲得できる。
CV:千葉繁
所属不明。「灰狼のグレイ」の異名を持つ。
眼帯とマスクで顔を覆った謎の多い人物。
クラスはフルメタルジャガー、敵に攻撃が当たるたびに能力が上昇する。
その他
- ケヴェスの女王
黒を基調としたドレスに身を包む。
CV:種﨑敦美
ケヴェスの「コロニー4」の軍務長。「白銀のエセル」の異名を持つ。
ノア達の命の恩人だが、ウロボロスの一件で目の敵にされることに。
- ボレアリス
CV:森田成一
ケヴェスの「コロニー4」の副官。
エセルを唯一無二の軍務長として慕っている。
- ムンバ
CV:井口祐一
ケヴェスの「コロニー9」に所属する兵士。
ストーリー序盤、ノア達と共にある特殊任務に赴くが……
- クリス
CV:岸尾だいすけ
ケヴェスの“おくりびと”で、ノアのかつての友人。
- ヨラン
CV:天希かのん
訓練兵時代のノア達の友人。
ケヴェス軍の襲撃の中、ランツを庇って命を落とす。
- ゲッセル
CV:梶原岳人
ノア達と同期の兵士。
訓練兵時代、ノアやヨランを「お荷物」と呼んで馬鹿にしていた。
- アグヌスの女王
白を基調とした着物に身を包む。
CV:楠大典
アグヌスの「コロニーデルタ」の軍務長。「紅蓮のカムナビ」の異名を持つ。
アグヌスきっての戦人であり、エセルとは仇敵同士。
CV:前野智昭
アグヌスの「コロニーラムダ」の軍務長。「暁勇のイスルギ」の異名を持つ。
タイオンの元上司にあたるが、ウロボロスの一件を受けて敵対する。
- ナミ
CV:藤井ゆきよ
アグヌスの「コロニーラムダ」の作戦課長。
ケヴェス軍の襲撃の中、タイオンら若い兵士を逃がすための囮となり命を落とす。
彼女の死はタイオンやイスルギに大きな影を落とすこととなった。
CV:福圓美里
アグヌスの“おくりびと”で、ミオのかつてのパートナー。
- ゲルニカ
CV:玄田哲章
ノア達の前に現れた謎の男性。「真の敵は別にいる。大剣の突き立つ大地を目指せ」と彼らに告げる。
- モニカ
CV:渡辺明乃
ノア達の前に現れた謎の女性。ゲルニカと同じ眼帯を身につけている。
- トラビス
CV:平井啓二
モニカの副官を務めるくたびれた男性。
- ゴンドウ
CV:明坂聡美
ノア達の前に現れた謎の少女。アギョウとウンギョウという二人の護衛がいる。
CV:照井春佳
ノア達を尾行する謎の少女。
ケヴェス、アグヌス双方のコロニーを統治する者達。メビウスと呼ばれる異形の姿になることができる。
ウロボロスとインタリンク
本作の独自仕様。ノア達が心を一つにした時、互いの身体が融合(インタリンク)し、「ウロボロス」と呼ばれる巨人の姿と化す。
前述したように両国はウロボロスの存在を危険視しているため、偶発的にそうなった6人は両国から命を狙われることとなる。
戦闘中にインタリンクできるようになり、強力なアーツを使うことができる。
しかし、身体に負荷がかかるためか、熱がたまる。そのため限界が近づくとアラートが鳴り、ゲージが満タンになると強制解除。クールダウンが完了するまでインタリンク不能。
なお組み合わせは「ノアとミオ」「ランツとセナ」「ユーニとタイオン」と決まっており、異なるペアでの融合はできず、作中でもお互いの関係性がクローズアップされる。どちらが主導権を握るかでそのフォルムとアーツも変化する。
「融合」要素
融合するのはバトル中のキャラクターだけではなく、それら以外の要素にも『1』と『2』が融合している部分が見受けられる。
具体的には下記の通り。
- フィールドマップ (『1』と『2』のマップやオブジェが部分的に混じっている)
- アーツ (『1』の円形状と『2』の菱形形状のもので構築)
- コンボ (ブレイク→ダウンから、『1』のスタン(気絶)→バースト(新要素)、『2』のライジング→スマッシュに分岐)
音楽要素
本作も『2』に引き続き光田康典氏が担当。楽曲には本作の世界観に合わせて打楽器、弦楽器、管楽器の3種類が使用されており、計140以上もレコーディングされている。
特に管楽器の篠笛(しのぶえ)に関してはなんと本作の為だけに笛を一から作り始めており、
篠笛の職人さんに態々ノアとミオの2種類の笛の製作を依頼し、モノリスソフトのデザイナーがデザインし、実際に別室でレコーディングを行ったという、まさに任天堂らしい手の込んだ相当無茶な仕上がりになっている。
なぜ態々笛から作り始めたのかというと、光田氏が「一からつくれば、今までにない音がつくれますよ」と発言し、それを聞いた任天堂ディレクターの横田氏が「ゼロから作った方が、本作の雰囲気にマッチするんだろうな」と決心し制作を開始させたらしい。これほどのとてつもない仕事量でいて発売日が2か月も早まったというのは… 恐るべし、任天堂。
その他マリアム・アボンナサー、清田愛未、ACE、平松建治ら過去にゼノブレイドシリーズの楽曲を手掛けた作曲者も勢ぞろいし、まさに集大成ともいえるラインナップである。
…しかし総監督である高橋哲哉氏はこれほど豪華な音楽が揃っているにも関わらず、これでも「まだ物足りない」と語ってはいた。